■2013/3/30 馬の引退が早すぎて納得できない…にクラブ社長が反論!
■2013/3/30 馬の引退が早すぎて納得できない…にクラブ社長が反論!
アワープレジャー2012年8月号で、ラフィアンの岡田紘和さんが牧場ツアーの立食パーティー後の二次会での話をしていました。
会員さんが「2歳のうちに数戦して引退した出資馬がいたが、まだ3 歳未勝利戦も使えるのに引退が早すぎる。その後地方競馬で5 勝していて、もっと中央でも走れたのでは」という話をしていたそうです。こういう疑問は持ちがちですね。ただ、以下のように反論されていました。
<馬名を確認するとその馬は確かに2 歳時にたった2 戦、いずれもタイムオーバーという最悪の結果だったのです。「高額募集馬で期待をしていたのに牧場でやり直してほしかった」とも。そのお気持ちはよく分かりますし、2 戦ともタイムオーバーという結果は申し訳ないと思い、謝りました。ただ、この馬については早期引退が適切だったと思っています。地方競馬で数年走って5 勝、獲得した賞金が150万円というレベルではJRAの未勝利戦では勝つどころか健闘することも難しいのです>
今のラフィアンに思うところはありますが、この会員さんの意見の場合は同意できず、むしろ岡田紘和さんの言い分が納得できます。地方競馬と中央競馬ではレベルや賞金額が違いすぎるんですよね。この人のように、競馬ファンでもわかっていない人が結構いらっしゃいます。
まだ岡田繁幸さんの頃に「ラフィアンは走れる馬を引退させている。その証拠に地方ですごく活躍している」と荒らしのように書いている方もいました。具体的な馬名を聞いた方もいましたけど、それっきり掲示板には現れず……。この人もたぶん同じような勘違いをしていたんじゃないかと思います。
この掲示板の人はクラブ馬で自分が実際に持っていたというケースでした。ただ、そうじゃなくて一般のファンでも馬の引退に関しても結構とやかく言いますよね。特に怪我して引退した場合は、まだやれるのに…みたいなことを言いがちです。
ただ、復帰までの間、ずっとお金をかける必要があるというのに注意。現役続行を選択しても、復帰後に休養分の費用を取り返せない馬は多いです。復帰後にまた活躍する馬はすごく感動するものがありますけど、すべての馬がそうなるわけじゃないんですよね…。
一方、岡田紘和さんの話では、珍しいと思った逆パターンもあってびっくり。何が逆なのかと言うと、「早く引退させるべき!」という訴えがあったというんですね。一口馬主は持ち馬に分不相応な期待を持ってしまうために「引退させるな!」が多くなるので、「引退させろ!」は珍しいですね。私は「早く引退させろ」と思う方ですが、一般的にはこれはほとんどないパターンでしょう。以下は、私ですら思わないほど早く見切る逸話でした。
<また別馬の話ですが、数年前の2 歳デビュー戦でタイムオーバーとなった直後に、その馬にご出資いただいている会員様が「全然走りませんね。引退させてください」と。ちょっと驚きましたが、次のようにご説明いたしました。「これまでの調教の動きを考えると、今回この馬は実力を出し切っていません。ましてや未勝利で終わるような馬とは思いません。もう少し時間をください」と。その馬は今やオープン馬です>
ところで、最後に岡田紘和さんは以下のように書いていました、岡田紘和さんはこの手の話をよく書いています。
<ある時、年老いたフランス人の知り合いがイギリスのせり場のパレードリングの横で突然私に問題を出しました。「ヒロ。走る馬を見極められるけど調教技術が普通の調教師と、走る馬は見極められないけど調教技術は一流の調教師が競ったらどちらが勝つと思う?」 間髪入れず「前者」と答えました。彼はにやりとして頷きました>
有名な進学塾に通えば、みな東大に入れるか?と言うと、もちろんそうではありません。それだけの才能がなければ、そこまではたどり着けないでしょう。
調教技術というのも確かに大事なのですが、それ以前の馬の能力というものが最も大きく効いてきます。そういう意味で言うと、馬が走らない一番の原因は募集馬を選んだ時点での失敗だと言えるでしょう。
そして、最近のラフィアンの場合は、この相馬眼がズタボロだと考えざるを得ない結果なのも事実。最初の地方転出の馬に関しても岡田紘和さんは、<引退時期よりも、そのような馬を募集してしまったことの方が問題であり、大いに反省するところです>と書いていました。
岡田紘和さんの代になってからの低迷ぶりは顕著ですし、会員の不満が募ること自体は無理からぬところがあります。