2024年7月31日水曜日

負けっぷりの方が印象に残る個性派名馬ハギノカムイオー

■2013-03-31 ハギノカムイオー34歳、シンザンの日本最長寿記録35歳3ヶ月11日に迫る
■2013-04-21 シンザンの国内最長寿記録に迫ったハギノカムイオー、34歳で死去
■2013-04-21 負けっぷりの方が印象に残る個性派名馬ハギノカムイオー


■2013-03-31 ハギノカムイオー34歳、シンザンの日本最長寿記録35歳3ヶ月11日に迫る

  新ひだか町の牧場で余生を送る宝塚記念など重勝6勝を挙げたハギノカムイオーは、2013年4月1日で34歳になるという記事がありました。腰が少し弱くなったが、目や耳も良く元気で、三冠馬シンザンの最長寿記録(35歳3か月11日)に迫っているとされていました。

<ハギノカムイオーは1979年に浦河町で生まれた。父テスコボーイ、母イットーの良血馬で、セリ市で1億8500万円と当時の史上最高額で競り落とされ、「黄金の馬」と呼ばれ話題になった。(中略)2000年からは功労馬として本桐牧場で過ごしている。人間で言えば110歳という。担当する小林弘喜さん(55)は「毎日青草をはみ、体調も良く、このまま1年でも2年でも長生きしてほしい」と話している。
(名馬ハギノカムイオー34歳に 最長寿記録も見えた 2013年3月31日  読売新聞より)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hokkaido/news/20130331-OYT8T00040.htm

 シンザンの記録が破られるってのはちょっと寂しい気もしますけど、元気に長生きしてくれるのですから喜ばしいことです。

 ■2013-04-21 シンザンの国内最長寿記録に迫ったハギノカムイオー、34歳で死去

 以前書いたハギノカムイオー。そういや誕生日を迎えたし何か記事出ているかな?と遅れ馳せながら検索して、思わず声を上げました。まさか誕生日のすぐ後で亡くなっていたとは……。

-----引用 ここから-----
新ひだか ハギノカムイオー老衰死:苫小牧民報社 2013年 4/12

 国内のサラブレッドで最高齢だったハギノカムイオーが10日、新ひだか町三石本桐の本桐牧場で死んだ。老衰とみられる。今月1日に34歳の誕生日を迎え、シンザンの持つ国内最長寿記録(35歳3カ月11日)更新が期待されていた。(略)
 人間に例えると100歳は優に超える高齢だったが、歯が丈夫で目も耳も良かったことから国内最長寿記録更新の期待が高まっていた。同牧場によると、前日まで元気に放牧し、大好きなリンゴも食べていたという。
http://www.tomamin.co.jp/2013s/s13041202.html
-----引用 ここまで-----

 <34歳・ハギノカムイオー死す>(2013年4月11日06時01分  スポーツ報知)によると、83年の宝塚記念を日本レコードで制するなど、勝つ時は他を圧倒したが、負ける時は惨敗。強さともろさが同居していた個性派。産駒に目立った活躍馬は出ませんでした。http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20130410-OHT1T00150.htm

■2013-04-21 負けっぷりの方が印象に残る個性派名馬ハギノカムイオー

 <ハギノカムイオー、華麗なる一人旅または玉砕の美学>(2013年04月12日 東スポ)は、競走成績以上に愛されたという書き方。<「華麗なる貴公子」「黄金の馬」と称され、クラシックでもないのにスポーツ紙の1面を飾った(と記憶しているのだが)アイドルホースであった>としています。

 大きく期待された二冠を逃したハギノカムイオーは、距離的にきついと思われつつ期待された、最後の三冠菊花鵜匠で無謀なまでの大逃げで、21頭中14着の轟沈。しかし、気高いまでの一人旅には玉砕の美学があったと記者は書きます。さらに、以下も個性派!というエピソード。個性派ですね、本当。

<JCでは世界を相手に大逃げを打つも、アイルランドのスタネーラに遅れること7秒3の負けっぷり。東京2400メートルの2分34秒9は、現在の男子マラソンにたとえれば2時間20分レベルのスローフィニッシュに相当する。伊藤清章が外れた唯一のレース・有馬記念は小島太の手綱で臨んだが、やはり逃げが4角でつかまり最下位16着。これが最後のレースとなった。
 14戦8勝、賞金2億3000万円は上出来の戦績だが、むしろ負けっぷりの方が印象が強い。勝てなかった6戦はすべて2けた順位という極端な結果は、調子の波に乗れば手がつけられず、逆ならトンネルに入り込む突き押し相撲の力士のごとし。種牡馬としてはさらに期待を裏切った。いわば挫折も味わったエリートのような馬だったが、ここまで余生を送ることができたのは、ひとえにその“人柄”ならぬ“馬柄”ゆえだろう>
http://www.tokyo-sports.co.jp/blogwriter-watanabe/5976/

2024年7月30日火曜日

シンジケート総額と種牡馬売却額に差がある理由、ウインブライトで説明

■2021/02/17 シンジケート総額と種牡馬売却額に差がある理由、ウインブライトで説明


■2021/02/17  シンジケート総額と種牡馬売却額に差がある理由、ウインブライトで説明

 ウインレーシングクラブの2021年02月03日の社長のページ(更新ごとに古いものが削除される仕様?)で、シンジケート総額と種牡馬売却額に差がある理由が説明されていました。「ウインブライトの売買に関してインターネットに事実と異なる情報が書かれていましたので訂正しておきます」という話です。検索して、元の記述らしきものを探してみました。たぶんnetkeiba掲示板での以下のあたりだと思われます。

 [16074]
26,400万円でウインレーシングがBRF(引用者注:ビッグレッドファーム)に売却。
BRFが事務局として120万円×5年×60株=36,000万円で
シンジケートを組んでの種牡馬入りでしたね。

 [16075]
計算すると36,000万円のシンジケート(推測)
売却代金(=会員への分配金総額)26,400万円でした。
差額分は種牡馬保険料や飼い葉代と事務局BRFの手数料ですかね。

 上記を読んでわかるように、批判的しているわけでなく、単に「予想してみた」というものだったようです。で、ウインの三男の岡田義広社長が以下のように指摘。もともとが批判的なものではなかったとはいえ、怒っている感じはなく、優しく教える感じでした。これが、長男でラフィアンの岡田紘和社長ならかなり憤慨して「適当なこと書くな」…といった感じになりそうなイメージ。お二人はかなりキャラクターに差を感じます。

<ウインブライトの種牡馬としての売買価格とシンジケート総額に差があることについてですが、この差額分はビッグレッドファームさんの利益にはなりません。なぜなら差額分には4年分の種牡馬保険料(高額です)、飼養費、広告宣伝費、事務費などが含まれており、BRF(引用者注:ビッグレッドファーム)さんが取る商社手数料は0円です。保険料が特に高いのでシンジケート総額が高くなってしまいます。これはどこのシンジケートでも同じですが、結局ウインブライトの産駒が良い結果を出してくれないと得することはありません>


2024年7月29日月曜日

ゼンノロブロイの全弟グランデグロリア未勝利で種牡馬入り

■2013/2/28 ゼンノロブロイの全弟グランデグロリア未勝利で種牡馬入り


■2013/2/28 ゼンノロブロイの全弟グランデグロリア未勝利で種牡馬入り

 グランデグロリアはゼンノロブロイの全弟ですので、当然父は同じサンデーサイレンス。サンデーサイレンス産駒の種牡馬ならありふれていると思うんですけど、種牡馬入りしたそうです。
 グランデグロリア自身の競走成績としては、2003/07/26に新馬戦で1番人気に押されるも15頭立ての10着という大敗。その後間が開いているので、順調じゃなかったのかもしれませんね。2005/04/30の胎内川特別(500万下)が2戦目となります。兄が兄だけに希望を捨てられなかったのか、2年近く経って出走ですね。9頭立てとは言え4番人気ですから結構すごいです。格上挑戦ですからね。ここは6着で、一応、人気から遠からぬところでした。
 ならば次はもっと良いはず!と3戦目は3番人気になったのですがが、こちらは7着とまた人気よりかなり下に。結局先の6着が最高順位であり、あとは10番人気12着、8番人気8着で引退となってしまいました。成績だけ見ていると、普通に駄馬です。

 ゼンノロブロイの1つ下の弟で母ローミンレイチェルの最後の子でしょうか。ネット競馬では第5子に見えるのですが、白老ファームだし輸入牝馬の可能性があり、よくわからず。名前を見てわかるようにゼンノの大迫夫婦の馬ではありません。青山洋一さんという方の所有馬。厩舎も兄の藤沢和雄厩舎ではなく、森秀行さんのところでした。

 問題の種牡馬成績は?と見ると、情報はこれくらい。

-----引用 ここから-----
 [39] どん汰さん
容姿が兄と瓜二つで驚いた記憶が。
しかし戦績は…。
血統って本当に分からないものですね。

一昨年も昨年も種付け数は1頭。
一昨年は不受胎で、今年は双子が流産だったそうです。
兄が好きなのでこの馬にも頑張ってもらいたい。
まずは産駒のデビューを待ってます。
2012年06月26日 12:52:51
http://db.netkeiba.com/?pid=horse_board&id=2001100025

-----引用 ここまで-----

 おそらくまだ無事生まれた子はいないということじゃないかと。種付け数は1頭だそうですし、趣味みたいなものではないか…と予想しています。

2020/11/13追記:その後、「2017年9月28日付で用途変更のため種牡馬供用停止」となっていたとのこと。ただ、その前に子供は誕生していますね。ネット競馬に登録されているのは4頭。そのうち馬名が登録されているのは2頭です。ただ、馬主は空欄で、出走経験はなし。繁殖牝馬用の登録でしょうか。私はてっきり趣味だと思ったのですけど、種付けしたのはずっと同じ肌馬というわけではなく、3頭もいたので本気だったのかも。 いずれも生産者は、吉田史郎さんとなっています。

 繁殖牝馬であるのなら、母父グランデグロリアである、グランデグロリアの孫ならいるのでは?と思いました。しかし、どちらの牝馬も繁殖記録がありません。吉田史郎さんの生産馬はこの4頭のみであり、どうも続かなかった感じですね…。

2024年7月28日日曜日

意外にも外国人騎手より日本人騎手の方が自己主張強い?

■2021/01/15  意外にも外国人騎手より日本人騎手の方が自己主張強い?
■2019/03/18 外国人騎手が1日11勝で13連勝、勝率4割近い騎手も
■2019/03/18  外国人騎手は確かに勝っている…でも馬に恵まれてるだけ?
■2020/09/05  馬が密集して危なそうな欧州競馬の方が安心?騎手が意外な感想


■2021/01/15  意外にも外国人騎手より日本人騎手の方が自己主張強い?

 Our Pleasure 2017年6月号でラフィアンの岡田紘和代表は、「外国人騎手に対しては、どのような考えをお持ちでしょうか?」という質問に対して、「短期免許で日本に来られている方たちは、それぞれの国でトップクラスのジョッキーですから、うまいのは当たり前」と答えていました。私もこれはそう思います。サッカーや野球の助っ人外国人みたいなものですからね。そもそも三流は来ません。
 ただし、外国人騎手が日本で活躍できないということもよくあります。繰り返し書いてきたように、これは合う・合わないの問題。岡田紘和代表も「あとは、どれだけ日本の馬場とか競馬に対応できるかどうかという問題」とおっしゃっていました。サッカーや野球でも期待の外国人選手が鳴かず飛ばずで終わるということはよくありますからね。なお、岡田紘和代表はそんな中でも「あくまで比較的ですけど、若いジョッキーの方が慣れるのは早いかなとは思っています」ともおっしゃっていました。

 以上のように、ここまでは私のイメージ通りな話だったのですが、完全に予想外だったのは、「国によって多少違いはありますが、腕が一流な上に、オーナーや調教師に対する聞く耳をしっかり持っている人も多い」と言っていたこと。他にも以下のようなことを話していました。

<良い馬の騎乗依頼をしてもらうためには信頼関係が大事だってことはわかっているので、結構ジョッキーとして営業が上手な人もいますし。こちらの話を聞いてもらえて、抑える技術もあるということであれば、馬の特徴さえ間違いなく的確に伝えられれば、自ずと結果は良い方向に出ると思っています>

 これを何と表現するか迷い、「我が強い」とか、「わがまま」とかいった言葉をやめて、比較的ポジティブな「自己主張が強い」という言い方にしたのですが、相対的に見て日本人騎手の方が話を聞いてくれないということなのでしょう。ラフィアンなどのビッグレッドグループは細かく騎手に指示を出すので嫌われているという悪口がありますが、実際に騎乗が多いジョッキーによると、そもそもそれほど指示は出ないとのこと。ただ、ひょっとしたら多少の指示ですら、日本人騎手は嫌がるのかもしれませんね。日本人は自己主張が弱いとよく言われますし、外国人は自己中心的で話を聞いてくれない印象でしたが、騎手に関しては全く逆らしいというのはおもしろいです。

 インタビューアーが「折り合いをつけることで、僕が外国人騎手の凄さを感じたのは、コスモバルクのジャパンCでした」と話を向けると、岡田紘和代表は事前打ち合わせで、ルメール騎手は『レースを見ましたが、折り合いをつけられるかどうかは、やってみないとわかりません。しかし、折り合いをつけるために、馬の後ろに入れてくれということであれば、最大限の努力をします』と言ってくれたと話していました。大した話ではないように見えるものの、日本人騎手ではこれすら珍しいということなのでしょう。日本人騎手に誠意がなく自分勝手だというのは、インタビューアー(競馬解説者の人)の方がむしろ強い思いがあるようで、ルメール騎手の逸話を受けて、以下のような話もしていました。

<その一言がすべてだと思うんですよね。できなかった場合でも、「最大限の努力」という言葉を伝えてくれて、見ている側も努力しているかどうかはわかりますからね。これは僕の意見ですが、日本人騎手の多くは、感覚を大事にするイメージがあります。誤解を招く表現かもしれませんが、各馬の能力比較をしっかりできない状況で、指示通りに乗ることよりも自分の腕を過信している印象のレースも多いと感じます>

■2019/03/18 外国人騎手が1日11勝で13連勝、勝率4割近い騎手も

 最近掲示板で日本人騎手 VS 外国人騎手論争が激しくなっています。感情的になっていて良くないですね。
 ただ、実際問題、外国人騎手の活躍は目立っている模様。2018年11月11日の京都競馬において、第1レースの2歳未勝利戦からメインの第11レースのエリザベス女王杯まで、外国人騎手が11連勝。前日の第11、12レースを含める13連勝でした。
 また、この時点でリーディングトップはクリストフ・ルメール騎手の191勝、2位はミルコ・デムーロ騎手の136勝。3位戸崎圭太騎手の102勝、4位福永祐一騎手の88勝を大きく上回っている状態でした。
 すごいのが、63勝を挙げて総合15位だったジョアン・モレイラ騎手。短期免許で167鞍しか乗っていないために、勝率2割で一流と言われる騎手界にあって、勝率3割7分7厘、連対率5割2分1厘という驚異的な成績です。
(外国人騎手の寡占状態を考える。優れた技術に、馬主の意向も影響。 - 競馬 - Number Web - ナンバー 2018/11/15 07:30 島田明宏より)


 ■2019/03/18  外国人騎手は確かに勝っている…でも馬に恵まれてるだけ?

 前述のような論争で外国人騎手を叩いている人は、単に乗っている馬のレベルが高いからという理由を挙げるでしょう。これは事実であると思われます。
 ただ、作者の 島田明宏さんは、最初に騎乗技術が優れていることを第一に挙げていました。特に、モレイラなどは、「勝因はモレイラが乗っていたこと」としか言いようがない勝ち方だと評価。
 近年では、モレイラ騎手なみの勝率の日本人平地騎手はそもそもいないんじゃないですかね。いるとすれば武豊騎手だろうと彼の過去の勝率を見ました。すると、2002年の0.291が最高。データ的に見てもやはり外国人騎手はうまいのだと思われます。
 ちなみに昨年モレイラ騎手と良い馬を取り合って分散したと思われるルメール騎手は0.278、デムーロ騎手は0.239で、やはり十分に高い数字。日本人だとリーディング5位の川田騎手が最高ですかね。0.166でした。関係ないですけど、川田騎手は結構好きです。

 ただし、記事内容を見ると、第二の理由としていた「馬のレベルが高い」という見方の方を、作者はより強く推している感じ。
 社台グループがより強くなった2010年以降に、不運にも日本人騎手の中心だった武豊騎手のスランプが重なり、日本人騎手の存在感低下につながったといった説明でした。
 武豊騎手もアンチが多いので、この説明におもしろくない方は多そうですけど…。

 





■2020/09/05  馬が密集して危なそうな欧州競馬の方が安心?騎手が意外な感想

 ホッカイドウ競馬の阿部龍騎手は2019年に、カタールの国際競走でユウチェンジに騎乗しています。このユウチェンジそのものは、9着と大敗。ただ、翌日のの1Rで純血アラブのレースにおいて、カタールでの日本人初の勝利を収めています。この勝利馬のオーナーからは、約1ヶ月後の勝ち馬出走レースのオファーがありました。なんと飛行機代、ホテルもオーナーが用意するので来て欲しいという依頼だそうです。
 Our Pleasure 2019年4月号の古谷コンシェルジュの競馬観(古谷剛彦)によると、レベルが高いわけではないこのカタールに多くの日本で馴染みの騎手が揃っていたとのこと。同じレースの2着には、期間限定騎乗で大井に遠征したライアン・クアトロ騎手。また、C.デムーロ騎手やO.マーフィー騎手がいた他、日本でもお馴染みのO.ペリエ騎手なんかは、ゲートの中で日本語で話しかけてくれたそうです。
 さて、おもしろかったのが、こうしたトップジョッキーが集うレースに騎乗した感想です。地方騎手の場合は日本でおなじみであっても、外国人騎手らといっしょに乗る機会がなかったと思われますが、以下のような話をしていたそうです。

「ペリエ騎手はもちろん、C.デムーロ騎手やO.マーフィー騎手など、最近日本で活躍する人たちと同じレースに乗ることができ、貴重な経験をさせて頂きました。道中は密集しながらも、危ないと思う場面がないので、トップジョッキーの皆さんとレースができたことで学ぶことが多かったと思います」

 日本競馬と欧州競馬との違いとしてよく言われるのが、馬の密集の違い。欧州ではかなり馬同士が近い状態で、日本の馬は慣れないこの状態に戸惑うことがあるといいます。カタールの国際レースデイでも欧州的な状態になっていたんですね。ただ、意外なことに、そうした状態の方が危なくないという感想だったわけです。古谷剛彦さんは以下のように書いていました。

<今回に限らず、トップジョッキーが集うレースに騎乗した騎手に、その時の感想を聞くことがある。多くの騎手が、今回の阿部龍騎手と同じく、道中は隙間も許さないようなタイトなレースに映りながらも、周囲の動きやジョッキーの動きに目を配り、危険に感じる場面はないので、安心して騎乗できる、という内容を話す。かえって、スペースが若干でもあると、馬が予期せぬ動きをしやすくなる恐れもあるのかな、と個人的に感じたりもしたが、そうは言っても技術がなければ、タイトなレースは簡単にできるものではない>

2024年7月27日土曜日

ディープインパクトの死因、種付け頭数の多さ・高齢種付け説など

■2020/01/21 ディープインパクトの死因、種付け頭数の多さ・高齢種付け説など
■2020/01/21  他にも手術の失敗説、手術は必要なかった説も…
■2020/11/26 アメリカで種付け頭数制限論 ただし理由は…

■2020/01/21 ディープインパクトの死因、種付け頭数の多さ・高齢種付け説など

 現在の人気種牡馬の種付け頭数は以前より多くなっています。これは昔より人気種牡馬により人気が集中するようになったこともありますが、かつての「迷信」が廃れたということもあるでしょう。かつては種付け頭数が多すぎると問題があると考えれていたものの、実は特に科学的根拠がなかったことが判明。種付け頭数が非常に多くなりました。
 …といった理解だったのですけど、ディープインパクト死亡で再び「種付け頭数が多かったことが寿命を縮めたのでは?」といった話が出てきました。で、これに関連する"ディープインパクト、「年200頭の種付けが死期を早めた」批判はまったくの見当違い"(2019年8月8日 8時30分日刊SPA!)という記事を読んでみました。

 記事の大部分はディープインパクトのすごさの話であり、タイトルの話は終わり頃だけ。そして、実際の本文では、競馬評論家の須田鷹雄さんが、議論の分かれるところ…という言い方をしています。
 「高齢の馬に無理に種付けさせたことが負担になったという批判は当たりません。種牡馬の引退は馬によりけりで、20歳を超えても種付けしている馬は普通にいますから。年間250頭ほどの種付けも一年中行っていたわけではなく、繁殖シーズンのみ一日4回ほど行っていた。これが負担になるかについては、競馬関係者の間でも議論が分かれるところです」
  一方、血統評論家の田端到さんは、「ディープが亡くなる2週間ほど前に会ってきましたが、日常生活には支障がない様子」だったと、そもそも種付け頭数が多くて死ぬような状態ではなかったとしていました。


■2020/01/21  他にも手術の失敗説、手術は必要なかった説も…

 田端到さんの方は、別の死因説にも触れています。ディープインパクトは、頸部の痛みを訴えるような異変が見られたため、専門の医療チームを結成し頸椎を固定する手術を行いました。しかし、その後歩行困難となるなど容体が急変。回復する見込みがない新たな頸椎の骨折が判明し「安楽死」の措置が取られています。
  で、死因は手術の失敗説があったみたいですね。「批判のある手術にしても、数か月前から準備して、米国から手術経験のある獣医も呼んでおり、手術が失敗したから死んでしまったという話ではない」と言っていました。ただ、これは手術の失敗を否定する内容ではありませんね。ベストは尽くしたという説明です。
 とはいえ、手術が失敗したから悪いってのは、支持しません。人間の治療でもご外があるのですけど、100%成功するわけではない治療というのはむしろ普通。100%治ると思うのが誤解です。でも、マジでこれで医者や医学を責める人がいますからね。いい加減な手術だったというのならともかく、ベストを尽くしての失敗は致し方ないところがあります。
 次に問題になるのは、手術の必要があったかどうかでしょうね。これについても田端到さんが話しています。「種付けできないほど頸椎に痛みが出ていれば、ストレスで胃潰瘍になり、死んでしまうこともあるので、関係者としては放っておくわけにはいかなかったのでしょう」とのことでした。


■2020/11/26 アメリカで種付け頭数制限論 ただし理由は… 

 Our Pleasure 2019年11月号の岡田紘和さんの巻頭では、ディープインパクトとキングカメハメハが亡くなったことに関連して、実はこの訃報と同時に種付頭数を問題視する意見が出ていることに触れています。種付頭数が多すぎると、特に頸椎への負担は大きいそうで、多すぎが問題あるというのは事実だとのこと。ただ、どこから「多すぎる」と言えるかはわかっていないみたいですね。難しいところです。

 興味をそそられたのは、2019年9月に米国ジョッキークラブで「1シーズンの交配頭数を140頭までに制限すべきではないか」という話が持ち上がったということ。動物愛護精神の高い欧米ならではで、種付け頭数制限派は「ほら見たことか!」と思いそうなところです。ところが、これ、馬の健康問題は主な理由じゃなかったみたいです。
 主な理由は北米における遺伝子プールの偏りの改善だとのこと。50 年前は1シーズンの種付頭数は40 ~ 50が限度と言われていたそうですが、今の人気種牡馬にはその4倍の頭数も珍しくないほど繁殖牝馬が集中。同じ種牡馬の血が広がるのが早いので結果的に近親交配が増えることに。また、一部を除く新種牡馬たちには数十頭しか交配相手が集まらず、十分な機会が与えられていないとの主張もあるといいます。動物愛護とはかなり違う話でした。

 一方、数年前にオーストラリアで「(自然交配に加えて)人工授精を認めるべきだ」と裁判を起こした人たちがいるとのこと。人工授精には種牡馬の種付負担を減らせるなどのメリットがあり、優しいように思えます。ところが、前述の遺伝子プールの偏りが急加速するという問題が出てきてやっかいです。やはりトップクラスの種牡馬を持っている人たちにますます富が集中することも予想されます。また、世界中で同時に認めなければ遺伝的にサラブレッドであっても出走できる国とできない国に分かれてしまう…ともされていました。

2024年7月26日金曜日

【クイズ】最年少勝利記録持つ騎手は誰?江田照男・武豊・横山義行

■2023/04/20 【クイズ】最年少勝利記録持つ騎手は誰?江田照男・武豊・横山義行


■2023/04/20 【クイズ】最年少勝利記録持つ騎手は誰?江田照男・武豊・横山義行

【クイズ】JRA競馬学校を卒業した騎手の最年少勝利記録を持っているのは誰?(2023/03/03時点)
(1) 江田照男
(2) 武豊
(3) 横山義行


 回答は離して下の方に。その前に関係ない話をやっておきます。

 今回のクイズは、小林美駒騎手について検索していて見つけた<関東7年ぶり女性騎手、小林美駒 競馬学校卒業騎手最年少勝利更新へ 菜七子騎手との会話楽しみ>[2023年3月3日10時18分 日刊スポーツ] という記事からです。
 「競馬学校卒業騎手最年少勝利更新へ」とあるものの、別に記録更新の可能性が高かったわけじゃないんですよね。単に「もしデビュー週に勝てば」という話でした。紛らわしいです。



 実際にはデビュー週に勝てませんでしたし、初勝利はそもそも翌月の4月。全然記録更新はできませんでした。それでも、記録更新の可能性があるということは若くしてデビューできているわけですから、すごいですけどね。以下のような内容の記事でした。

<関東では7年ぶりの女性騎手となる小林美駒(みく)騎手(17=鈴木伸)は、デビューを心待ちにしている。「たくさんの方々に期待をかけていただき不安もありますが、今は楽しみも増えてきました」と笑顔。デビュー週は中山で土曜2鞍、日曜4鞍の計6鞍に騎乗予定。「同期には負けたくないです」と力が入る。今週、先輩の藤田騎手と会話する機会がなかったが「女性にしか分からないこともあると思うので、いろいろと話を聞いていきたいです」と目を輝かせた。
 今週勝つと、17歳11カ月14日もしくは15日での勝利。JRA競馬学校を卒業した騎手では、92年横山義行騎手の17歳11カ月18日の記録を更新>
https://www.nikkansports.com/keiba/news/202303030000091.html


 で、上記を読んでわかるように、記録保持者は横山義行騎手でした。若いファンには「誰それ?」という騎手でしょうが、私も横山義行騎手が記録保持者?と驚いたんですよ。正直、スター騎手という感じの騎手ではなかった騎手です。


【クイズ】JRA競馬学校を卒業した騎手の最年少勝利記録を持っているのは誰?(2023/04/20時点)
(1) 江田照男
(2) 武豊
(3) 横山義行

【答え】(3) 横山義行


 他の選択肢のうち、武豊騎手はいかにも記録を持ってそうな騎手。一方、江田照男騎手は地味な感じの騎手。ただ、これは「最年少記録」というキーワードで検索して出てきたものがベースであり、江田照男騎手も相当に早熟でした。
 G1制覇最年少記録はイメージ通り、武豊騎手が持っており、スーパークリークの菊花賞で19歳7ヶ月21日だそうな。江田照男騎手によるプレクラスニーの天皇賞(秋)制覇もこれに近い記録で、19歳8ヶ月19日だったとのこと。地味なイメージの騎手ですが、良い騎手。個人的にも好きな騎手ですね。


2024年7月25日木曜日

多頭数ではなく少頭数だと馬券が売れない…はもう過去の話?

■2015/9/30 多頭数ではなく少頭数だと馬券が売れない…はもう過去の話?
■2021/02/14 出走頭数が少ない時期でも馬券が売れる高知競馬


■2015/9/30 多頭数ではなく少頭数だと馬券が売れない…はもう過去の話?

 多頭数の方が馬券の売上が多いというのは常識だと思っていたので、ひぇー!と驚いた話が、Our Pleasure 2013年6月号 古谷コンシェルジュの競馬観(古谷剛彦)でありました。2013年4月開始のホッカイドウ競馬の門別競馬場の話です。。

<2日目の5頭立てのレースだが、1Rは約650万円と1Rでの平均売り上げとほぼ変わらず、5Rで組まれた5頭立ては1000万円を超え、良い意味で関係者を驚かせた。昨年のJRA札幌開催で芝1800mの2歳新馬戦が少頭数の競馬が多く、メディアの批判も多かったが、実は売り上げは意外と良かった>
http://www.ruffian.co.jp/tmpfile/ourpleasure/OP-1306.pdf

 メディアの批判が多かったのは、どういう理由かはわかりません。ただ、たぶんレースとしておもしろみがないという批判ではないかと想像します。しかし、レースの魅力を示す一つである売上を見ると、批判は当たりません。前述の通り、私はこれにはたまげました。
 なお、古谷剛彦さんは<主催者からすれば、出走手当などの報償費は頭数が少なければ少ないほど良く、しかも普通のレース並みの売り上げがあれば費用対効果でプラスに働く>という話も。こういった視点は全然ありませんでしたわ。
 また、昔は「多頭数の方が馬券の売上が多い」が通用したものの、今は時代が変わったということかもしれません。以下のような理由が考えられるようです。

<以前は、頭数が多ければ配当面での面白さがある分、少頭数より多頭数という意識が強い主催者は多かったが、それは馬連・馬単時代の話。3連単主流の時代となった今、少頭数の競馬は必ずしもマイナス要因にはならない。それは、レース単体の売り上げが証明している>

 というか、今3連単が主流なんですね。私は買ったことすらありませんわ。だって、当たる気しないですし、たくさんの馬見るの面倒なんですもの。私はもともと追っかけている馬の単勝・複勝で、他の馬は全然見ません。相手関係を軽く見るくらいで、さらっと買う…という時間をかけないやり方をしています。こういう人は珍しいんでしょうね。


■2021/02/14 出走頭数が少ない時期でも馬券が売れる高知競馬

 地域に貢献できるまでになった高知競馬 - 斎藤修 | 競馬コラム - netkeiba.com(2021年01月19日)は、タイトルの通り、高知競馬の売上が増えたという話。ネット・電話投票の売上が増加したおかげで、どん底だった2008年度の1日平均約4千万円の売上が、今はその15倍以上の1日平均6億円を超えるまでにV字回復。『新型コロナウイルス感染症対策支援競走』を行って寄付できるところにまでなった…という話でした。ただ、記事では、これ以外にもおもしろい話がありました。上記と同じ頭数と馬券に関する話です。

<1月17日(日)の高知競馬の売上が10億円を超え、10億4800万円余りになった。これは昨年3月10日に記録した高知競馬1日の売上最高額10億8952万9400円に迫るもの。(中略)
近年の高知競馬は、他場のナイター開催が少なくレース時間が被ることが少ない1~3月は、おおむね週3日間開催(それ以外の時期は基本的に週2日)としているため、必然的に1日の出走頭数が少なくなる。この日の開催でも全11レースのうち7頭立てが3レース、8頭立てが4レースと、少頭数のレースがいくつもあった。これまでは“頭数が少ないと馬券が売れない”というのが常識だったが、そうした常識も覆しているのが、今の高知競馬のさらにスゴイところでもある>

 現在は新型コロナウイルス問題があり、高知競馬だけでなく、地方競馬では前年から好調な売上を連発していました。外出自粛による需要をつかんだという特殊要因があるかもしれません。なので、特殊要因で少頭数でも売れている…という可能性はありますが、「近年の高知競馬は」という書き方だと、それ以前でも売れていた感じ。この「少頭数でも売れる」は興味ある話ですので、また事例を見つけたら追加していきたいですね。

2024年7月24日水曜日

種付け受胎後にG1に出走、勝利したウインドインハーヘア

■2020/10/11 種付け受胎後にG1に出走、勝利したウインドインハーヘア
■2020/10/11 ウインドインハーヘアは長女が走らないせいで日本に来た?


■2020/10/11 種付け受胎後にG1に出走、勝利したウインドインハーヘア

  たまに受胎した後にレースに出る…という牝馬がいるのですが、ディープインパクトの母として有名なウインドインハーヘアがそうだとは知らず、驚きました。ウインドインハーヘアの場合は単に受胎後に出走という話ではなく、なんとG1に勝ってしまっています。

 Wikipediaを見てみると、ウインドインハーヘアはアイルランド生まれでしたが、イギリスに渡ったのか、最初からイギリスで出走。2歳時は2着、11着で勝てていなかったものの、3歳初戦、イギリスのニューマーケットで初勝利を上げると次走も勝利して、イギリスのオークスに出走し2着となります。勝利は上げられませんでしたが、この年は9月まで走り、善戦を続けていました。

 翌年の4歳は5月から始動。やはり善戦止まりだったものの、4戦目、ドイツ遠征のG1 アラルポカルSで勝利。重賞初勝利初勝利でG1勝利でした。ただ、驚くべきなのが、「アラジとの仔を受胎中でありながら」との記載があったこと。すごいですね。細かい記載がないのですが、たぶん休んでいた時期に種付けしていたのでしょう。

■2020/10/11 ウインドインハーヘアは長女が走らないせいで日本に来た?

 このような名牝がなぜ日本に来たのか?と思いますが、Wikipediaでは、 この受胎していた「アラジとの仔」が、「競走で1勝もできなかったため日本のノーザンファームへ売却されるきっかけとなった」としています。ただし、このあと2番仔ヴェイルオブアヴァロンが活躍したあとに買い戻しのオファーがあったというように、子どもたちはむしろ活躍しまくっています。何しろディープインパクトが代表産駒ですからね。

 ただ、ここらへんの説明はよくわからないところもあり、ちょっと怪しく思います。繁殖は最初、イギリスではなく、アメリカだったようで、最初の仔グリントインハーアイなど、3番仔までは、アメリカ生まれ。この最後のアメリカ生まれは輸入されてG1を期待されたレディブロンドであり、やはり日本で走った馬でした。

 で、その後、日本に輸入したのかと思ったら、違うんですよ。4番目は 母国アイルランド生まれで移動しています。その次のライクザウインドが持ち込み馬ですので、買ったのはここらへんですね。種付けから日本だったのは、ブラックタイドが最初で、その次がディープインパクトでした。

 なお、日本で産駒が活躍したこともあるのか、競走馬として輸入されたレディブロンドだけでなく、ウインドインハーヘアが外国で産んだ4頭の牝馬すべてが、日本に輸入されています。「グリントインハーアイ(ノーザンファーム)、ヴェイルオブアヴァロン(ノーザンファーム)、レディブロンド(ノーザンファーム)、スターズインハーアイズ(矢野牧場)」といった具合です。

2024年7月23日火曜日

マルゼンスキー・橋本牧場の橋本善吉氏、亡くなる 森喜朗元首相も来訪 

■2020/10/28 マルゼンスキー・橋本牧場の橋本善吉氏、亡くなる 森喜朗元首相も来訪
■2020/10/28 マルゼンスキーのゼン、橋本善吉の善からとったもの?


■2020/10/28 マルゼンスキー・橋本牧場の橋本善吉氏、亡くなる 森喜朗元首相も来訪 

 来ないと言っていた日に父が急に家に来てどうしたのか?と思ったら、マルゼンスキーで有名な橋本牧場の橋本善吉さんが亡くなってお通夜に行ってきたとのことでした。

 橋本善吉さんは早来町(今の安平町)では名士。さらに、娘はオリンピック選手で有名な橋本聖子議員で、現在は政治家で五輪相ということもあるのか、森喜朗・元首相が来て、話をしてったとのこと。失言で知られる森喜朗ですが、実はスピーチの名手と言われており、評価が高かったんですよね。スピーチはうまい一方で、余計なことを言い過ぎるタイプのようです。この日の話もうまかったとのことでした。

 ただ、どうかな?と思うのは、故人の話はちょっとで、あとは、自民党とオリンピックの話ばかりだったということ。橋本聖子さんが関係するオリンピックはともかく、自民党の話は良くないでしょう。葬式の場を利用して、政治の宣伝しているような感じがします。

 なお、地元では名士として知られると書いた橋本善吉さんですが、事業では苦労しており、倒産も経験してる…とも理解していました。検索してみると、あまり苦労した話は出てこないものの、例えば、放水路ルート上の「牧場」(橋本聖子参議院議員・実家との関係は?) | masaaki Kato'sでそういった記述が出ていました。

 

■2020/10/28 マルゼンスキーのゼン、橋本善吉の善からとったもの?

 あと、今書いていて初めて気づいたのですが、マルゼンスキーの「ゼン」って橋本善吉さんの「善」なんでしょうね。全然気づきませんでしたわ。さらにそこから考えると、たぶん「マル」つきの「ゼン」で「マルゼン」なのでしょう。屋号では「マルなんとか」というものが多く、例えば、丸井や丸大食品などがあります。北海道には本州の丸井とは異なる丸井今井という百貨店がありましたが、これも創業者の今井さんの屋号、○つきの「井」から来ています。

 Wikipediaで確認してみると、マルゼンスキーを買ったときは、馬主としてばんえい競馬の名馬・マルゼンストロングホースを購買し競馬の世界に進出したばかりだったと、されています。 やはりマルゼンを使用していました。

 Wikipediaではよりわかるマルゼンの由来が説明もありました。<橋本は自身の屋号「丸善」からとって牡馬ならば「マルゼンスキー」、牝馬ならば「ミスマルゼン」と名前を考えており、前者に決まった>とのこと。やはり屋号であることが確認できました。

2024年7月22日月曜日

珍名馬まとめ オダギラーこと小田切有一と対抗馬たち

■2017/01/09 珍名馬まとめ オダギラーこと小田切有一と対抗馬たち
■2013/6/9 珍名馬ジャマスルナ、誰にも邪魔されずに後方を一人旅
■2015/8/22 珍名馬メイジュンジュライ 冠名「メイジュン」じゃなくて5月6月7月
■2015/12/17 馬名のおもしろ誤変換 タッチオブジョイがタッチオブ女医


■2017/01/09 珍名馬まとめ オダギラーこと小田切有一と対抗馬たち
 よく書いていたものの、読まれない珍名関係の話をまとめ。珍名馬と言うと、オダギラーこと小田切有一さんが有名ですけど、ポストオダギラー的な馬主さんたちにも頑張ってほしいということで、そういったタイトルで。最初はその小田切有一さんの話からです。

■2013/6/9 珍名馬ジャマスルナ、誰にも邪魔されずに後方を一人旅

 ジャマスルナという名前の馬がいて、何かオダギラーみたいな名前だなと思ったら、普通に小田切有一さんのお馬さんでした。掲示板では「凄い馬名ですね。みんな避けてくれるかな?」というコメントがついていたのですが、「邪魔されることなくしんがり負け」という結果になりました。


 [5] マル優さん
後方にいたら誰にも邪魔されませんね…。
次はハナをきってスタートして邪魔するな!って言ってみてください。
頑張れ!!
http://db.netkeiba.com/?pid=horse_board&id=2011105716&thread=horse

 「15番人気17着 勝ち馬1:23.7、ブービー1:25.5、ジャマスルナ1:31.1」という残念な結果に。小田切有一さんはオレハマッテルゼなど、よく走る馬もたくさん所有されているんですけどね、この子はダメそうだなぁ……。
 私、このレースたまたま見ていたんですよ。そしたら「何で中央競馬に来ちゃったの?」と思うほど道中からみんなと離されている馬がいて、「どうしたんだろう、この子?」と思って馬名を見たらジャマスルナだったんですよ。

■2014/10/8 高須クリニック高須克弥院長 競走馬イエスタカスの名称拒否で激怒

 えっ、何でこんなんで怒っているの?というわけがわからない話。

-----引用 ここから-----
高須院長、馬名拒否で激怒「なめとる!」 - 芸能ニュース : nikkansports.com

美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長(69)が6日、来月デビュー予定だった自身所有の競走馬の名称登録を日本中央競馬会(JRA)に拒否されたとして(略)Twitterで怒りをぶちまけた。

(略)高須氏は「拒否理由も言わん!わしをなめとる!」「メンツ丸つぶれだよ!」と憤慨。「頭にきたぜ!馬主会やめてやる!」と収まらない怒りをつづった。
[2014年10月6日17時37分]
http://www.nikkansports.com/entertainment/news/f-et-tp0-20141006-1378314.html
-----引用 ここまで-----

 何でこれでメンツ潰れるのかはよくわかりませんが、馬鹿みたいにわめいています。それは良いとして、高須氏が登録しようとした競走馬の名前の話。「イエス・タカス」と日刊スポーツではありました。じゃあ、「・」つけたのが悪いんじゃないの?と無粋なことを言いますが、まあ、普通に申請は「イエスタカス」だったんでしょうね。
 さらに"3つ候補を出すように指示されたたため、「イエスイエスタカス」「イエスタカスイエス」との名前でも申請したが、3つとも拒否された"とのこと。あと、おもしろいんでそのまま引用しましたが、「指示されたたため」って「た」1個多いですね。
 馬主が競馬詳しいとは限らないんですが、拒否の理由は明らかです。宣伝禁止のためでしょう。なぜ知らん?という話ですわ。

-----引用 ここから-----
日本中央競馬会(JRA)では、競馬施行規程の第22条5項の規定により、競走馬名には広告宣伝を目的にした名称は使用できないと定められている
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%A0%E5%90%8D
-----引用 ここまで-----

 ただ、一方で高須克弥院長がこのルールを知った上で怒っている可能性もあります。この営利目的による禁止は割と緩いんですね。上のWikipediaも実はこの後「が、冠名に関しては事実上容認されている」とされていました。
 私もこれくらいで…と不思議に思うことは思います。しかし、どうもコマーシャルの文句らしい…という話も聞きました(私はテレビ見ないので知りません)。そうすると、冠名だけでなく全体で営利目的による広告宣伝と解釈できます。これならやはり拒否が妥当そうです。
 あと、ここまで書いてきて思いましたが、高須克弥院長は何かと爆弾発言する方ですよね。となると、本当に怒っているというよりは、このツイート自体が炎上商法的な広告宣伝だったのかもしれません。だとすれば、まんまと乗せられましたわ~。

2021/01/11追記:なお、その後読んだ話によると、高須克弥院長自身は直接申請しておらず、なおかつ実際には高須克弥院長の主張する馬名ではそもそも申請されていなかったことが判明していました。なので、全くJRA側に否はなく、高須克弥院長が勝手に勘違いして叩いていただけだったみたいです。迷惑ですね。

■2015/8/22 珍名馬メイジュンジュライ 冠名「メイジュン」じゃなくて5月6月7月

 「メイジュンジュライ」という馬名を最初見たときは、特に違和感なく、気づかなかったんですよ。
 メイショウオウドウなどの「メイショウ」、メイケイペガスターなどの「メイケイ」などの「メイ~」という冠名があります。なので、「メイジュン」もそういうものだと最初思っていて、初見のときはスルーしていました。しかし、5月6月7月なのか! これはちょっとおもしろいですね。

5月     May     メイ
6月     June     ジューン
7月     July     ジュラィ

 念の為に馬名の意味も調べたら「夏の月名より」とありました。悪くないセンスだと思います。


■2015/12/17 馬名のおもしろ誤変換 タッチオブジョイがタッチオブ女医

 マイクロソフトのIMEは特に弱いですが、ATOK2007での話。

-----引用 ここから-----
時々おかしな変換をする私のATOK2007。最近のヒットは「タッチオブ女医(タッチオブジョイの07)」。完全に意味と方向が変わっている。次点はマイネルミステリ男(ミステリオ)。
-----引用 ここまで-----

 タッチオブ女医は危ないですね。逮捕されそうです。あと、今私が「タッチオブジョイ」と打とうとすると、グーグルIMEは「タッチオブジョイトイ」と予測変換。この単語そのものが存在するわけではないようですけど、「インリン・オブ・ジョイトイ」との絡みだと思われます。賢いんだか、賢くないんだかわからない予測変換です。

 競走馬の馬名でもこれ系の話は結構あるのでは?と検索すると、なぜか見つかりませんでした。代わりに実際に登録された馬名が間違い…という似て非なる話が検索でヒット。

-----引用 ここから-----
誤植 - Wikipedia
競走馬のダイユウサク(1991年の第36回有馬記念優勝馬)は、本来馬主は「ダイコウサク」という馬名にするつもりだったが、競走馬登録の際に「コ」と「ユ」の文字を取り違えられて「ダイユウサク」の名前で登録されてしまい、以後その名前で現役を通した。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AA%A4%E6%A4%8D
-----引用 ここまで-----

 マジか、知りませんでした。これ系で私が知っていたのは、「スウヰイスー」。ただ、字が汚かったか、書き間違いだったと記憶していたので、記憶違いでしたね。

-----引用 ここから-----
スウヰイスー - Wikipedia

スウヰイスー(読み方:すうぃいすー)は、日本の競走馬(牝馬)。初の中央競馬牝馬クラシック二冠を達成した。女優の高峰三枝子が馬主として保有していた。

馬主は「スウヰトスー」(現代の仮名遣いでは「スウィートスー」にあたる)という名で登録するつもりだったが、電話で馬名についての指示を受けた調教師が「ス・ウイ・スー」と聞き間違えたため、「スウヰイスー」で登録されてしまったと言われる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%A6%E3%83%B0%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%BC
-----引用 ここまで-----

 この「スウヰイスー」は「スー」がつくことしか覚えておらず、苦労して探したのですが、その際にもう1頭発見。

-----引用 ここから-----
競馬暇潰し名馬事典:465・ラフォンテース 2010年02月11日

本来はフランス語の『ラフォンテー「ヌ」』だったみたいなんです… で、それを誤読…『ラフォンテース』で登録…
→馬主、『間違えをなおしてくれ』と、申請する… →却下される… →謎の名前のまま走る… って事になってしまった
http://blog.livedoor.jp/runfor4/archives/51394496.html
-----引用 ここまで-----

 それにしてもおもしろ誤変換が見つからなかったのは、想定外でした。こういうのはIMEが賢くなるほど減りますからね。もうかなり少なくなっているのかもしれません。

2024年7月21日日曜日

実はサラブレッドではない偽物の血統が見つかっている!

■2020/08/11 昔の日本ではアングロアラブの偽物が流行していた…
■2020/08/11 実はサラブレッドではない偽物の血統が見つかっている!


■2020/08/11 昔の日本ではアングロアラブの偽物が流行していた…

 テンプラ (馬) - Wikipediaはサラブレッドではなく、アングロアラブがメインの話。
 テンプラというのはおもしろい競馬用語ですが、アラブ血量を偽って登録されたアングロアラブのこと。具体的にはアングロアラブとして登録されたアラブ血量が25%未満のサラブレッド系種のことだそうです。
 日本は民度が高いと言われるものの、 実はこの詐欺が昔は多かったと言われています。かつてテンプラの存在はアングロアラブにまつわる公然のタブーだったそうな。
  もちろんメリットはあり、一般にサラブレッドのほうがアングロアラブよりも脚が速く、またかつてはアングロアラブ用の限定戦が盛んに催されていたため、サラブレッドの仔をアングロアラブと偽って登録することに成功した場合、その競走馬が多額の賞金を稼ぐ可能性が高いためでした。なので、優れた競走成績を収めたアングロアラブは必ずといってよいほどテンプラではないかと疑われました。
 テンプラを登録する手法は複数。サラブレッドの仔をアングロアラブとして申請するというそのまんまな手法だけではなく、外見がよく似たアングロアラブとサラブレッド系種を入れ替えて登録する手法などがあったとされます。DNA型検査法が導入されたのは1980年代以降のことであり、その前においては個体識別が難しく、成功することがあったようです。
 そんなの嘘だ!と思うかもしれませんが、論理的に説明可能な例が出ていました。代表例とされるスマノダイドウの場合、栗毛の両親からは通常生まれ得ない鹿毛だったんですよ。こんな例ですら通っちゃうんですから、昔はゆるゆるだったんでしょうね。
  スマノダイドウの母は、アングロアラブのミトタカラをつける前に、黒鹿毛のサラブレッドであるカブトシローをつけていました。なので、その前に交配し不受胎だっとされるこのカブトシローが本当の父ではないかと噂されたそうです。

■2020/08/11 実はサラブレッドではない偽物の血統が見つかっている!
 以上のように、テンプラ (馬) - Wikipediaはサラブレッドがメインの話ではありませんでした。しかし、間違った血統という話題で、サラブレッドにも間違いが見つかっていることが指摘されています。この場合はメリットがないと考えられるので、純粋に間違いだったと思われます。

<一方で、DNA鑑定技術の向上により、サラブレッドにおいて間違った血統がいくつか発見されている。特に9号族根幹部分やベンドアの例では影響が大きい。また、サラブレッドに共通でない毛色の遺伝子を持つ馬も発見されており、別系統の血統の混入が示唆されている>

 ただし、どこで混入したかについての特定は困難であり、そこまではわからないようです。また、今さら過去に遡って訂正することも不可能であり、かつ多大な混乱を招きます。
 ただ、これはタブー視されて放置されているわけでもない模様。国際血統書委員会は2002年に、以下のような意見を出していました。

「初期の時代について血統の証明は技術的に不可能であった。現在は新技術により多くの情報の利用が可能となったが、歴史的なデータを効率的に訂正することは難しい。誤った系統が特定されるかもしれないが、全てのケースを訂正することは不可能である」

 このページには記載がありませんでしたが、サラブレッド系種に8代連続サラブレッドを掛け合わせたものは審査を経てサラブレッドと認められる場合がありますし、サラブレッドの血の占める割合的に現在は特に問題ないでしょう。これに加えて、歴史的経緯から過去はそのまま…というのも理解できる方針です。



2024年7月20日土曜日

欧州では高評価も…ダノンバラード買い戻しは失敗?

■2020/01/06 欧州では高評価も…ダノンバラード買い戻しは失敗?
■2020/01/06  日本の馬場はディープインパクト専用仕様、欧州向きは走らない?
■2020/02/16 良い種牡馬だが日本は不向き 切れ味なくタフな馬場が最適だった
■2020/09/14 この金額でダメ?なかなか売ってもらえなかったダノンバラード
■2020/09/14  売買成立までわざと走らせなかったダノンバラード産駒

 


■2020/01/06 欧州では高評価も…ダノンバラード買い戻しは失敗?

  Our Pleasure 2018年10月号を最近になって読んでいて、ビッグレッドグループがダノンバラードをヨーロッパから買ったことを今頃知りました。 Our Pleasureはいつも1年遅れくらいで読んでいるので、情報が非常に遅いのです。
 ダノンバラード購入は、ビッグレッドグループの馬であるナイママなどが当初走ったことが理由みたいですね。ただ、そのナイママはその後完全に伸び悩み。現役時代の競走成績より良い穴種牡馬としては評価できそうですけど、岡田繁幸さんが期待するほどの活躍馬となるのは難しいんじゃないかと思います。ディープインパクトは後継種牡馬に恵まれておらず、それがG1未勝利のダノンバラード…となると、ドラマとしては非常におもしろいんですけどね。私好みです。

 前述のOur Pleasure 2018年10月号では、ザ・ブラッド 血統表を紐解く! T.I.Sでダノンバラードの話がありました。
 こちらによると、英国バッツフォード牧場に繋養されていたダノンバラードは、クラシックのG1英2000ギニーや、中距離王決定戦のG1英チャンピオンSに勝って同牧場に繋養されていたハーフドを上回る評価を受けていたとのこと。このため、買い戻し交渉は難航したそうです。
 ただ、ひょっとしたら日本より欧州向きだったのではないか?という見方もあり、 日本への買い戻しは裏目に出る可能性も感じています。


■2020/01/06  日本の馬場はディープインパクト専用仕様、欧州向きは走らない?

 同じ記事によると、岡田繁幸さんは、ダノンバラード導入の5年前の2013 年の月刊優駿8月号で、以下のような話をしていたそうです。ビッグレッドは、ステイゴールド産駒のゴールドシップを種牡馬として購入していることを踏まえた上で読んでください。
 「サンデー系に対抗可能な馬を、海外まで視野を広げて、これからも探します。そうして種牡馬事業の基盤を支えながら、常にサンデー系のトップを狙う。それが方向性ですね。ディープインパクトとステイゴールド、両馬はすでに有力な後継として名乗りを挙げていますから、その産駒の中から、今後の主流をなす種馬を手に入れたいと狙っています」
「あと5年後か、10 年後か、サンデー系の能力に世界中のホースマンがひれ伏す時がやって来ます。そしてこの先の20 年か30 年、サンデー系は君臨します。それくらいすごい存在なんです。(中略)なぜそこまで言い切れるかと言えば、ああいう体質が他の系統から出ないと知っているからなんです。僕自身、何かの拍子にサンデーみたいなのが出てくれないかって凄く期待してやってきましたけど、自然界は甘くありません。必然性がないと出てこないのです」
  凱旋門賞でのディープインパクト産駒の成績はボロクソで、逆に日本のジャパンカップは海外馬がボロクソ。日本の馬場の特殊性は、ディープインパクト専用仕様とも 揶揄されていました。このことは欧州で高評価だったダノンバラードが、日本ではそうではないのでは?という見方に繋がるでしょう。
 ただ、 日本調教馬ではないディープインパクト産駒は2018年に結果を出しました。英国でサクソンウォリアー、フランスでスタディオブマンと欧州でデビューした2 頭の直仔がG1競走を制しています。岡田繁幸さんの予言が当たったわけですね。海外でも通用するようです。
 ビッグレッドグループのラフィアンやウインで出資している私としては、ダノンバラードも日本に合ってくれるとありたがいのですけど…。


■2020/02/16 良い種牡馬だが日本は不向き 切れ味なくタフな馬場が最適だった

 ダノンバラードはもしかしたらうまく行かないかも…というコメントは、"ダノンバラードの掲示板 | 競走馬データ - netkeiba.com"( [6206] natumeさん)でもありました。
https://db.netkeiba.com/?pid=horse_board&id=2008103548

 ダノンバラード産駒の傾向としては、ダノンバラード自身と同じで<早い上りはまず出せない>ということ。このため、芝の東京、阪神、京都、新潟の良馬場では極めて厳しい結果になっているといいます。重要な競馬場が多いため、やはり日本の馬場向きではないと言えるかもしれません。
  一方良さとしては、<逆に馬場がタフになればなるほど、距離は伸びる程いい>ということ。さらに最終的には日本の馬場だと、圧倒的にダート向きになるという予想も。
 やはり<まだ時期尚早かもしれませんが、ダノンバラードには日本よりも英国や欧州の馬場の方が合っていたとは思いますが>という結論です。

 一発逆転の奇跡としては、ディープインパクトの子トーセンホマレボシ産駒で重賞を複数勝っているミッキースワローのように、切れ味を母系やディープの隔世遺伝で受け継いだ産駒が現れれば、元から有する底力と合わせて芝でも超大物を輩出する一発の魅力は十分にあると思うとのことでした。



■2020/09/14 この金額でダメ?なかなか売ってもらえなかったダノンバラード

 ヨーロッパ向きと思われるダノンバラードは、現地でもそこそこ評価されていたことがわかる話が、Our Pleasure2018年12月号でありました。岡田紘和ラフィアン代表の巻頭のごあいさつによる導入の経緯でそれあがわかります。…と思ったのですけど、読み直してみると、現地での評価はそう高くなかったとも読めますね。

<最初にオファーしたのは昨年の11月上旬。売り情報が無い中でのオファーなので当然それなりの金額を提示したのですが、あっさりと断られ(中略)そこで倍の金額を提示しましたが、それも却下されます。全く売る気が無いわけではなく、手応え的にはさらに上の2億円を提示しても買えない可能性が高いと感じました。一方で、ヨーロッパでディープインパクト産駒Saxon Warrior やSeptember の活躍があるにしても彼らが当馬に対してそれだけ強気になれる根拠は乏しいこと、そしてそれだけ強気ならば他に売る可能性が低いことを考え合わせて、深追いはせずに一度引くことにしました。(中略)翌年の4月下旬に彼らからエージェントを通して「まだ興味はあるか」「同じ金額なら売っても良い」との話があったので、(中略)5月上旬に最後に提示した額より少し低い金額で売買契約書を結びました>

 結果的にシンジケート総額は約1億8000万円となっています。 

 ■2020/09/14  売買成立までわざと走らせなかったダノンバラード産駒

 ちなみにダノンバラード初産駒が昨年のサマーセールに上場され、岡田繁幸総帥がそこでその1歳馬ナイママに非凡な才能を感じ自ら落札したところがきっかけ。売買契約書を結ぶまではもちろん、契約後から売買証書を交わすまではナイママに派手なパフォーマンスをさせるわけにはいかず、能力検査やデビュー戦の時期や時計には気を遣ったとのこと。安く買えるように工夫したという主張でした。

  売買契約書は5月上旬。売買証書は不明ですが、支払い後の検疫に入ったのは6月29日だとのこと。ナイママは 売買契約書を結んだ後の門別  JRA認定フレッシュ(新馬)    で勝利。2戦目は、すでに支払いが終わった後の7月末ですね。

 そういえば、岡田総帥はナイママよりアルママの能力の方を買っている感じで、でかい発言もしていました。あれは、ナイママを目立たせなくする戦略のひとつだったのでしょうか。

2024年7月19日金曜日

競馬予想でトップになりました!私見騎手評価ランキング使用の予想で

■2018/06/02 競馬予想でトップになりました!私見騎手評価ランキング使用の予想で
■2021/02/04  ランキング上位が外国人騎手だらけという初めての事態に
■2019/01/07 好きな騎手でも下位評価になってしまった騎手が…
■2019/12/05 ザッツザプレンティやショウナンパントルを当てた予想ネットクイズ
■2018/06/02 私見騎手評価ランキング 好きな岩崎騎手や武藤雅騎手が上位



■2018/06/02 競馬予想でトップになりました!私見騎手評価ランキング使用の予想で

 最近の話じゃないんですけど、ネットの競馬予想ので週間トップになったことがあります。1着馬が当たりまくったんですよ。やっぱりめちゃくちゃ嬉しかったですね。
 でも、全レース予想するのは面倒なので、この予想は超適当でした。ベースはオッズの人気馬で、それに私見騎手評価ランキングの数字を考慮して、エクセルで自動算出するというもの。とはいえ、これは私の騎手評価が捨てたもんじゃないってことだなと、自信をつけるものでした。

 で、ここでその騎手評価ランキングを紹介すると関心を持ってもらえるところなのですけど、実はエクセルの数式に不備があり、騎手評価がきちんと反映されていないところが多数あったのです。…要するにまぐれでした。うー、悲しい…。ぬか喜びでした。
 まだそのネットの競馬予想のランキングで上位ではあるのですけど、ここらへんを修正したところ、あまり当たらなくなってしまいました。やっぱりまぐれでしたね。このやり方でコンスタントに稼げるなら、夢の馬券生活…と思ったものの、夢のまた夢でした。
 すっかり期待値が下がってしまったでしょうけど、一応私見騎手評価ランキングも載せておきます。競馬予想トップはまぐれでしたので、あまり参考にしないでください。


■2021/02/04  ランキング上位が外国人騎手だらけという初めての事態に 

 久しぶりに私見騎手(ジョッキー)評価ランキングを。勘違いしちゃって順位変動は、2018/6/1との比較です。驚いたことに、上位が外国人騎手だらけになっていました。こんなの初めてですわ。ただ、別に外国人騎手ばかりが良かったという覚えは全くなし。ベスト5の6人見ても、評価していた記憶があるのはレーン騎手とマーフィー騎手くらいで、他は良かったという覚えはないです。新型コロナウイルス問題で最近はむしろ来日少ないんですけどね。どうしてこうなってしまったのか?
 日本人騎手でトップは7位タイで、1人はすでに引退してしまっている武幸四郎騎手。ただ、同率で松岡騎手がいて、彼は評価しているという自覚がある騎手。ただ、松岡騎手は2020年は100位に入っていないということで、相変わらず、リーディングとの乖離が大きいです。ベストで100位以内に入った騎手の平均順位は52.4で、ワーストの方は37.0となっていて、ワーストの方にダントツで世間の評価が高い騎手が入っています。

 私見騎手(ジョッキー)評価ランキング ベスト20 (全 150 騎手中)

順位 騎手名 評価 リーディング 変動
1 スミヨン 20 3.45 圏外 圏外
2 レーン 36 3.39 28 圏外
3 ビュイック 18 3.34 圏外 △19
4 ホワイト 12 3.33 圏外 ▼1
4 ティータン 12 3.33 圏外 ▼3
4 マーフィー 64 3.33 43 圏外
7 武幸 11 3.27 圏外 圏外
7 アヴドゥラ 11 3.27 圏外 圏外
7 松岡 87 3.27 圏外 △5
10 和田翼 624 3.25 圏外 圏外
11 ヒューイッ 17 3.24 52 圏外
12 武藤 360 3.23 33 ▼5
13 藤田菜 73 3.22 34 ▼5
13 中谷 56 3.22 圏外 △6
13 オールプレ 14 3.22 圏外 ▼5
16 川田 85 3.19 2 ▼8
17 山口勲 11 3.18 圏外 ▼2
18 菅原 23 3.17 38 ▼6
19 柴田未 26 3.15 圏外 ▼11
20 吉田隼 65 3.12 7 ▼3
20 菅原明 49 3.12 38 圏外
20 ボウマン 26 3.12 圏外 圏外
23 川須 55 3.11 46 圏外
23 モレイラ 28 3.11 圏外 圏外

リーディング平均 52.4 ( ワースト 37.0 ) 

 私見騎手(ジョッキー)評価ランキング ワースト20 (全 150 騎手中)   

 そのワーストの方は横山典弘騎手がいつものように悪く1位。横山典弘騎手は極端な騎乗が多いのですが、ファンが多いのかむしろ他の騎手より擁護が多いと最近気づきました。好みの差はあるものの、一般的には評価が高い騎手ですよね。ただ、よく下手だとネタにされる竹之下さんが新顔で登場して2位に。また、今年の新人で一番と買いまくっていたら、途端に騎乗がひどくなったと感じた泉谷騎手も初登場3位で登場。ここらへんは新星です。

順位 騎手名 評価 リーディング 変動
1 横山典 68 2.4 14 -
2 竹之下 12 2.42 圏外 圏外
3 泉谷 47 2.55 52 圏外
4 武士沢 59 2.56 88 △3
5 内田博 67 2.57 38 ▼2
6 丸田 52 2.58 68 △6
7 北村宏 65 2.62 26 ▼5
7 四位 52 2.62 圏外 ▼2
9 菱田 59 2.63 31 圏外
9 太宰 60 2.63 62 圏外
11 大庭 32 2.66 圏外 -
12 畑端 12 2.67 圏外 圏外
12 ブロンデル 15 2.67 圏外 圏外
14 小牧 53 2.68 75 ▼7
15 松山 70 2.69 4 -
16 田辺 69 2.71 10 △1
17 藤岡康 67 2.72 20 圏外
17 江田照 71 2.72 43 ▼2
17 木幡広 25 2.72 圏外 ▼8
20 Mデムーロ 120 2.73 12 ▼16
20 小林凌 26 2.73 82 圏外
22 15 2.74 圏外 圏外
22 池添 69 2.74 17 圏外
24 北村友 66 2.76 17 ▼4
リーディング平均 37.0 ( ベスト 52.4 )



■2019/01/07 好きな騎手でも下位評価になってしまった騎手が…

 半年ぶりのランキング。 古い採点は多少消していたと思うのですけど、それほど変わりませんでした。ほぼ2014~2018年の5年間のランキングです。
 良い方で動いたのは、もともと好きな松岡騎手が6ランクアップの6位、ウィリアムズ騎手が5ランクアップの7位。中谷騎手は全く好きじゃありませんでしたが、10ランクアップの9位。最近見た記憶ないんですけどね…。

私見騎手(ジョッキー)評価ランキング ベスト20(全138騎手中) 
順位騎手名評価リーディング変動
1ティータン113.36圏外-
1ミナリク253.3677-
3ホワイト123.33圏外-
4岩崎6063.3275-
5川田693.285△3
6松岡813.2731△6
7ウィリアム193.26圏外△5
8武藤2623.2230▼1
9中谷553.271△10
10菅原223.18圏外△2
10石橋脩613.1822△5
12柴田未233.17圏外▼4
12山口勲123.17圏外△3
12オールプレ123.17圏外▼4
15藤田菜563.1640▼7
16後藤133.15圏外圏外
16富田463.1538▼11
18吉田隼573.1429▼1
19的場383.13圏外▼13
19マーフィー233.13圏外圏外
21川島413.1282圏外
21木幡育433.1256▼2
21ボウマン263.1282圏外
21岩部353.1296圏外
リーディング平均52.4(ワースト37.0)

 私はリーディング下位ほど高評価で、上位は低評価になりやすいです。今回もベストが平均52.4位、ワーストが平均37.0位という極端な差に。ただ、ベストは圏外も多いので、実際にはもっと差があるでしょう。
 ワーストでは、大きく動いた騎手がおり、圏外から一気に服部騎手が4位、バルザローナ騎手が6位、藤岡康太騎手が8位とランクインしてきました。ただ、藤岡康太騎手以外は、見ている数が少ないので、今後大きく動く可能性が高いです。
  あと、1ランクアップで10位となった大庭和弥騎手はむしろ好きな騎手。以前ほど好きな騎乗がなくなったと感じているとはいえ、こんなに悪いのは予想外です。

私見騎手(ジョッキー)評価ランキング ワースト20(全138騎手中) 
順位騎手名評価リーディング変動
1北村宏642.4118△1
2横山典612.4926▼1
3内田博702.5414-
4服部132.62圏外圏外
4木幡広292.62圏外△5
6丸田522.6455△6
6バルザロー112.64圏外圏外
8四位582.6751▼3
8藤岡康582.6722圏外
10大庭372.68圏外△1
10田辺632.687△7
12柴田善572.790△8
13浜中562.7217▼8
13北村友602.726△7
13武士沢542.7282▼6
16松山662.738▼1
16Mデムーロ812.732▼12
18柴田大1272.7535△1
18江田照602.7563▼3
20小牧502.7682▼13
21太宰572.7746圏外
22熊沢182.78圏外圏外
22小崎542.7846▼5
22蛯名682.7833圏外
リーディング平均37(ベスト52.4)



 ■2019/12/05 ザッツザプレンティやショウナンパントルを当てた予想ネットクイズ

 どこに追記するか迷ったんですけど、予想関係ということでここに。昔あった予想ネット(yosoo.net)というお小遣い稼ぎ系サイトでの競馬予想の話。エクセルに成績をまとめていたので、どこかにメモしておきたいなと思ったものですので、いつも以上に他の人が読んでも 楽しくなさそうな話です。
 この予想ネットですが、小遣いサイトとしてはユニークでした。普通の小遣いサイトは、買い物やキャンペーン応募などの案件を達成した謝礼にもらったポイントを貯めて、現金などと商品交換という形です。でも、予想ネットは違うんですね。
 うろ覚えなんですけど、たぶん予想ネットはそうではなくて、謝礼でもらったポイント(コインという呼び名だったかも?)を競馬などの予想クイズに使って、当てれば増やせるという形だったと思います。確か謝礼でもらったコイン(?)を直接商品交換に使えるポイントにもできたのですが、予想もできるというスタイルでした。
 私はこのクイズに魅力を感じていたのですけど、世間的にはそうではなかった模様。低迷したために、サイトをリニューアルして他と同じような個性のない形に移行しました。確か他にも予想系サイトがあったのですけど、それも閉鎖していましたね。どうもあまり人気ではないようです。

  ポイントが2種類あったことを思い出したのは、私のメモに「回収率上がらないのでポイント重視に転向」とあたため。たぶん回収率が100%以上だったときは予想を使っていて、当たらなくなってからそうじゃないのに変えたみたいですね。最終的には、573問中231問に正解し正解率は40%で、6960コイン(?)を投資して8008ポイントに増やして、回収率は115%でした。プラスを維持しているうちに手を引いたようです。
 不人気さに関連しては、倍率が途中から確か最大10倍に抑えられたってのも痛かったですね。大穴で大儲けができず、控除率が高くなっている形ですので、めっちゃ損なんですよ。確かビックリマンシールなどのおまけ制限などとも関連した、景品表示法を理由としていた気がします。おまけが高額すぎると法律違反となるのです。
 私が稼いでいたのも初期の頃。2002年から24回に分けてメモしているのですけど、2005年までの9回はすべて回収率100%以上だったのに、それ以降はほぼ毎回赤字となっていました。もっと早くやめるべきでしたね、これ。やめる判断が遅かったです。
 ちなみに最初の9回は、114% 323% 276% 252% 103% 143% 148% 113% 141%。その後はほとんど90%前後で、極端に一度だけ悪かったときが46%、最高でも195%でした。

 競馬関係の予想について。過去最高だった回収率323%の回は、2003/5/11    NHKマイルC8枠で6番人気13.44倍。勝ったウインクリューガーだけでなく、好きで評価もしていたエースインザレースも同枠だったため、現実のオッズからの乖離で「おいしい」と見て賭けたのではないかと思います。
  252%の回は、競馬関係2つ。2003/10/26の菊花賞 4枠 6 番人気 22.87倍です。これもおそらくザッツザプレンティだけでなくペルフェットがいたため。また、2003/11/23    マイルCSは2点買い ですが、 5 番人気6枠の 9.85倍を当てています。これはデュランダルのみを理由で買ったようです。
 菊花賞の22.87倍は私の最高記録。前述の通り、その後オッズが抑えられるようになりました。そのためかその後は、穴狙いではなく、堅実路線に移行したとメモしてあります。
 その固め路線でも、競馬は途中まである程度穴狙いだったみたいです。 2004/4/18    皐月賞は5番人気9.85倍でオッズが良かったところ。7枠にメテオバースト、ダイワメジャー、マイネルデュプレという可能性を感じるおもしろいメンバーが揃っていたためにお得だと思って、1点買いしたようです。そういやこの皐月賞は現地で見ましたね。
 この後の春から夏は正解率65%で過去最高に。その分高配当は皆無です。競馬関係はしばらく開いて、2004/12/5 阪神JF。やはり複数おもしろい馬が入っているところを狙っており、3枠(ショウナンパントル、アンブロワーズ)1点買いで3人気7.34倍。ワンツーフィニッシュになっています。両方とも好きな馬でもありますね。
 その次は、 2005/8/7    函館2歳S 6枠( モエレジーニアス、ラッシュライフ) でこれもワンツーフィニッシュ。    1点買いで3人気9.23   倍を当てています。競馬はこの2005年の冬からもっと人気サイドに賭けるようになったみたいで、これ以上のメモはありませんでした。

■2018/06/02 私見騎手評価ランキング 好きな岩崎騎手や武藤雅騎手が上位

 岩崎騎手と武藤雅騎手とウィリアム騎手が好きなので、そこらへんは点が甘いかもしれません。で、彼らは上位でしたが、他の外国人騎手がベスト3でした。

私見騎手(ジョッキー)評価ランキング ベスト20 (全 134 騎手中)  
順位 騎手名 評価 リーディング 変動
1 ティータン 11 3.36 圏外 圏外
1 ミナリク 25 3.36 44 圏外
3 ホワイト 12 3.33 圏外 ▼2
4 岩崎 594 3.29 56 ▼2
5 富田 36 3.25 25 △19
6 的場 38 3.24 圏外 ▼3
7 武藤 186 3.22 25 -
8 川田 75 3.17 3 圏外
8 柴田未 23 3.17 圏外 △2
8 藤田菜 53 3.17 56 ▼4
8 オールプレ 12 3.17 圏外 -
12 ウィリアム 49 3.16 圏外 ▼2
12 松岡 87 3.16 30 △5
12 菅原 19 3.16 99 圏外
15 山口勲 13 3.15 圏外 圏外
15 石橋脩 69 3.15 14 ▼3
17 吉田隼 68 3.13 29 ▼11
17 嘉藤 56 3.13 76 ▼3
19 木幡育 33 3.12 圏外 圏外
19 中谷 59 3.12 44 ▼7
21 ムーア 46 3.11 56 ▼7
22 Tベリー 11 3.09 圏外 ▼1
22 ビュイック 11 3.09 圏外 ▼1
22 原田和 34 3.09 圏外 圏外
リーディング平均 42.8 ( ワースト 35.6 )

  日本人騎手でも圏外なことが多くなっていますけど、100位以内の平均はベストが42.8でワーストが35.6。リーディング上位騎手じゃない方が、どうも私の好みのようです。

 私見騎手(ジョッキー)評価ランキング ワースト20 (全 134 騎手中)  
順位 騎手名 評価 リーディング 変動
1 横山典 71 2.47 22 -
2 北村宏 68 2.52 19 -
3 内田博 83 2.54 6 -
4 Mデムーロ 81 2.67 2 △8
5 四位 68 2.68 49 △1
5 浜中 75 2.68 22 -
7 小牧 59 2.7 83 -
7 武士沢 66 2.7 83 △16
9 リスポリ 17 2.71 圏外 △2
9 木幡広 38 2.71 圏外 ▼5
11 大庭 41 2.73 圏外 △1
12 丸田 62 2.74 49 △4
13 田中勝 67 2.75 42 ▼1
13 酒井 59 2.75 38 ▼5
15 江田照 69 2.76 61 ▼3
15 松山 78 2.76 9 圏外
17 田辺 68 2.77 6 △3
17 小崎 53 2.77 27 △1
19 柴田大 139 2.78 33 △1
20 北村友 65 2.79 8 圏外
20 柴田善 66 2.79 83 ▼12
20 二本柳 33 2.79 圏外 圏外
23 高倉 54 2.8 66 ▼3
23 戸崎圭 101 2.8 4 圏外
リーディング平均 35.6 ( ベスト 42.8 )


2024年7月18日木曜日

競走馬の寄生虫、実は珍しくない!何割が寄生?

■2020/06/04  競走馬の寄生虫、実は珍しくない!何割が寄生?
■2024/07/18 博士「馬に寄生虫はいて当然。むしろ根絶させようとするな」


■2020/06/04  競走馬の寄生虫、実は珍しくない!何割が寄生?

 POG馬で後に皐月賞4着と健闘したウインカーネリアンは、3歳の1月に体内に虫が発見されたことがあります。
 これについて掲示板では、「体内に虫もいたって・・・鉾田(引用者注:ビッグレッドファーム鉾田トレーニングセンター)の管理どないなってるねん・・・」といった反応が出ていました。ただ、体内の虫と管理は関係するんだろうか?と不思議に思ったんですよね。

 なにか参考になるものはないか?と探して、PDF馬の寄生虫病(中央畜産会)というのを発見して読んでみました。
 これによると、そもそも虫の寄生率は高いとのことで別に珍しくないようです。1982年から10年間の調査の場合、当歳馬では30%、育成馬では60%、繁殖牝馬ではなんと74.2%になんらかの虫が寄生していたそうです。
 また、1980年からの12年間で、臨床的に寄生虫障害が出ていなかった安楽死馬450例を調べたケースでは、寄生虫障害が出ていなかったにもかかわらず、実は67.1%も虫がいたという同じくらいの数字が出ています。ただし、これはその前の10年と比べると減少。今はもっと減っているかもしれません。また、競走馬の場合は上記とは逆に若い馬で寄生が多く、主に牧場などでの寄生が原因であることが予想できます。
  これを見ると寄生しているのが普通のようで、一部の施設の馬だけが虫に寄生するというわけではなさげですね。
 ただし、寄生しても問題ないとは書かれていません。わかりづらいだけで障害がないわけではないとのこと。貧血や下痢、食欲不振などが考えられるため、競争能力にも問題があるとされていました。

 また、感染防止は可能なのかどうかも気になるところ。 で、結論としては、感染防止策がありますので、一応、施設による寄生率の差が出る可能性はあるようです。短くまとめると以下のような感じでした。
(1)放牧地の耕作や客土で虫や卵を排除。
(2)他の馬からの感染機会を避けるため、過密な放牧を避ける。
(3)馬糞は散乱しないうちに速やかに除去。
(4)馬糞は堆肥としてよく発酵・発熱・熟成させて、虫や卵を殺滅してからまく。
(5)反芻動物との交互・混合放牧が、感染幼虫の除去に有効。
(6)放牧地を4ヶ月以上休牧する。
(7)中間宿主となる蚊やダニを撲滅するため、周囲の環境衛生に注意する。


■2024/07/18 博士「馬に寄生虫はいて当然。むしろ根絶させようとするな」

 馬の寄生虫の話をもう少し…と検索。<馬の資料室(日高育成牧場): 日本ウマ科学会招待講演『根拠に基づくウマの寄生虫コントロール』>(2022年2月 3日 (木))という良さそうなページがヒットしました。2021年12月のウマ科学会学術集会に関する話みたいですね。

< 講師は、米国ケンタッキー大学のグラック馬研究所で寄生虫について研究や指導を行っているマーティン・ニールセン博士。日本語訳されている「馬の寄生虫対策ハンドブック」の著者であり、アメリカ馬臨床獣医師協会(AAEP)の「寄生虫対策ガイドライン」の策定においても大きな役割を担っている現代の馬寄生虫対策のパイオニアです。>
https://blog.jra.jp/shiryoushitsu/2022/02/post-8edd.html

 現代における寄生虫対策の目標は、寄生虫を根絶するのではなく、悪影響を抑えて病気を予防することだとのこと。そもそも寄生虫をなくそうとする発想はダメなようです。根絶を目指すと、薬剤耐性を持つ寄生虫ばかり残るためというのが理由でした。

<過去、寄生虫の根絶が試みられ積極的な駆虫が世界的に推奨されましたが、薬剤耐性を持つ寄生虫が残るという結果を招いてしまいました。様々な事情により新しい駆虫薬の発見・開発が期待できない現状において、馬が飼養されている環境が薬剤耐性虫で溢れないように、将来を見据えた寄生虫対策が求められています。>

 幸い重症化リスクは低いそうですけど、小円虫は、重度の感染では大腸全体の出血や炎症の原因になります。この小円虫は、採食される牧草と一緒に消化管内に入ります。このためか、感染率が高く、すでに耐性虫が確認されているため単純に駆虫薬の投与回数を増やしても完全に排除できないとのこと。イベルメクチンと駆虫薬を投与することで、感染リスクを減らす対策を行うべきだそうです。

 ニールセン先生は、この他、対象の寄生虫によって、寄生虫の排除が可能なものは排除し、不可能なものは、馬の腸閉塞の予防・馬の症状軽減で対策するように勧められていました。
 「寄生虫は、馬たちを殺すどころか病気にしてしまうことも稀で、馬に寄生虫がいるのは当然。寄生虫がいたとしても幸せに生きている。」ともおっしゃっており、「馬に寄生虫が見つかるのは異常」という認識ではないようです。



2024年7月17日水曜日

極めて稀な奇跡の復活を遂げたフジキセキの種牡馬成績の驚き

■2023/04/14 極めて稀な奇跡の復活を遂げたフジキセキの種牡馬成績の驚き
■2019/07/17 不人気馬ではフジキセキの孫ハーディンを指名も別の馬たちが…


■2023/04/14 極めて稀な奇跡の復活を遂げたフジキセキの種牡馬成績の驚き

 最近は特に種牡馬の見切りが早いと言われますが、最初から期待されていなかったのならともかく、当初期待されていたのに走らなくて後から評価が上がって復活するというパターンはあまりないと思います。そういう意味でフジキセキの復活は驚きでした。
 サンデーサイレンス産駒は偉大すぎる父サンデーサイレンスがライバルとなったせいもあり、苦戦していた例が多いです。そんな中でフジキセキはサンデーサイレンスの初年度産駒でなおかつ早期引退ということで、最も父と種牡馬期間が重なっていたという最高に不利な条件。そんな中で復活して長く種付け生活を送ったというのは、非常に驚きでした。

 …と書いてから、フジキセキのリーディングを見たのですが、3年目からは安定して良い成績。途中スランプがあったという私のイメージと違いますね。

<フジキセキのリーディング順位>
年度    順位
1998    193
1999    31
2000    6
2001    5
2002    5
2003    7
2004    4
2005    3
2006    2
2007    5
2008    2
2009    7
2010    2
2011    10
2012    6
2013    8
2014    9
2015    15
2016    29
2017    49
2018    141
2019    141
2020    337
2021    353

 ただし、以下のように、種付年度の種付け頭数で見ると、2000年から突然増えていることが確認できます。私がイメージしているのは、たぶんここらへんのせいでしょう。
 期待されていなかった種牡馬ならともかく、初期から種付け頭数が多かった種牡馬で一旦低下した種付け頭数がここまで回復するというのは、やはり珍しいはずです。フジキセキの場合はそれどころか、途中で過去最多を何度も更新するような増え方。種付け頭数はラストクロップまで衰えていませんし、極めて稀なのではないかと思います。

種付年度    種付頭数
1995    118
1996    171
1997    161
1998    114
1999    93
2000    206
2001    225
2002    213
2003    171
2004    191
2005    185
2006    252
2007    160
2008    223
2009    203
2010    203


■2019/07/17 人気馬ではフジキセキの孫ハーディンを指名も別の馬たちが…

2023/04/14:世代別に好きな馬について書いていたのをまとめ直し。フジキセキ産駒のダノンシャンティの子…ということで、ハーディンの話をここにまとめています。

2019/07/17:2017年生まれで好きな馬 ハーディン
 2017年生まれのPOG馬についていろいろ書いていましたが、1番人気ばっかりじゃねーか!って感じなので、新馬戦11番人気の不人気な子も。ハーディンは、他で書いたのと同じエガオヲミセテに近い血統ということでの指名。地味に評価しているダノンシャンティ産駒でもあります。あと、名前もなんか強そう。結構こういう理由で指名しちゃいますわ。後で見返すとさんざんな結果なんですけどね。
 新馬戦は最初変な感じで中団後ろ。コーナーでは勢い良く上がっていったのですが、外に膨れるなどフラフラで再び悪いところが。1200のレースなので特に大きいロスでした。…にも関わらず最後伸びて5着と大健闘。結構やれそうで、ちょっと期待。こういう悪いところがある子って応援したくもなりますね。勝ち上がれると良いなぁ…。(2019/07/17)
 不人気指名馬では期待していたハーディンではない別の馬たちが次々と勝ち上がりびっくり。
 一方、ハーディンの方は5着、6着と健闘しつつも健闘止まり。すっきりしません。2戦目もうまく走れていない感じで、力を出せばという感じ。3戦目はスタートで後手を踏み、最後もじわじわ程度。 前行って粘った方が良いようですが、力出し切って馬券内がやっとかも。勝ち上がりは難しいかもしれません。(2019/10/05)

2023/04/14追記:「力出し切って馬券内がやっとかも。勝ち上がりは難しいかもしれません」と書いたように、その後も2着、3着はあったものの、中央では勝利までは行けず。掲示板を外すレースも多かったです。
 その後、地方でたくさん走り、現在の戦績は    59戦4勝 [4-5-9-41]、    450万円 (中央) /244万円 (地方)。まだ現役のようです。




2024年7月16日火曜日

キングカメハメハの後継種牡馬?クリーンエコロジー、11頭の産駒でいきなり中央で人気勝利

■2020/07/03 クリーンエコロジーという謎の新種牡馬にびっくり…
■2020/07/03  キングカメハメハの後継種牡馬?クリーンエコロジー、11頭の産駒でいきなり中央で人気勝利

■2020/10/05 ディープエコロジーという馬名、意外に意味の深い名前


■2020/07/03 クリーンエコロジーという謎の新種牡馬にびっくり…

 2歳の勝ち馬で父クリーンエコロジーという馬(ディープエコロジー)がいて、なんだこれ?と思いました。しかも、人気薄ではなく、2番人気で勝っています。
 マイナー種牡馬としてあるパターンは兄弟が大活躍馬、馬主が大物で趣味での種牡馬入りというもの。しかし、どちらでもありません。これなら未出走でも種牡馬入りということがあるのですけど、戦績見ると地方の活躍馬なんですね。恥ずかしながら知りませんでした。
 キングカメハメハ産駒で中央で新馬戦に勝ち、新潟2歳Sでも1番人気。それなら覚えていて良かったのですけど、私は記憶していませんでした。デイリー杯2歳Sでは4着しており、過剰評価でもなかったようです。
 ただ、トラブルがあったのか、次走までに1年。ここで500万条件からのやり直しになったものの、再びオープンクラスまで上がって重賞にも出走していました。にも関わらず、名前を覚えていなかったというのは、私がどうかしていますね。
 古馬になってからは出走こそあれど、重賞では未活躍。活躍は地方に行ってからですね。地方重賞をいくつか勝ちます。とはいえ、これで種牡馬入りというのはやっぱり解せませんね。大したことがありません。


■2020/07/03  キングカメハメハの後継種牡馬?クリーンエコロジー、11頭の産駒でいきなり中央で人気勝利

 当然ながら種付け頭数も少なくなります。初年度産駒はわずか11頭だとのこと。ところが、その中で中央初出走の産駒がいきなり人気で勝利。すごいですね。やはり地方競馬からの種牡馬はそもそも中央勝利すらまれであるようでした。

<地方競馬で活躍して種牡馬となったケースは、近年ではルースリンドからストゥディウムとヤマショウブラック、グランシュヴァリエからリワードアヴァロン、セレンからブラヴールが地方重賞を制しているが、まだ中央での産駒勝利はない>
( 【こちら日高支局です・古谷剛彦】初年度11頭のクリーンエコロジー産駒から中央で勝ち馬 今年の新種牡馬産駒は面白い スポーツ報知 2020年7月1日 07:00 より)

 なお、地方では、 リュウノメアリー(牝2歳、北海道・川島雅厩舎)が新馬戦で2着に入るなど上々の滑り出しを切っていたとのこと。逆に言うと、地方ですら勝っていないのに先に中央で勝ったんですね。
 ここから成り上がって、キングカメハメハの後継種牡馬候補になると、ドラマチックでおもしろいのですけど、日本では難しいかもしれません。




■2020/10/05 ディープエコロジーという馬名、意外に意味の深い名前

 最初、ディープエコロジーという名前を見て、ディープインパクト産駒だと思ったのですが、前述の通り、実際にはクリーンエコロジー産駒でした。母父がディープインパクトなのでディープはそちらから。ややこしくてあまり良くないと思うのですけど、稀にあるパターンですね。

 ただ、この馬の名前の場合、単にふたつの単語をくっつけたというだけでなく、ちゃんともともとある意味のある単語になっているというのがうまいですね。Wikipediaによると、ディープエコロジーは、1973年にノルウェーの哲学者アルネ・ネスが提唱したエコロジーの概念。人間の利益のためと考えられていたそれまでの環境保護運動を深めて、環境保護それ自体を目的したものだそうです。

 なお、その後のディープエコロジーの戦績ですが、函館2歳S(G3)では人気にならずに13番人気で結果も10着と振るわず。次のクローバー賞(OP)も7番人気9着と全然です。人気での勝ち上がりなのでもっとやれるかとも思ったのですが、新馬戦はレベルが低すぎて人気になっただけなのかもしれません。残念です。



2024年7月15日月曜日

スズカルパン16年ぶり100戦達成、前回はハルウララではない

■2020/06/25  スズカルパン16年ぶり100戦達成、前回はハルウララではない
■2024/07/15 6年以上ほぼ毎月走って怪我せずに最多出走記録 高齢でも好走

■2020/06/25  スズカルパン16年ぶり100戦達成、前回はハルウララではない

 スズカルパンは特に印象なかったのですけど、11歳で16年ぶり8頭目の100戦達成をしていたと今頃知りました。以前はハルウララ?と思いましたが、ハルウララではなく私も好きだったハートランドヒリュ。追込が得意でたまに穴をあけるイメージなので狙っていました。そのハートランドヒリュは現役時に亡くなってしまいましたが、スズカルパンは100戦を達成し、元気なうちに引退しています。
 スズカルパンの同期にはジェンティルドンナやゴールドシップ。ゴールドシップの他、ディープブリランテ、ジャスタウェイなどはすでに産駒が走っているので、同期の子供たちといっしょに走っていたということになります。

 長く走ったものの、スズカルパンは丈夫なタイプということではなかった模様。 担当の高橋一厩務員は、「最大の弱点は爪なんです。特に左前脚。鉄屋さん(装蹄師)は大変だったと思いますよ。爪に効くサプリをもらったりもしましたね」としていました。
 環境の変化に弱い馬だともいいます。東京に輸送して体が14キロも減ったことがあったので、ほぼ当日輸送のみ。栗東から最も近い京都で最多50戦、実に96戦が当日輸送。除外が多そうな条件に見えますが、それでも達成。中央という時点でもハードルが高いんですけどね。一方で、環境を変えないという意味で、ほとんど放牧にも出さなかったというのはレース数増加に繋がっています。
(【下鴨S】11歳ルパン100戦目 16年ぶり8頭目の金字塔― スポニチ Sponichi Annex ギャンブル[ 2020年5月1日 05:30 ]より)

 あと、このような記録は馬主さんありきなのですけど、馬主さんに話を聞いたものはパッと見ヒットせず。スズカ系は冠名も名義もいろいろというイメージですが、スズカルパンは永井宏明さんの所有馬です。母の父ラムタラですが、父スズカマンボ 母ルンルンスズカという「スズカ」色の強い血統でもありました。馬主さんの話も聞いてみたいですね。

■2024/07/15 6年以上ほぼ毎月走って怪我せずに最多出走記録 高齢でも好走

 スズカルパンは8頭目の100戦以上走った馬でした。逆に言うと、その前に7頭100戦以上走った馬がいます。で、それらの馬が名前がわからないかと検索したものの、うまく見つからず。スズカルパンの前はハートランドヒリュであり、彼のWikipediaを見てみましたが、特に記載がないですね。代わりにハートランドヒリュのWikipediaを少し紹介しておきます。

 休んでいなかったという覚えはなかったのですけど、ハートランドヒリュはほぼ毎月走っていたということで、恐ろしいほど走っていました。最後は「急性心不全」であったものの、それまではずっと大丈夫であり、「使いすぎ」とは言えない感じ。意外に大丈夫です。

<2歳(現表記、以下同じ)の1998年12月に[2]阪神競馬場でデビューし(8着)[3]、初勝利は翌1999年4月の未勝利戦で、8戦目での勝ち上がりだった[3]。それ以後も月1 - 3回のペースで休むことなく出走を重ね、通算4勝を挙げた。レース間隔は最大でも中6週(4回)で、連闘での出走も3回あり、デビュー以来いちども出走しなかった月は2002年11月と2005年7月のみであった。>
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%92%E3%83%AA%E3%83%A5

 ハートランドヒリュは、日本中央競馬会 (JRA) におけるサラブレッド系種の最多出走記録を達成。記録更新は、2005年11月13日でした。

<2004年4月25日に100回目の出走を果たす[4]。2005年10月23日に122回目の出走となり、オートダービーが保持していたJRAの(サラブレッド系)最多出走回数の記録に並び[5]、2005年11月13日に京都競馬場で行われたドンカスターカップ(1000万円以下)への出走により、記録を43年ぶりに更新した[3]。>

 さらに、サラブレッド系・アラブ系を通じたJRAの平地競走最多出走記録の直前まで行ったのですけど、急性心不全で亡くなっています。

<10歳を迎えた2006年も現役を続け、出走回数は127回に上った[1][2][6]。当初より本馬を管理してきた清水久雄が2月いっぱいで調教師を勇退した[7]ため、3月1日付けで河内洋厩舎に移籍[6]。当時のJRAのアラブ系種最多出走記録はトキノヒカリの128回であり[1][2][6][注 1]、順調にいけばサラブレッド系・アラブ系を通じたJRAの平地競走最多出走記録[注 2]を更新する見込みであったが、3月22日の調教中に急性心不全のため死亡[1][2][6]。3月12日に中京競馬場で行われた遠州灘特別が最後の競走となった[2][6]。>

 ハートランドヒリュがすごいのは、高齢になっても馬券に絡む走りを見せて、普通に現役であってもおかしくない成績であったこと。忘れたころに突然激走するので、私も馬券で狙っていた馬です。私が買うときは全然来なかったんですけど…。

<2003年3月の名鉄杯(中京競馬場)を最後に勝利から遠ざかった[3]ものの、121戦目となった2005年9月のHTB賞(札幌競馬場)では追い込んで[8]単勝11番人気ながら3着となる[8][3]など、展開や馬場状態が向けばまだまだ走れるところを見せていた。2005年以降に出走した17戦はすべてハンデ戦で、負担重量もすべてで50キログラムであった。>

2024年7月14日日曜日

競馬用語カンパイとは?ミスで全頭除外、レース中止に

■2020/04/25 思い浮かぶのは「乾杯」…競馬用語カンパイとは?
■2020/04/25 発走委員のミスによって全頭除外、レース中止に
■2023/03/12 ありそうでない「カンパイ」という名前の馬 遡って見てみると…


■2020/04/25 思い浮かぶのは「乾杯」…競馬用語カンパイとは?

 2020年4月10日、名古屋競馬11R山桜特別で「ただいまの発走は真正な発走とは認められず、カンパイとなりました」という場内アナウンスが流れました。
 正式には言わない競馬用語が多いですけど、カンパイは公式のアナウンスでも使う言葉なんですね。 カンパイ(競馬用語辞典) JRAによると、以下のような意味です。

<発走委員が真正な発走でないと認めた場合に発走をやり直すこと。ゲートの前方200メートルの地点に白旗を持った係員がいて、発走委員の合図を受け白旗を振り騎手に発走のやり直しを知らせる>

 カンパイと聞くと、「乾杯」を思い出します。もう一度乾杯をし直す…みたいなのと関係するのか?と言うと、全然関係なし。JRAでは、語源は英語のカムバック(戻れ)、といわれていると説明していました。


■2020/04/25 発走委員のミスによって全頭除外、レース中止に

 ところで、先程の名古屋競馬のカンパイですが、これは極めて珍しい種類のカンパイでした。前述の通り、カンパイは、発走委員が真正な発走でないと認めた場合に発走をやり直すことなのですけど、このレースの発走は全然問題なかったのです! つまり、何の問題なかったのに、レースを止めてしまうという極めて珍しい痛恨のミスをやらかしたわけです。

 さらに、「ただいまの発走は真正な発走とは認められず、カンパイとなりました」という場内アナウンスがあったように、主催者としてはスタートのやり直しをしようとしましたが、これも実現せず。
 明らかに問題ある発走でなかったためなのか、 向正面まで走ってしまうなど、出走馬全9頭がかなり長い距離を走ったために全馬が除外され結局、レース不成立となってしまったそうです。騎手たちもすぐには気づかなかったんでしょうね。

 名古屋競馬の公式サイトでも「発走委員の助手が誤って白旗を振り、競走を制止させたため」とミスを認めた上で謝罪。馬券売上の5819万6100円は全額返還となり、金銭的にも主催者に打撃となる大きなミスとなりました。


■2023/03/12 ありそうでない「カンパイ」という名前の馬 遡って見てみると…

 カンパイの話をもう少し…と思ったものの、おもしろい話が見つからず。なので、今回は「カンパイ」という名前が入った馬という変わった方向性での話。一番最近の馬は地方の「カンパイバニー」という牝馬。おそらくアルコールを提供するようなお店の「バニーガール」からの連想でしょう。

カンパイバニー 牝 青鹿毛
生年月日     2019年4月25日
調教師     石川栄 (岩手)
馬主     宮崎豊治
獲得賞金     19万円 (地方)

 カンパイがつく馬は意外にほとんどいないようで、大昔を除けばあとは「カンパイグラス」がいる程度。これはそのまんまな名前であり、やはりわかりすい命名でしょう。

カンパイグラス 牡 栗毛
生年月日    1997年4月6日
調教師    林正夫 (地方)
馬主    長橋秀雄
獲得賞金    0万円

 netkeibaのデータベースにない古い馬で言えば、そのまま「カンパイ」という馬が3頭いました。

カンバイ    1955    牡    0
カンバイ    1970    牡    1056.2           
カンバイ    1982    牝    572

 ここまでの5頭で最強の「カンパイ」は1970年生まれの「カンパイ」で、獲得賞金はおよそ1000万円。中央と地方で大体半々ずつ稼いだみたいですね。77戦5勝ということでえらくたくさん走りました。データが少なく、具体的な勝ちくらは不明です。
 この1970年生まれの「カンパイ」の父はオンリーフォアライフ(オンリーフオアライフ)という聞いたことがない馬。父父などを見てもさっぱりわからず検索してみると、ベンドア系(エクリプス系)だそうです。さすがに古いですね。


2024年7月13日土曜日

北村友一騎手はなぜ机騎手というあだ名になった?

■2020/02/29 机騎手の距離短縮進言の逆に距離延長したら初勝利!
■2020/02/29 北村友一騎手はなぜ机騎手というあだ名になった?


■2020/02/29 机騎手の距離短縮進言の逆に距離延長したら初勝利!

  ルーラーシップ産駒のソニックベガ。ベガとつきますが、ベガ・アドマイヤベガなどの一族ではなく、ロジユニヴァースの血統でモンローブロンドの子。好きな血統です。
 新馬戦から人気だったものの、なかなか勝ち上がれず5戦目でやっと初勝利。3番人気1着でした。騎手は最近良い騎乗が多いと感じている団野大成騎手です。ネット競馬の掲示板でも好騎乗と評判でした。
 ところで、その掲示板で気になったのは、「ゲートが驚くほど上手になって距離伸ばしてから良い方向に向かいましたね。 やはり机騎手の距離短縮進言の逆を行った調教師の判断は正しかった!」というもの。机騎手とは誰でしょうか?

 誤字の可能性も考えたものの、それらしい名前の騎手はいません。検索すると、北村友一騎手のWikipediaがトップで出てくるなど、どうやら北村友一騎手のあだ名のようですね。
 ソニックベガでは3戦目に騎乗。1200でデビューして、1400、北村友一騎手でも1400。ここで距離短縮進言があったようですが、団野大成騎手に乗り変わらせて、逆に2000、1800とこれまでより長いところで走らせたようです。
 掲示板をよく見ると、「今年未勝利の北村友一騎手の進言を断ってくれた斎藤崇史先生に、改めて敬意を表します」「これでまた北村友の評判が…。。。可愛そうに(笑)」といった書き込みもありました。


■2020/02/29 北村友一騎手はなぜ机騎手というあだ名になった?

 ところで、この机騎手というあだ名の由来はなんなのでしょう? 検索では、北村友 裁決室で大暴れ…処分に不満、机持ち上げて倒す― スポニチ Sponichi Annex ギャンブル(2013年11月3日 06:00)という記事もありましたので、これが元ネタのようです。

<2日、京都2Rで審議対象になった北村友一騎手(27)がレース後、事情聴取を受けた検量裁決室内で机を持ち上げて倒す、という粗暴行為に及んだ。裁決から受けた開催4日間の騎乗停止処分に不満を持ったものと思われる。これにより同騎手は18日から24日まで開催2日間の騎乗停止という過去に例のない“追加制裁”を受けることになった>

 2ちゃんねる情報ですが、本人も机を倒す写真を上げるなどネタにしている模様。半ば公認みたいな感じですね。

2024年7月12日金曜日

2020年世代で泉谷楓真騎手がダントツに良い理由とは?

■2020/05/07 2020年世代で泉谷楓真騎手がダントツに良い理由とは?

■2020/05/07 2020年世代で泉谷楓真騎手がダントツに良い理由とは?

 2020年の新人騎手では、 泉谷楓真騎手が立て続けに良いと思う騎乗がありました。私の評価と世間の評価が合うのは、比較的少ないのですけど、掲示板を見ても、めちゃくちゃ高評価です。
 これは泉谷騎手は買いではないか?と連続で買ってみたところ、私が買ったレースはことごとくむしろダメな騎乗。私的メモの点数評価も下位の方になってしまいました。この先物買いスタイルで、武藤雅騎手や岩崎翼騎手ではプラスになったんですけどね。泉谷騎手は今のところ一度も当たらないというひどいことに。今年の私の馬券は泣きそうになるほど悪いです。

 さて、このシーズンの新人騎手について検索。なかなか記事が見つかりませんでしたが、泉谷騎手に絞ってやっと発見。JRA武豊&ルメール「弟分」大物ルーキーが1日2勝! 「いい馬に乗せて頂いているおかげです」新人王最有力・泉谷楓真が大成できる2つの理由という記事が出ました。
 これはデビューしてすぐの記事で、「今月デビューしたばかりのルーキーとは思えない騎乗ぶり」と褒めている一方で、例によってエージェントのおかげであることも指摘していました。
「実は泉谷騎手のエージェント(騎乗仲介者)は、武豊騎手と同じ豊沢(信夫)氏なんですよ。豊沢氏といえば、武豊騎手の他にも、3年連続リーディングの(クリストフ)ルメール騎手や、浜中(俊)騎手のエージェントも務める凄腕。ちょうど若手騎手枠が空いていて、そこに泉谷騎手が入ったようです」(競馬記者)
 最近は大体こういうパターンですね。記事でも、近年、騎手の成功は「エージェントで決まる」と言われていると認めていました。


2024年7月11日木曜日

テンポイントの早来吉田牧場、火災で繁殖馬全5頭死亡で生産終了

■2020/06/08 テンポイントの早来吉田牧場、火災で繁殖馬全5頭死亡で生産終了
■2020/06/08 テンポイントの他、1995年に香港国際カップ優勝のフジヤマケンザンも
■2020/06/08 最近は本当に活躍馬がいなかった、中央勝利も遠く…


■2020/06/08 テンポイントの早来吉田牧場、火災で繁殖馬全5頭死亡で生産終了

 最近の話じゃありませんが、昔家族が知り合いで何度も行っていたという早来(現安平町)の吉田牧場が競走馬の生産終了を決めたことがニュースになっていました。新型コロナウイルスの時期ですが、それとは関係なく、4月に厩舎の火災で繁殖馬全5頭を失ったことがきっかけ。
 テンポイントなどを輩出の北海道・吉田牧場、再開を断念 「最後の馬」来年デビュー目指す毎日新聞2020年5月29日 08時36分(最終更新 5月29日 09時28分)によると、 再開を模索したが吉田晴雄社長(76)の体調不安もあり継続を断念しています。ただし、育成馬1頭(1歳・雄)を残し、来年デビューさせる考えとはされていました。
 <テンポイントなど輩出の牧場 120年余の歴史に幕 北海道 安平町2020年5月28日 23時08分>(NHK)では、競走馬として育てている5頭のうち、4頭はことし夏と秋の競り市に上場し、残りの1頭は知人のきゅう舎に預けるという説明。毎日新聞では、美浦の菊川厩舎とされていました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200528/k10012449311000.html
 実を言うと、社台グループの吉田さんより近い親族も生産を行っているのですけど、後継者がいない状態だったのでやむを得なかったのでしょう。

 火災については別記事名馬多く輩出の吉田牧場で火災 繁殖牝馬5頭が焼死:朝日新聞デジタルの方が詳しいですね。苫小牧署によると、厩舎は2階建て。1階で馬を飼育し、2階では牧草を保管していました。これがほぼ全焼。記事の時点では出火原因は不明となっています。


■2020/06/08 テンポイントの他、1995年に香港国際カップ優勝のフジヤマケンザンも

 毎日新聞によると、吉田牧場は、1898年、祖父権太郎さんが創業。木材運搬用に大型の「ペルシュロン種」を育て、その後は軍馬として「トロッター種」に変更。競走馬の生産を本格的に始めたのは、戦後だといいます。
 吉田晴雄さんは16歳で中央競馬の騎手を目指して上京し、約10年間騎手として活躍。父一太郎さんの他界を受けて帰郷し、2001年に兄から引き継ぎました。

 一方、早来にとっては地元紙に近い存在の苫小牧民報では、1897(明治30)年創業としていました。30年ほど前の最盛期だった頃は100頭くらいの馬がいたそうです。主な生産馬には1966年桜花賞馬のワカクモ、その産駒で「流星の貴公子」と呼ばれて人気を博したテンポイント、障害重賞5勝のキングスポイント、95年の香港国際カップなどを制したフジヤマケンザンといったところが挙げらていました。イメージより最近まで活躍馬がいましたね。もっと昔なイメージでした。
(苫小牧民報 安平の吉田牧場、競走馬の生産終了 テンポイントなど名馬を輩出 | 全国郷土紙連合より)


■2020/06/08 最近は本当に活躍馬がいなかった、中央勝利も遠く…

 最近は全く活躍馬の名前を聞きませんでしたが、苫小牧民法では、近年は代表自身が持病を抱え、頭数を減らしていたという説明。あと、功労馬は火事には合わず無事であり、アブクマポーロやスティールキャストなど4頭は「最後まで面倒を見る」とされていました。
 で、アブクマポーロ?と不思議に思って検索してみたものの、生産者は別みたいですね。スティールキャストの方は名前すら知らなかったんですが、こちらはちゃんと吉田牧場の馬。ただし、代表勝鞍は、95'日本海S(900万下)。懐かしの900万条件で、私がまだあまり競馬を見ていなかった時期です。そりゃ知りませんわ。

 より最近の牧場生産馬も見てみました。中央で勝利していそうな最も最近の馬は、2013年産駒のハヤブサライデンかな。地方と中央を行ったり来たりで500万下で勝つなど、3000万円以上稼いでいます。
 1億円ホースとなると、2001年度産駒のコスモテナシャスまで戻らないといけないようです。いずれの馬も私は聞き覚えなく、最近は本当活躍馬がいなかったって感じがしますね。



2024年7月10日水曜日

実は牡馬より牝馬の方が気性が荒い?馴致の経験談を聞くと…

■2019/11/22 実は牡馬より牝馬の方が気性が荒い?馴致の経験談を聞くと…
■2020/05/28 牝馬の方が気性難説、やはり信じている人たちがいた!


■2019/11/22 実は牡馬より牝馬の方が気性が荒い?馴致の経験談を聞くと…

 私は「牝馬の方が気性が荒い」と聞いたことがあったので驚いたのが、以下のBRF 真歌TP 九鬼勝己さんによる1歳馬の馴致に関する話でした。

「牡馬は人より自分が上と勘違いし危害を及ぼすわがままな行動をすることがあり、毅然とした躾が必要な時もあります。一方、牝馬については怖がっているのか、反抗しているのか判断した上で、基本的にやさしく接するほうが効果的な場合が多いと感じます」
(Our Pleasure2018年11月号 Staff Roomより)

 ただ、検索してみると、そもそも「牡馬より牝馬の方が気性が荒い」と言っている人が皆無でびっくり。ひょっとしたら完全に私の勘違いで、普通の人には意外でもなんでもないイメージ通りの話だったのかもしれません。


■2020/05/28 牝馬の方が気性難説、やはり信じている人たちがいた!

  「牡馬より牝馬の方が気性が荒い」と言っている人が皆無と書いていました。ただ、発見できました。ヤフー知恵袋という信頼性が低いところですけど、今回は皆さんのイメージがどうか?というのを知りたかったので問題なし。やはり牝馬は気性が悪いというイメージの人はある程度いるみたいですね。
 これは、 ヤフー知恵袋の「牝馬の一流馬で、気性難でかつG1級の馬はスイープトウショウの他には何がいますか?」という質問。質問者は、「牝馬はわざと人を落とそうとする馬は少ないと聞く」「牝馬の気性の激しさは競争には向きにくいのでしょうか?」と書いており、私と同じようなイメージがあったようです。
 ベストアンサーの回答でも似た認識が見られた他、牝馬なら気性難だとわかるとそもそもデビューさせない、あるいはすぐ引退ということが 多いとも書いていました。これは前述の通り、信頼して良いかわからないものの、理屈としては理解できる話です。

<牝馬は生まれてすぐに、少々の奇形や虚弱、気性難、希少血統(母、姉妹がいない・亡くなった場合例え有望馬でも引退)の馬は繫殖にあげてしまうことも多い(ハープスターの母ヒストリックスター、エアグルーヴの末娘ラストグルーヴ等)、ので数と言えば牡馬よりは登録数は減ります>
<落とすより、よく聞くのは蹴る・噛む・暴れるですかね んで、牝馬は一度嫌!!となりキレたら、牡馬みたいに結局それでも折れる、辛抱するのと違い、牝馬はそういう我慢は絶対しないキレたらお終いと聞いたことがある>
<あらかじめ騎手も最初、育成も牡牝の扱い方は最初から変えているみたいですよ>
(最後のものはリンクでユーチューブという出典がありましたが、削除されており、内容不明です)



2024年7月9日火曜日

馬券売上の割合、ネット投票・競馬場・ウインズ 「電話で口頭」「コンビニ端末」での販売も

■2020/06/30 馬券売上の割合、ネット投票・競馬場・ウインズはそれぞれ何%?
■2020/06/30 過去には「電話で口頭」「コンビニ端末」での販売も


■2020/06/30 馬券売上の割合、ネット投票・競馬場・ウインズはそれぞれ何%?

 新型コロナウイルスによる無観客開催やウインズの閉鎖もあり、前々から調べておこうと思っていたJRAの販売における、ネット投票の割合。検索してみると、タイトルですぐにそれがわかる今や馬券売上の約70%、ネット投票の利点は反省できること|NEWSポストセブン(2019.10.06 07:00)という記事がありました。
 現在ではおよそ420万人が電話・インターネット投票会員となっており、その売上は全体の70%近く。残り3割の内訳は、開催競馬場での売上が5%、ウインズが26%。これを見ると、競馬場での収益なんかは本当微々たるものですね。
 一応、これ以外に入場料や店舗販売収入がありますし、競馬ファンの育成という目に見えづらい効果もあるでしょうけど。

 なお、タイトルになっていた「ネット投票の利点は反省できること」というのは、<Club JRA-Netに登録すれば(無料)、最近の投票内容はもちろん、過去2年の的中数や的中率、さらに回収率といった投票成績を開催ごと、競馬場別で見られる>という話。
 ただ、活用しているユーザーは少ないんじゃないかと。私はもともとネット投票を始める前からエクセルで収支をつけていましたけど、 管理していない人の方が多いと予想します。


■2020/06/30 過去には「電話で口頭」「コンビニ端末」での販売も

 記事では、それより過去の投票法の話がおもしろかったですね。

<電話投票の加入者公募が始まったのは昭和51(1976)年。コード入力による投票もあったが、プッシュホン自体の普及率が低く、多くはオペレーターに買い目を口頭で伝えるものだった>
<平成3年には、パソコンや専用端末から電話回線経由で投票するPAT方式がスタート>
<一時は専用端末やゲーム機、あるいはコンビニエンスストアに設置された共同端末などを利用する方式も登場した>
<携帯電話にも対応するようになり、平成20(2008)年、ついに電話・ネットによる売上が過半数を超える>


2024年7月8日月曜日

岩田望来騎手がすごい予想外の理由 でも斎藤新騎手の方がさらにすごい?

■2019/03/13  岩田望来騎手がすごい予想外の理由
■2019/03/13 でも斎藤新騎手の方がさらにすごい?
■2019/12/01 現時点での新人騎手勝利数ランキングの1位は?
■2020/05/04 注目の2人斎藤新と岩田望来、2年目で明暗が分かれる


■2019/03/13  岩田望来騎手がすごい予想外の理由

 最近は結果至上主義となり、昔ほど若手騎手を育てる習慣がなくなった昨今は、いわゆる「2世騎手」でも苦戦しているといった話の後に、「だが彼は違う」と名前を挙げられていたのが、岩田康誠騎手の次男となる 岩田望来(みらい)騎手です。
 この記事JRA岩田康誠「息子」は超大型新人!? 武豊以来の「新人王当確」路線......最強厩舎&最強エージェント付きの"VIP待遇"に呆然 (GJ)は、2018.03.21のものであり、デビューの1年前。なので、正確にはまだ騎手ではありません。この時点ですでに活躍できると断定するのも不思議な話。
 で、能力がそれほど高いのか?と言うと、実はそこがすごい理由じゃありませんでした。昨今何かと話題になるエージェントが理由なのです。

 記事によると、すでに"デビュー時から、いきなり父・康誠騎手や福永騎手を担当している小原靖博氏がエージェントに就く計画がある"とのことでした。
 「新人騎手の環境という面では極めて異例ですし、『歴代最高』と述べても差し支えないかもしれません。さすがに話を聞いた時は呆然としました」と競馬記者が言っていました。今はエージェントの影響が強いので、納得の理由です。
 でも、親の七光りみたいな理由なので、叩かれちゃうかも。逆にかわいそうかもしれません。


■2019/03/13 でも斎藤新騎手の方がさらにすごい?

 上記の記事では、"場合によっては武豊騎手が記録し、三浦皇成騎手が塗り替えた新人最多勝記録を更新する可能性もなくはないはずだ"という気の早い話をしていました。
 ところが、1年経ってみると、上記とは同じ同じGJで、JRA新人騎手「空前のハイレベル」!? 岩田康誠息子よりも期待大な有望株とは(GJ)という記事が登場。いい加減すぎて、怒りよりも笑いがこみあげてきました。

 競馬学校を卒業したのは、岩田望来騎手(栗東)の他、大塚海渡騎手(美浦)、亀田温心騎手(栗東)、小林凌大騎手(美浦)、斎藤新騎手(栗東)、菅原明良騎手(美浦)、団野大成騎手(栗東)。
 また、今年は、外国で実績を残している藤井勘一郎騎手というおもしろい存在がいます。この説明を聞いただけで、ワクワクしてきます。
 しかし、注目されていたのは、藤井騎手ではなく、美浦の斎藤誠調教師の長男で、過去に池添謙一騎手、三浦皇成騎手も受賞したアイルランド大使特別賞した斎藤新騎手。
 彼は珍しく父と違う所属。栗東です。「父の誠調教師と相談した結果、『お父さんと離れた方が、僕も父も甘えない』と考えたためだそう。若いのに、あえて厳しい環境に身を置くことを決めたプロ意識の高さは目を見張るものがありますよ」と競馬ライターは評価していました。

 また某若手騎手が『今年の新人はレベルが高い』と話すなど、他の騎手も注目だとのこと。ただ、 名前が挙がっていたのは、岩田望来騎手だけでした。

 私の現在の騎手メモを見ると、高評価は藤井勘一郎騎手と菅原明良騎手。藤井騎手は見ていて、おっ!と思うところあって名前をすぐ覚えたので、さっきの経歴を聞いて興味を持ちました。注目の斎藤新騎手はメモでは平均点。一方、低評価だったのは、なんと岩田望来騎手でした。
 ただ、まだ1レースか2レースしか点数をつけておらず、 いくらでも変わるところ。20~30レース見ないと、私の好みの騎手かどうかはわかりません。
 ちなみに私の好みの騎手は総じてリーディング下位。なので、逆に私に気に入られない方が良いかもしれません。ただ、最近だと気に入った武藤騎手がその後ブレイク。たまには当たります。



■2019/12/01 現時点での新人騎手勝利数ランキングの1位は?

 新人騎手ランキングみたいなのあるだろうと検索したのですけど、見つからず。仕方ないので地道に見ていきます。間違いあったらごめんなさい。

<新人騎手勝利数ランキング>
27     斎藤新    38勝
32     岩田望来 32勝
 36     菅原明良 27勝
71     亀田温心 11勝
 113     大塚海渡 3勝
146 小林凌大 0勝
146 団野 大成 0勝 (2020/05/04追記:見逃しミス。実際には20勝くらい?)
(65     藤井勘一郎   13 勝)

 前評判の高かったふたりが普通に1位、2位というおもしろくない結果に。2人とも30勝を達成しており、JRA賞最多勝利新人騎手の資格がありますね。
 あと、JRA賞最多勝利新人騎手を見直していたら、武藤騎手は1年目は24勝で該当者なしの年でした。良くなった2年目は37勝、今年はここまで35勝であり、今年の新人はハイレベルな感じです。

 私の感想メモを見ると、厳密には新人ではない 藤井勘一郎騎手が当初のイメージのままトップ。21レース見て5点満点中3.19で全体で17位になっています。ただ、新人騎手らに勝ち星で負けていますし、世間の評価は高くない模様です。
 ちゃんとした新人騎手で一番良い評価なのは、23レース見て3.17、全体では22位の菅原明良騎手。全然記憶にないんですけど、良い点数つけていたみたい。彼はデビュー前に大きく騒がれてなかったものの、27勝で3位につけており、前評判以上の健闘でしょう。なんかむしろすごいんじゃないかと思っちゃいます。
 一方、前評判も勝利数も良い二人ですが、斎藤騎手は私の評価だと2.95で真ん中くらいの点数。5点満点なので3が平均ですが、実際につけた点数を平均してみると、2.95くらいで真ん中です。岩田望来騎手もちょうど同じ点数でした。相変わらず、私は世間の評価と違いますね。これで2年目以降私の評価と同じ活躍具合になると、すごくね?となるのですけど、今までのパターンからするとそうでもないと思います。
 ああ、そういえば、 最近では藤田菜七子騎手も気に入った新人。彼女の場合はいろいろと特別と言われてしまいそうですが、41勝を上げており、客観的な数字で見ると大成功ですね。最近見る目が肥えてきたのでは?と、ちょっと期待しちゃいます。


■2020/05/04 注目の2人斎藤新と岩田望来、2年目で明暗が分かれる

 前回の後、評価の良かった2騎手の明暗が別れた感じ。斎藤騎手の評価が下がった一方、岩田望来騎手はますます高い評価を得ている雰囲気。現在の騎手リーディングでは、岩田望来騎手はなんと8位であり、結果もすごいですね。
 2019年の12月に追記した直後に気づいたのですけど、この世代では 団野騎手の騎乗が気に入っていることに気づき、書くタイミングを間違えたな…と。気づいていれば、団野騎手押しってかけたのに…と思いました。
 ただ、前回の追記を見直すと、団野騎手はその時点でなんと0勝。相変わらず世間の評価と違う感じですね…と思っていたら、2020年は13位。世代では岩田騎手に次ぐ順位です。さすがにおかしいな…と見直すと、前回のが間違いだったっぽいですね。上位に名前がなくて0勝だと思ったものの、見逃しただけみたいです。2019年も26勝で42位で、十分乗れていましたわ。
 今年の順位は、また見逃しミスあるかもしれませんが、2人の後は23位斎藤騎手、30位亀田騎手、40位藤井騎手といった感じですかね。
 私の現在の点数評価上位は、菅原騎手が17位でトップ、藤井騎手が22位、亀田騎手が24位となっていました。亀田騎手印象ないものの、良かったようです。というか、勝ち星で菅原騎手は苦戦、4勝で67位となっています。
 イメージは良かったものの、点数評価だと団野騎手は 27位止まり。岩田望来騎手は半分より上ですが57位。斎藤騎手は真ん中くらいの78位となっています。この世代の評価全般に良い感じですね。まあ、私が若手の積極騎乗好きで、リーディング上位が好きじゃないことが多いってのもあるんでしょうけど…。年を取れば取るほど好きじゃなくなる傾向があります。


2024年7月7日日曜日

最近でも単走がある!1頭だけが出走した理由は?

■2020/01/18 あまりに強すぎて皆回避、単走が8度もあったエクリプス
■2020/01/18 最近でも単走がある!1頭だけが出走した理由は?
■2023/03/10 G1なのにみんな回避で30年ぶり単走!強すぎたスペクタキュラービッド 


■2020/01/18 あまりに強すぎて皆回避、単走が8度もあったエクリプス

  1764年生まれというえらい前の話ですが、エクリプスという歴史的名馬がいました。まだサラブレッドが確立される前ですから相当前ですね。そのもととなったアラブ種の最も重要な競走馬です。
 エクリプスは18戦18勝。当時のレースは今とは全く違っており、同じ馬で長距離レースを何度も戦って勝負を決するというヒートレースが多く7勝しています。ただ、それより多いのが、単走の8勝でした。

 なぜ単走が多いのか、勝てたのは相手が怪我で棄権して運が良かったわけじゃないか?と言うと、そうではありません。あまりに強すぎたためです。
 エクリプスの強さが明らかになるにつれ賭けレースを挑もうという人は少なくなります。当時のやり方だとこれではレースができません。馬主が貴族でもジョッキークラブに所属しているわけでもないエクリプスにとって出走する競走がないという問題が出てきたとWikipediaにはあったので、馬主が異なれば状況はまた少し違ったみたいですが、とにかくエクリプスの場合はダメでした。
 そこで、その後も出走可能な競走に出走したものの、登録するとすぐに皆が回避してしまうために、8度の単走を行うことになったといいます。


■2020/01/18 最近でも単走がある!1頭だけが出走した理由は?

 これは飽くまで18世紀の話。ただ、最近でも上記と同じイギリスで単走レースがあったと聞いて驚きました。
 このレースの場合は強い馬ではありません。また、出走取消が相次いたのではなく、元から1頭しか出走馬がいなかったとのこと。しかも、重賞レースだと言うので驚き。そんなことがあるんですね。オールウェザーの重賞・ウィンターダービーが行われた、2019年02月23日のリングフィールド競馬場6Rの3歳クラス5戦(AW1600m)だとのことでした。
 
   凱旋門賞の前哨戦のフォワ賞が数頭で調教みたいなレースになる…ということもありましたが、このレースの場合はそもそもちゃんと走らなかった模様。ゲートもなしで残り1ハロン地点からスタートして、ゴールさせたそうな。もうやらんでいいじゃん、それ!というレベルです。
 
 あと、勝った(のか?)Greybychoiceは「強い馬ではありません」どころではなく激弱。このときは、前年6月ニューマーケットのデビュー戦が9頭立て9着、7月ヤーマスの2戦目が6頭立て5着以来で、成績が悪いだけでなく、約7か月半ぶりの出走という好走が難しそうな条件でのレースでした。これで1着取れたんだから最高ですね。ちなみに優勝賞金2911ポンド(約42万円)だったそうです。(イギリスで単走レース - 競馬ニュース | netkeiba.comより)
 
  馬名の「Greybychoice」は「Grey  by choice」をつなげたものでしょうか。レース選択が良かったので、「良いチョイスでしたね」といった感じです。
   仮に「Grey  by choice」ならこの馬名はどういう意味かも検討してみることに…。 「by choice」は「選んで、好き好んで、自分で決めて」などといった意味。その前の「Grey」は灰色のグレイのイギリス英語。ただ、名詞だと意味が変だと思うので、動詞じゃないかと予想。動詞のグレイなら「灰色になる」「白髪になる」「歳を取る」といった意味があるようです。
  ということで、「老けたねって言うな。好きで老けているんだよ」といったニュアンスでしょうか。だとすれば、変わった名前です。それとも、次第に白い毛が増えていく芦毛の馬なんでしょうか。
 
 ところで、弱い馬なのでこれを勝ったら次はもう相手にならない気がします。即引退かと思って、リンクあった海外サイト見ていたら、その後も走っていました。もともと海外の競馬は日本より儲からないものなので趣味なんでしょうね。
   とはいえ、結構頑張ってるときもありそうな感じ。海外サイトはすごくわかりづらいんですけど、13頭中5着や、8頭中4着っぽい数字が見られます。大赤字でしょうが、頑張っていました。 


■2023/03/10 G1なのにみんな回避で30年ぶり単走!強すぎたスペクタキュラービッド

 別の単走レースの話を。上記まではイギリスの話でしたが、今回はアメリカの話。スペクタキュラービッド (Spectacular Bid) という馬で、この馬の場合、G1を13も勝って種牡馬入りしており、歴とした名馬というタイプです。日本の馬でもたまに血統表で目にしたような種牡馬ですね。
 Wikipediaによると、当初は苦戦するものの、すぐに一変して圧勝し、2歳の時点で才能開花。文句なしの最優秀2歳牡馬となっています。

<2歳となった1978年の6月にデビューし、当初こそ2敗を喫したものの、ワールズプレイグラウンドステークスで15馬身差の圧勝劇を演じたのを皮切りに連勝街道に乗る。シャンペンステークスを2馬身4分の3差、ローレルフューチュリティを8馬身2分の1差で勝利し、断然の評価でこの年の最優秀2歳牡馬に選ばれた>

 快進撃が2歳の時点で終わる…という馬もいますが、前述の通り、スペクタキュラービッド はG1を13も勝って種牡馬入りしたような名馬。アメリカで最も重視される3歳でも大活躍しています。

<3歳時はハッチソンステークスから始動しキャンターのまま4馬身差で楽勝。12日後のファンテンオブユースステークスを8馬身差、更に連闘で臨んだフロリダダービーでは後方から捲り4馬身2分の1差、フラミンゴステークスではバックストレッチから一頭だけスパートを開始し、ゴール時には12馬身差と快進撃は止まるところを知らず、すでにケンタッキーダービーが9日後に迫っているなか、ブルーグラスステークスへと出走し、7馬身差で勝利する。
 本番のケンタッキーダービーは、後方から捲り気味に進出し、ジェネラルアセンブリーを下して勝利。わずか5頭立ての少頭数となったプリークネスステークスは、4番手からバックストレッチで進出を開始し5馬身2分の1差をつけ、コースレコードに0秒2差の好タイムで優勝する。2歳時の敗戦からここまで12連勝で、圧倒的な強さに当時「2000mまでならセクレタリアトよりも上」との評価が出るほどであった。ところが、三冠のかかったベルモントステークスでは当日に安全ピンが蹄に刺さるというアクシデントがあり、コースタル、ゴールデンアクトの後塵を拝する3着に敗れてしまう>

 三冠を逃したのは、アクシデントであり、疲労ではなさげ。ただ、ケンタッキーダービー前の「ブルーグラスステークス」は余計でしたね。日本の三冠と全く違い、アメリカの三冠はただでさえ短期集中方式。使いすぎと言いたくなるような使い方はどうかと思います。
 アクシデントで三冠を逃したため、実質三冠クラスと言えそうなスペクタキュラービッドは、秋になって本当の三冠馬アファームドと対決。しかし、アファームドには敗れたそうです。

<秋にはジョッキークラブゴールドカップで、1歳年上の三冠馬アファームドと対峙した。僅か4頭立てながら、アファームド、スペクタキュラービッド、コースタルと役者が揃っていた。レースでは、逃げるアファームドにスペクタキュラービッドが何度も競りかけるが、アファームドはその度に距離をとる。直線では内からコースタル、外からスペクタキュラービッドが襲い掛かるが、アファームドは更に伸び、ねじ伏せるような形で勝利した。スペクタキュラービッドは4分の3馬身遅れての2着だった。この敗戦により、最優秀3歳牡馬には選出されたが、年度代表馬はアファームドのものとなった>

 とはいえ、スペクタキュラービッド が相当強い馬であったことは間違いなく、古馬になっても強さは衰えませんでした。古馬では連勝を続け、なんと全勝のまま引退しています。そして、その強さゆえに、このページのテーマである「単走」という珍事が発生。30年以上なかったといいますから、当時としてもものすごく珍しい出来事だったようです。G1レースだったにも関わらず、みんな回避してしまったという異常事態でした。出れば入着確実だったんですし、もったいない気がしますけどね。

<古馬となったスペクタキュラービッドは、年初めのマリブステークスを馬なりで5馬身差の圧勝を遂げると、チャールズH. ストラブステークスで1:57.8という史上空前の世界レコードで勝利する。この後も圧勝で連勝を続け、アモリーL. ハスケルハンデキャップで名牝グローリアスソングを破ると、引退レースとなったウッドワードステークスはあまりの強さに他陣営が恐れをなし、1948年以来の単走のレースとなった。アファームドに敗れてから引退まで9連勝。生涯獲得賞金は278万1608ドルで、アファームドを抜いて当時の新記録だった。>

 「日本の馬でもたまに血統表で目にしたような種牡馬」と書いたのですが、「最高」であった競走成績から見ると、種牡馬成績は「失敗」と言って良いものだったようです。

<引退したスペクタキュラービッドは、当時のレコードとなる総額2200万ドルでシンジケートが結成され、クレイボーンファームで種牡馬入りした。初年度となる1981年の種付け料は15万ドル。だが、種牡馬成績はG1勝ち馬が1頭と、多大な期待には遠く及ばず、繁殖牝馬の質と種付け料は低下の一途をたどった。1991年にニューヨーク州のミルファーファームに移動。(中略)
 通算の種牡馬成績は、勝ち上がり頭数253頭のうちステークス勝ち馬が47頭、獲得賞金は1900万ドル以上。母の父としては、スペクタキュラービッドが死んだ時点で69頭のステークス勝ち馬を出していて、そのなかには2001年カルティエ賞最優秀スプリンターのMozartなど8頭のG1勝ち馬が含まれている>