2024年1月13日土曜日

ビッグレッドの種牡馬は失敗だらけ?コンデュイットなど

■2022/04/22 ビッグレッドの種牡馬は失敗だらけ?コンデュイットなど


■2022/04/22 ビッグレッドの種牡馬は失敗だらけ?コンデュイットなど

 サンスポの2013年の新種牡馬特集を以前のブログで紹介していました。この新種牡馬連載(5)(2013.4.23 16:36 )は、コンデュイットです。普通、目玉種牡馬から行きますので、5回目ともなると脇役でしょう。しかし、記事では、「前週に紹介したディープスカイと初年度リーディングを争う最有力候補」とされていました。
 ところが、コンデュイットと並ぶとされたディープスカイが、まさかの大ゴケ! じゃあ、コンデュイットがすごかったのか?と言うと、コンデュイットもいまいち。その証拠にその後、ヨーロッパに売り払われてしまいました。お払い箱です。
 私はマイネルで有名なラフィアンの岡田繁幸さんに惚れ込んで、ラフィアンの一口馬主になったのですが、岡田繁幸さんは種牡馬に関しての相馬眼はイマイチ。ビッグレッドファームの目玉導入馬は、大体失敗しているイメージですね…。

 さて、当時の記事の話です。とりあえず、コンデュイットの競走成績は文句なし。立派なものでした。

<英愛仏米日で2~4歳時に15戦7勝。ブリーダーズCターフ連覇などGI4勝。デビュー戦こそ7着に敗れたが、その後はすべて4着以内と安定した成績を残している。初勝利はオールウエザーで挙げているが、それ以外の勝ち星はすべて芝の12ハロン以上でマークしたもの。長丁場での安定感が光っていた>

 上記から想像がつくように、適性診断は「文句なしに芝のステイヤー」となっていました。しかも晩生だろうとされています。
 血統でも「父はミルリーフ系の凱旋門賞馬Dalakhani。母の父もSadler’s Wellsという欧州色の濃い配合で、およそ近年の日本におけるスピード競馬には似つかわしくない」とされていました。

 こうした特性は嫌いじゃありません。とはいえ、日本向きかというと多いに疑問。当時私は「ステイヤーというのは好みなんですが、現代の日本の競馬に合うか?と言うと、キツそうですね」と書いていました。

 上記まででわかるように記事でもデメリット目白押し。にも関わらず、「ディープスカイと初年度リーディングを争う最有力候補」とされていたのは、主に繁殖牝馬の質が高かったことが理由でした。また、私は当時種付け頭数そのものがかなり多いことにも驚いたんですよね。場産地の期待も高かったようです。

<ただ、母系の質は高く、近親にはフサイチコンコルドやアンライバルドなどがいる系統という点は魅力。現存する日本の繁殖牝馬の大半につけられる血統構成もセールスポイントだろう>
<コンスタントに活躍馬が出るかは疑問だが、大物を出しうる魅力に満ちている。北海道シリーズの洋芝を得意とする産駒も多いはすだ。道悪もお手のもの>
<いかに配合のしやすい種牡馬とはいえ、スピードが重視される昨今にあって、111頭もの繁殖牝馬を集めたことは注目に値する。潜在能力の高さが買われたことに加えて、牝馬が出た場合の繁殖としての将来性も付加価値と言えそうだ。ランニングヒロイン(スクリーンヒーローの母)、クルーピアスター(アサクサキングスの母)、グローバルピース(ホエールキャプチャの母)、アラームコール(ビートブラックの母)といったGI馬の母親たちを配合相手に迎えているほか、ホクトスルタン、ベストメンバー、シャドウスケイプ、トーセンキャプテンといった重賞勝ち馬の弟、妹たちもコンデュイットの初年度産駒として誕生している。かなりの質の高さで、前週に紹介したディープスカイと初年度リーディングを争う最有力候補と言えるだろう>
http://race.sanspo.com/keiba/news/20130423/pog13042316450002-n1.html

 当時私は以下のように書いていました。

<「前週に紹介したディープスカイと初年度リーディングを争う最有力候補」は言いすぎかなと一瞬思いますしたが、実際繁殖牝馬は良いですね。クルーピアスター(アサクサキングスの母)、ホクトスルタンの下、トーセンキャプテンの下あたりは個人的に好きな馬の下ということもあり、注目です。
 でもどっちかと言うと、コケそうな予感の方が強いなぁ……。
 「牝馬が出た場合の繁殖としての将来性も付加価値と言えそうだ」とありますけど、欧州血統が強すぎるので、何か母父になってサンデーサイレンス系種牡馬とつけると大物を出しそうな気がします>

 で、実際、ディープスカイと仲良くコケるという大惨事になりました。
 コンデュイットは欧州に渡った後、亡くなっています。そのときのニュースの代表産駒の名前を見ても、失敗っぷりがわかりやすいですね。東京ジャンプSと小倉2歳S2が代表勝鞍になっていました。

<現役引退後は日本のビッグレッドファームで種牡馬入り。10年から6シーズンを日本で過ごし、17年東京ジャンプSを制したシンキングダンサー(牡7、武市)、16年小倉2歳S2着ダイイチターミナル(牡6、大江原)などを出した。16年から北アイルランドのタリーレーンハウススタッドで障害用種牡馬として繋養(けいよう)されていた>
(コンデュイット死す、BCターフ連覇&日本で種牡馬 [2020年06月18日 00時20分] 日刊スポーツより)
https://p.nikkansports.com/goku-uma/news/article.zpl?topic_id=1&id=202006180000001&year=2020&month=06&day=18

 「こんな血統に需要あるのかよ?」というコンデュイットに繁殖牝馬が集まってしまい壊滅。期待した場産地の人々はつらい思いをされたでしょう。いいところなしです。
 ただ、ビッグレッドファーム側としては、逆に言うと、これだけ良い肌馬がいてダメなら言い訳しようがない…ということで、すっぱり諦められる要素になったのは、不幸中の幸いかもしれません。