2024年8月31日土曜日

ラフィアンはなぜ二流騎手と二流厩舎しか使わないのか?

■2019/03/16 ラフィアンはなぜ二流騎手と二流厩舎しか使わないのか?
■2020/07/20 ウインの期待馬を正直に酷評していた松岡正海騎手がむしろ主戦に
■2020/10/08 意見が分かれる口うるさい調教師とむしろ関係が深く…


■2019/03/16 ラフィアンはなぜ二流騎手と二流厩舎しか使わないのか?

 ラフィアンなどのビッグレッドファームグループは嫌っている人も多く、競馬関係者は皆ラフィアンを嫌っているとした上で、以前以下のような主張をしている人を見かけました。

・ラフィアンの人は、調教師も騎手もバカにしていて、ただ自分たちの言う通り動けば良いと思っている。
・すべての決定権はラフィアンが握っている。決定に従わなかった場合は、転厩も辞さない。
・なので、一流の調教師は馬を預からず、忠実な下僕となる二流以下の調教師だけ。騎手も二流以下しか乗らない。

 ただ、この主張と矛盾しそうな話はいくらでもありそうですよね。例えば、意外なことにラフィアンの主戦である柴田大知騎手は、ラフィアンから細かい騎乗の指示は受けずかなり任されている、といった話をしていました。
 また、稲葉隆一元調教師は、「調教師って、本当の友達はいない人が多いと思うよ」とした上で、数少ない友達の一人として岡田繁幸さんの名前を挙げ、以下のような話をしていました。

「オレも正直に言うから、岡田繁幸とはよくケンカもした。それでも、岡田と二人で、夕方に薄暗くなる頃に馬を見に行ったりもしたし、冬は雪の中で馬を見たり、色んな思い出もあるよ」(Enjoy Ruffian 2012年5月号より)



■2020/07/20 ウインの期待馬を正直に酷評していた松岡正海騎手がむしろ主戦に

 ビッグレッドグループは黙って言うことを聞く騎手を重宝しているわけではないのでは?というエピソードがまたあったので追記。 Our Pleasure2019年3月号の巻頭のごあいさつで、ウインの岡田義広さんが、ウインの主戦騎手とも言える松岡正海騎手について、書いていました。
  まず、松岡騎手のプロ意識の高さについて説明。松岡騎手は怪我からの復帰が早いものの、その理由について「復帰を早くする一番の理由は、今まで積み上げてきた感覚を鈍らせたくないから」「筋力(の強化)も、馬に乗らないとトレーニングでは限界があるから」と説明していました。その上で、以下のような話をしていたのです。

<本人と競馬の話をすると凄く真剣で、実はよく考えているのがわかります。馬に乗った評価も正直過ぎて、昔はカチンとくるときがありました(期待馬に乗ってもらったら「ダメです。追っても全然スッカスカです。スッカスカ」と言われたことがありました)が、ビジネスパートナーとしても信用できる人間ですし、このようにプロ意識が高く、心の強い人間と組んで仕事をしたいと私は思います>

■2020/10/08 意見が分かれる口うるさい調教師とむしろ関係が深く…

 今度は調教師の方で、黙って言うことを聞く人を使っているわけではない…という話を発見。前回と同じで、ウインの方の例です。マイネルのラフィアンの長男の方が癖が強いですから、ラフィアンでの例もほしいところなんですけどね。

 さて、今回の話ですが、 Our Pleasure 2019年5月号 トレセン・ダイアログに載っていた加用正調教師のコメント。加用正調教師はラフィアンの馬も預かっていましたが、今はウインとの関係が強く。重賞馬を何頭か出すなど、関係の深い厩舎になっていますが、黙って言うことを聞くタイプではなかったようです。

「(引用者注:目標を聞かれて)やはり中央の大きいレースに使う馬をウインさんの所属馬から輩出したいですね。どちらかと言えば私は口うるさい調教師で、お付き合いをした当初は時々意見が分かれることもありましたが、今ではお互いが理解し合えるようになり、結果を出そうと同じ方向を向くことができるようになったと思いますね」

2024年8月30日金曜日

競馬の予後不良は安楽死とイコールではなく死なせない場合も

■2023/05/19 競馬の予後不良は安楽死とイコールではなく死なせない場合も


■2023/05/19 競馬の予後不良は安楽死とイコールではなく死なせない場合も

 JRAに聞いたら競馬の予後不良は安楽死とイコールではなく死なせない場合もある…といったツイートを見てびっくり。気になって検索してみると、他でも「予後不良であっても安楽死処置がとられないこともあります」といった記述が見られます。
 できればオフィシャルなものなど、ここらへんもっと信頼性の高い記述があれば今後紹介しますが、とりあえず、私は競馬の予後不良=安楽死といった理解でした。ウィキペディアでも大体そんな記述になっています。

<競馬における予後不良(よごふりょう)とは、主に競走馬が競走中や調教中などに何らかの原因で主に脚部等に故障を発生させた際など回復が極めて困難で、薬物を用いた安楽死の処置が適当であると獣医師が診断した状態を言う。
 転じて、競走馬への安楽死処置そのものに対する婉曲的表現として用いられる場合も多い>
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%88%E5%BE%8C%E4%B8%8D%E8%89%AF_(%E7%AB%B6%E9%A6%AC)

 安楽死措置がとられることが多いのは、治療が複数の意味で難しいためとの説明。莫大な費用が必要というのもありますが、そもそも生存率が低いのです。

<競走馬の多くを占めるサラブレッドの脚部は骨折、ヒビなどの故障が発生しやすく、「ガラスの脚」と形容されるほどである。品種によって馬の体重は異なるが、軽種馬であるサラブレッドの場合でも 400 - 600キログラム程度となり、静止して立っている状態でも足1本あたり100キログラム以上の負荷が掛かることになる。
 下肢部に骨折やヒビなどの故障が発生した馬は、その自重を他の健全肢で支えなければならないため、過大な負荷から健全肢にも負重性蹄葉炎(ていよう えん)や蹄叉腐爛(ていしゃふらん、ていさ ふらん)といった病気を発症する。そのため、病状が悪化すると自力で立つことが不可能となり、最終的には死へ到る。
 治療法としては、下肢部の負荷を和らげるため、胴体をベルトで吊り上げたり、水中による浮力を利用するためプール等を用いる方法がある。しかし、必要な治療費や治療期間中の飼育費など金銭面での負担が莫大になり、また、上述した負重性蹄葉炎などの問題から生存率が高くないなどリスクも大きい。このため大多数の競走馬は予後不良と診断された直後に安楽死の処置が取られ処分される>

 生存率が低いため、治療を行うと苦しむばかりで余計辛い…ということも。テンポイントが代表例ですね。
 一方、重度の故障から回復した馬もおり、ウィキペディアでは、ビンゴガルー、ヤマニングローバル、サクラローレル、ミルリーフ、ヌレイエフなどの例を上げていました。

 あと、予後不良=安楽死だと思っていましたが、純粋に字を見ると「予後」が「不良」であり、本来は全然死ぬという意味ではありませんね。「予後」は人間でよく使われる言葉で、実際、人間での「予後不良」は100%死ぬって意味では使われていませんでした。

<人間の予後不良(よごふりょう)とは、治療後の経過あるいはその見通し(予後)が良くないこと。>
<似た意味の「余命」とは、患者が後どの程度生きられるか医師が予測した期間。
 余命は不確かなことが多いですが、医療のことや今後の過ごし方など万が一の場合に備えていま家族が考えるべきことがあります>
(余命とはより)
https://world003.com/saimu/funeral/yomei-toha.html


2024年8月29日木曜日

多度大社「上げ馬神事」は動物虐待?デマの一方で事実も

■2023/05/17 多度大社「上げ馬神事」は動物虐待?デマの一方で事実も


■2023/05/17 多度大社「上げ馬神事」は動物虐待?デマの一方で事実も

 若者が馬に乗り急な坂道を一気に駆け上がる、三重県桑名市の多度大社の伝統行事「上げ馬神事」。しかし、SNS上では「動物虐待ではないか」といった意見が多数書き込まれ、神事の様子を紹介した市のツイートなどが“炎上”状態になったそうです。
 ツイッターではこれに関連して「デマ」も拡散。一方で、「上げ馬神事」に不利な「事実」もあるみたいですね。

 とりあえず、多度大社「上げ馬神事」に好意的で、炎上火消し的な記事である<“動物虐待”と炎上「上げ馬神事」ネット情報の真偽は?>(- まるっと!みえ - NHK(津放送局 周防則志))から紹介。
 まず「上げ馬神事」については、<「上げ馬神事」は680年以上前の南北朝時代から行われているとされる伝統の神事。若者が馬に乗って急な坂を駆け上がり、頂上にある壁を乗り越えた回数で農作物の作柄などを占います。>と説明されています。その後、デマと事実についてそれぞれ判定していました。
https://www.nhk.jp/p/ts/2W7WM664QP/blog/bl/p49ydrXMn4/bp/pyv7m7r6dK/

【事実】「参加した馬が安楽死」
<神社などによると、5月4日の神事に参加した馬のうち1頭が、駆け上がる壁の手前、坂道を走っている途中でつまづき、足を骨折。会場に待機していた獣医師が状態を確認し、安楽死させる判断になったといいます>

【デマ】「見せ場を作るために近年、坂を登らせるようになった」
「神社に伝わる、寛政6年、江戸時代後期の「大祭御神事規式簿」という文書の中で、すでに『坂をのぼって馬が駆け上がる』という形で神事が行われていたことが確認できます」
<南北朝時代から続くとされる「上げ馬神事」ですが、資料の焼失などで一時、中断した時期がありました。それを、初代の桑名藩主となった徳川家康の重臣、本多忠勝が復興させたという記述もこの文書で確認できます。
 南北朝時代や忠勝の時代がどのような形だったかは別にして、少なくとも江戸時代後半には今の形になっていたとは言えそうです>

【不正確】「引退馬を安く買い取り使用」
<多度大社によると、馬は引退馬の場合もあれば、地域の人が趣味で飼っている馬を提供してもらう場合もあるということですが、いずれも買うのではなく、馬主から借りるという形で神事に参加しているとのこと。>


 NHKでは取り上げられていませんでしたが、「馬を死に至らしめることを目的とした神事」という批判もあったようです。ただ、これもデマに近い感じ。死亡する馬はそれほど多くなく、NHKによれば、今回の<18頭の馬のうち、安楽死させた1頭を除いた17頭には大きなけがはなく、神事の翌日の6日に馬主に返され>ています。
 また、「馬を死に至らしめることを目的とした神事」という話があったのは、炎上した三重・桑名市の米販売店に関する以下の記事であり、こちらでも「この20年一度も店主の参画する団体では祭馬の予後不良は発生しておらず」としていました。

・「上げ馬神事」投稿で批判殺到の米販売店が謝罪 出走の馬が予後不良で安楽死「重く受け止め」(5/13(土) 13:43配信 スポニチアネックス)
「上げ馬神事には毎年18頭の祭馬が上げ馬に挑みますが、その中の1頭の共同馬主として弊社店主が参画しております。神事が祭馬に与える危険性は認知をしながらも、この20年一度も店主の参画する団体では祭馬の予後不良は発生しておらず、危険性の認識が大きく一般の認識と齟齬をきたしておりました事を今回のテイクワン号の事故により痛感し、反省をしております」
「一部ご質問があるような、馬を死に至らしめることを目的とした神事ではなく、また馬主もそのような事を当然という意識は全くございません」
https://news.yahoo.co.jp/articles/6a7008ff316704ede62e9255fa259d3e7439bac4


 ここから再びNHK記事に戻ります。NHK記事によると、そもそも以前から動物虐待という声はありましたし、過去には明らかな暴力行為もあったそうです。

<そもそも「坂を登らせ、壁を越えさせること自体が動物虐待だ」という指摘も多く見られました。
実は、「上げ馬神事」に対して“動物虐待”を指摘する声は以前から上がっていました。
三重県は、坂を上らせること自体が虐待かどうかは別にして、神事の中で過去に実際に馬をたたいたり蹴ったりしたことがあったため、馬の取り扱いについて暴力行為をしないよう指摘してきた経緯があると話します>

 NHK記事は、最後の方で「伝統的な行事だからといって、動物虐待は決して許されません」としていました。しかし、実を言うと、NHK記事が「上げ馬神事」擁護じゃないか?と感じてしまったところのひとつが上記の部分だったんですよ。私はこの書き方だと暴力行為はだいぶ昔の話だと思ったのですが、なんとこれは2009年という比較的最近の話。2009年は平成21年ですから、昭和どころか平成です。
 ウィキペディアによると、以下のように馬に対して殴る蹴るの暴行を加えており、内容的にも極めて悪質。かなり暴力的な「伝統」があったのかもしれません。

<2009年に行われた上げ馬神事において、神事を運営する地元の団体が、本番前に馬を興奮させる目的で、馬の腹部などを蹴ったり殴打したりしていたことが、津市内の動物愛護団体からの告発によって明らかになり、三重県警が動物愛護法違反の容疑で、団体に所属する桑名市内の住民ら5名を書類送検した。上げ馬神事は、動物虐待に当たるとの指摘が以前から多数出ており、三重県教育委員会から馬の扱いの改善と安全性の確保に努めるよう、多度大社に勧告を行った>
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%9A%E5%BA%A6%E5%A4%A7%E7%A4%BE

 上記の中の「本番前に馬を興奮させる目的」はポイントのひとつ。NHKは取り上げていなかったものの、「そもそも坂を登らせ、壁を越えさせることが馬の習性に反しており、動物虐待ではないか?」といった批判が出ていたんですよ。
 この点についてはNHK記事で検証されておらず、真偽は不明。ただ、わざわざ「本番前に馬を興奮させる目的」で暴行を行っていたと聞くと、「馬の習性に反する」という説に説得力を感じさせてしまっています。

 さらにもう一つ、NHKが取り上げていなかった重要な批判が、この関連でありました。「身体の構造が日本の在来馬と異なるサラブレッドには、日本の在来馬以上に無理がある危険な行為ではないか?」という批判です。
 これも結局真偽不明であり、批判が正しいとは言えないのですけど、NHKが重要な批判を取り上げなかったためにすっきりしない感じに…。反論しやすいところだけ取り上げて擁護し、重要な批判から話題そらしを行った事実上の多度大社「上げ馬神事」擁護記事みたいになってしまいましたね。


 最初以上で終わっていましたが、もう一つ記事を見繕っていたのを忘れていました。<三重の「上げ馬神事」は動物虐待? 維新議員が国会で指摘>(カナロコ  神奈川新聞 | 2023年5月16日)という記事です。
 右派の議員の方が「日本の伝統を守るべき!」と言いそうなものなのですので、右派である日本維新の会の議員がこの「伝統」行事に批判的なのは意外。右派の人は動物愛護が嫌いな人が多いイメージもあり、その点でも意外です。
 ただし、自民党の野村哲郎農水相はこの質問に「無回答」という誠意のない対応で済ましており、こちらは見事に右派のイメージ通りとなっています。

<三重県桑名市の多度大社の「上げ馬神事」について、「馬への虐待に当たる」との批判が高まり、国会でも取り上げられた。今月行われた神事では1頭が骨折したため安楽死となっており、日本維新の会の串田誠一氏(参院全国比例、神奈川県連所属)は16日の参院農林水産委員会で「事故が起きるのは誰が見ても分かる。国が指導してほしい」と求めた>
<壁を乗り越えられずに逆さまに転倒した馬や、足を骨折した馬の様子がSNSで拡散されて批判の声が上がっていることを踏まえ、串田氏は「完全に動物愛護法に反する行為」と指摘したが、野村哲郎農水相は「個別の伝統行事の内容をコメントすることは難しい」と述べるにとどめた>
https://www.kanaloco.jp/news/government/article-989808.html



2024年8月28日水曜日

馬名変更は走る? ダンスパートナーが成功例でラスカルスズカも?

■2013/7/18 馬名変更は走る? ダンスパートナーが成功例でアドマイヤも多い
■2017/01/08 本当に馬名変更は走るのか?その後の事例を検証してみた
■2017/01/08 ラスカルスズカも名前変更した…と思っていたが記憶違いか?


■2013/7/18 馬名変更は走る? ダンスパートナーが成功例でアドマイヤも多い

 <入厩中の馬について+ちょっとだけ制度の話(須田鷹雄)>(2013年07月16日(火)18時00分 netkeiba)で、馬名変更は走るのではないか?と匂わす話がありました。期待の現れという解釈です。例に出ていたダンスパートナーは、G1を勝っている名牝でした。ダンスインザダークやダンスインザムードの姉でもあります。
http://news.netkeiba.com/?pid=column_view&cid=23797

<今回、最初に触れなくてはならないのが母ジェダイトの馬名変更。気が付いたらアドマイヤペトロからアドマイヤメテオになっていた。アドマイヤの馬名変更といえばアドマイヤゲーム→アドマイヤテンバを思い出す。アドマイヤではないが、走った例としてはゴールキーパー→ダンスパートナーなんてのもあった(例が古いね……)。わざわざ変更するのは期待の表れ、として歓迎したい>

 掲示板見ていたら、<以前にもアドマイヤゲームで登録→アドマイヤテンバに改名という事もあったし、アドマイヤフォーで登録→アドマイヤオウジャに改名という事もあった>というコメントがありました。アドマイヤは例が多いようです。
http://db.netkeiba.com//?pid=horse_board&id=2011103905&thread=horse&page=2

 ただ、このコメントへの返信で「アドマイヤ+半濁音の馬って結構出世しているイメージ」とありました。名前を変えない方が良かったかもしれませんね。


■2017/01/08 本当に馬名変更は走るのか?その後の事例を検証してみた

  その後、アドマイヤメテオが成功したか?と言うと、ダメっぽいですね。まだ現役ですが、少なくともPOG期間は全然でした。

アドマイヤメテオ
中央獲得賞金     2,613.1万円
通算成績     15戦1勝 [1-2-4-8]
主な勝鞍     14'3歳新馬

 ダンスパートナーはもちろん名馬でした。

ダンスパートナー
中央獲得賞金     60,378.1万円
通算成績     25戦4勝 [4-9-3-9]
主な勝鞍     96'エリザベス女王杯(G1)

 ただ、例に出ていたアドマイヤテンバがそもそも微妙だったんですよね。平均以上ではありますが、活躍したというのほどではありませんでした。

アドマイヤテンバ
中央獲得賞金     5,841.3万円
通算成績     22戦4勝 [4-3-1-14]
主な勝鞍     11'4歳上1000万下

 もう一つ例に出ていたアドマイヤオウジャも同程度の獲得賞金でしたし、あまり関係ないのかもしれません。


■2017/01/08 ラスカルスズカも名前変更した…と思っていたが記憶違いか?

 なお、馬名変更の成功例としては、私はラスカルスズカが思い浮かびました。相手なりで重賞は勝てなかったものの、2億円稼いで種牡馬入りした馬です。

ラスカルスズカ
中央獲得賞金     24,190.4万円
地方獲得賞金     0.0万円
主な勝鞍     00'万葉S(OP)

 ところが、検索しても馬名変更したという話がありません。確かコ~スズカからの変更だった気がしたのですが…。また、この馬名変更は期待からではなく、祖母Rascal Rascalが亡くなってその名前を継いだという経緯だった記憶です。特殊ですね。
 うーん、しかし、検索で出てきませんし、馬名変更は私の記憶違いだと考えた方が良さそうです。


2024年8月27日火曜日

転厩で一変した競走馬モーリス、 堀宣行厩舎で才能開花

■2020/12/10 転厩で一変した競走馬モーリス、 堀宣行厩舎で才能開花
■2021/06/07 5歳(現4歳)までデビューが遅れたブロードアピールも転厩馬


■2020/12/10 転厩で一変した競走馬モーリス、 堀宣行厩舎で才能開花

  モーリスは新馬戦で勝って、2歳・3歳時も重賞戦線で戦っており、弱い馬ということはありませんでした。ただ、古馬になって本格化してからの強さは別格で、こんなに強かったのか?と私も驚きました。何しろ古馬になってからはすべてのレースで連対。そんな成績なのでG1を勝ちまくりました。G1を6勝もしています。

<2歳・3歳>
2013/10/6 2歳新馬 1着
2013/11/9 京王杯2歳S(G2) 6着
2013/12/23 万両賞(500万下) 1着
2014/1/12 日刊スポシンザン記念(G3) 5着
2014/3/23 フジTVスプリングS(G2) 4着
2014/5/10 京都新聞杯(G2) 7着
2014/5/31 白百合S(OP) 3着
<古馬>
2015/1/25 若潮賞(1000万下) 1着
2015/3/7 スピカS(1600万下) 1着
2015/4/5 ダービー卿チャレンジ(G3) 1着
2015/6/7 安田記念(G1) 1着
2015/11/22 マイルチャンピオンS(G1) 1着
2015/12/13 香港マイル(G1) 1着
2016/5/1 チャンピオンズマイル(G1) 1着
2016/6/5 安田記念(G1) 2着
2016/8/21 札幌記念(G2) 2着
2016/10/30 天皇賞(秋)(G1) 1着
2016/12/11 香港C(G1) 1着


 ただ、この差は、2歳・3歳と古馬という違いだけでなく、厩舎による違いとも見れるということ。2歳・3歳のそこそこレベルで、重賞だと掲示板止まりだった時代はすべて吉田直弘厩舎。 堀宣行厩舎に転厩してから、快進撃が始まりました。私は単に晩成型に近いタイプだったのかなと思うものの、ファンの間では調教師の差という見解が一般的になっているようでした。なお、このモーリスの運命を変えたかもしれない転厩の理由は、なんと謎。一切言及がないというので、これがまた邪推を呼んでいるようでした。

 あと、「吉田」とのお名前ですが、吉田直弘調教師は、特に社台系などの吉田一族と関係あるといった話は見つからず。 JRA競馬学校厩務員から栗東・梅内忍厩舎所属の厩務員になり、調教助手となった後、あの角居勝彦厩舎所属時代に調教師免許を取得しています。こういう経歴を見ると、良い調教師っぽい感じがありますね。代表管理馬はG1を含めて地方重賞を勝ちまくったスーニがいます。


■2021/06/07 5歳(現4歳)までデビューが遅れたブロードアピールも転厩馬

 今は、 ワグネリアンの祖母と言った方がいいんですかね。不利なダート短距離での追込で、鬼のような末脚で勝ちまくっていたブロードアピールも転厩した馬だったと聞いて、興味を示したのですが、モーリスとはかなり状況が異なりました。
 デビュー前の転厩であり、転厩して生まれ変わったように成功というわけではありません。また、そもそも転厩したという情報がほとんどなくて困りました。Wikipediaでも厩舎は、松田国英厩舎のみしか書かれていません。
 Wikipediaで以下のような説明があるように、ブロードアピールはデビューが異常に遅れた馬で、遅咲きの代表的な成功馬。なので、何らかのトラブルがあっての転厩っぽいと思ったのですが、詳しい話が見つかりませんでした。

<デビューが大きく遅れた同馬は5歳(現4歳)の秋になった1998年9月12日、4歳上500万下(札幌・芝1200メートル)のレースで初出走し、8番人気という低評価ながら3着と好走する。続いて連闘で4歳上500万下(札幌・ダート1000メートル)のレースに挑むと、評価を2番人気にまで上げ、2着とハナ差の接戦を制し初勝利を挙げる>

 この後一度負けた後、芝で4連勝し、重賞でも好走します。このせいで逆に「これらは後年ダート路線で活躍することとなる当馬の路線転向が遅れた要因の一つにもなっている」とWikipediaでは言及。転厩してダート適性を見いだされた…みたいなのだとわかりやすかったのですが、前述の通り、そうではありませんでした。
 ところで、数少ない転厩の記述ですが、引退馬が牧場で暮らすためのクラウドファンディング募集(現在は終了)において、そういった話が出ていました。

<ブロードアピールといえば、鬼脚と言われた、ダートでも最後方からの凄まじい直線一騎で印象に残っている方も大変多いと思います。
デビューはなかなかできず、松田國厩舎に転厩してきた際も未出走のまま。デビューは現4歳の秋と大変遅かったのですが、その後はご存じの活躍>
<こちらも引退馬牧場を作っているという話を知ってもらっていた関係から、当牧場で余生を過ごす事になりました>
(VersaillesResortFarmを辿るvol.2:ブロードアピールとの1年 #引退馬の余生を創る:馬と人とが共存共栄できる牧場が描く未来(VersaillesResortFarm 2020/04/13 投稿) - クラウドファンディング READYFOR (レディーフォー)より)


2024年8月26日月曜日

日本でも注目の種牡馬 ウォーフロント、ドバウィ、キトゥンズジョイ

■2015/11/12 日本でも注目の種牡馬 ウォーフロント、ドバウィ、キトゥンズジョイ 


■2015/11/12 日本でも注目の種牡馬 ウォーフロント、ドバウィ、キトゥンズジョイ 

 Our Pleasure 2014年4月号 Racing 360 秋山 響では、2013 年の北米及び英愛の種牡馬ランキングの話がありました。

-----引用 ここから-----
 まずは北米。リーディングサイアーに輝いたのはキトゥンズジョイ(父エルプラド)だった。
 (中略)意義深いのは芝向きの種牡馬がダートが主流の北米でトップに立ったということ。
 これはよほど芝で抜けた成績を残さなければできないこと(中略)
 総合ランキングでは2位のスパイツタウンとの差は7万ドルほどに過ぎなかったが、芝だけに絞れば2位のジャ
イアンツコーズウェイとの差は約450万ドル。ダブルスコアの圧勝だった。
-----引用 ここまで-----

 キトゥンズジョイはすごいです。ただ、父エルプラドはSadler's Wellsの子。Sadler's Wells系は日本でもテイエムオペラオーなどたまにすごいのを出していますが、全般としてはそれほどよくありません。
 調べてみると、日本ではまだ数頭で代表産駒はダッシングブレイズ。成績自体は悪くないですね。シンザン記念4着などして条件戦を走って再びオープン入り。苦労して勝ち上がったわけではなく、ほとんど掲示板ですし、重賞戦線でもいけるかもしれません。

-----引用 ここから-----
2013 年北米種牡馬トップ5
1位:キトゥンズジョイ(父エルプラド)
2位:スパイツタウン(父ゴーンウエスト)
3位:ジャイアンツコーズウェイ(父ストームキャット)
4位:マリブムーン(父エーピーインディ)
5位:ウォーフロント(父ダンジグ)
*米ブラッドホース誌による
-----引用 ここまで-----

 秋山さんが他に注目だとしていたのは、5位につけたウォーフロント(War Front、父ダンジグ)でした。日本に検索すると、輸入されたのはキャンディウォー1頭のみ。2戦しただけで引退しています。これじゃわからないですね。

-----引用 ここから-----
 自身は(中略)G1勝ちはなく、重賞勝ちもG2(中略)だけと現役時代は一流半という存在に過ぎなかったが、種牡馬としては超一流。
 (中略)芝ダートを問わない種牡馬としてその評価はうなぎ上り(中略)。
 産駒は豊富なスピードを最大の武器としており、日本のダービーでどうこうというタイプではないかもしれないが、マイル前後なら日本でも活躍馬が見込めるだろう。
-----引用 ここまで-----

 一方、英愛のランキングはガリレオ(父サドラーズウェルズ)がトップでしたが、前述の通り、サドラーズウェルズなので日本の産駒は調べるのすら省略。たぶんどうせダメでしょう。面倒くさいので、省エネしておきます。

-----引用 ここから-----
2013 年英愛種牡馬トップ5
1位:ガリレオ(父サドラーズウェルズ)
2位:ドバウィ(父ドバイミレニアム)
3位:オアシスドリーム(父グリーンデザート)
4位:テオフィロ(父ガリレオ)
5位:ダンシリ(父デインヒル)
-----引用 ここまで-----

 それより2位のドバウィ(Dubawi、父ドバイミレニアム)が注目とのこと。こちらはミスタープロスペクターの系統ですので、日本でもアリかもしれません。

-----引用 ここから-----
特筆すべきは比較的馬場が日本に近いと言われている香港でラッキーナインがG1香港スプリント(芝1200m)、アキードモフィードがG1香港カップ(芝2000m)を制しているということ。産駒が高い日本適性を持っている可能性はかなり大きい。実際、ラッキーナインは日本のG2セントウルSでも2着に好走しているし、ドバウィの祖父は日本の競馬にも高い適性を見せたシーキングザゴールドである。
-----引用 ここまで-----

 省エネしすぎてもあれなので、ドバウィは頑張って調べてみました。褒めてください。
 このドバウィ産駒も他と同じで、日本ではまだ数頭ですね。出世頭はフレデフォート。オープン入りしていますが、苦労して勝ち上がったタイプで、オープンでも歯が立たずに登録抹消しています。
 ということで、今のところはドバウィも目立っていませんでした。3頭の中では、キトゥンズジョイが最も可能性がありそうな感じです。


2024年8月25日日曜日

落ち芸が板についた熊沢重文騎手、出走する度に「落ちるな」と書かれる

■2012/11/11 熊沢重文騎手、謎の落馬で掲示板大荒れ テイエムハリアー騎乗で
■2013/1/5 落ち芸が板についた熊沢重文騎手、出走する度に「落ちるな」と書かれる
■2017/01/15 史上初の障害200勝とJRA通算1000勝を達成でJRA賞の特別賞


■2012/11/11 熊沢重文騎手、謎の落馬で掲示板大荒れ テイエムハリアー騎乗で

 2012年11月10日の京都ジャンプステークスで快調に(飛ばして?)逃げていたテイエムハリアーが、最終障害の一つ前の障害で落馬しました。思わず巻き戻して見直しましたが、特に変なジャンプではなく、着地もスムーズ。あれ?と思った落ち方です。
 普段からネット競馬の掲示板は見苦しく荒れることがありますが、今回はこのように不可解な落馬でしたので、案の定大騒ぎになっていました。

↓動画がありましたが、これはほのぼの。
<iframe width="560" height="315" src="http://www.youtube.com/embed/6eeWUoU0S3E" frameborder="0" allowfullscreen></iframe>

↓一方、すさんでいる掲示板。(不評が多く寄せられたのか、非表示のコメントもちらほらありました)

-----引用 ここから-----

[225] トラトライーグルスさん  
ナムラタイタンに続き、重賞で落馬ですね。

 [233] 17着同着さん  
どう見ても鞍上が勝手にバランス崩しただけに見えます。
もう歳で障害だと普通にも乗れないのかな。
平地もだけど。
無事は祈りますが、とっさに頭抱えて守ってたから
大丈夫にも見えましたがどうでしょうか。

 [237] スマイルニンジンAさん  
あぁ・・・。
あれ位で落馬されると萎える。(彼はプロですからね、厳しい意見になりますが。)

[245] アグネスデジタルVSマチカネランさん  
今日の落ち方みたら、やっぱタヌキはどんくさいわ。今日の感じで落ちるんならタイタンの時は絶対落ちるわ。
騎乗バランス悪すぎなんちがうん。

 [246] まちゃluckyさん  
老いには勝てんから引退されたい
乗られる馬が迷惑

 [249] まちゃluckyさん  
最後の障害で屋根がデットーリの真似して飛んじゃったんだよ。
有り得ねえよな(笑)

 [251] 論理の補強さん  
コラッw 熊沢
こいつ自分から落ちたぞ。
そもそも馬は躓いてないのに、自分からダイブして落ちやがった。
おい熊沢、一番人気なんだぞ!
間抜け野郎が!

 [264] アカヘルさん  
八百長くさい
落ち方が不自然すぎる。
http://db.netkeiba.com/horse/bbs/2006104521/
-----引用 ここまで-----

 デットーリの真似ってのは、通称デットーリジャンプという馬から飛び降りる芸(?)です。あと、「カラ馬でも1着でゴールしたのだから(乗っていれば1着)」とあったのは典型的な素人発言で、競馬では体重よりずっと軽いハンデ差が効いてくるというのを忘れています。馬がその気になれば、当然速いです。

 最初に書いた通り私も不思議だと思った落馬でしたが、技術的に突っ込んで想像していたものもありました。これは興味深かったです。

-----引用 ここから-----

 [234] 道産子さん  
馬の踏み切りが近すぎ、騎手がワンテンポ手前で飛ぶつもりだったので、バランスを崩したようです。
要は熊沢だけが先に飛んだと。
ああ・・・1-2-6持ってたのに・・・

 [238] ボンボンマンさん  
スタートから落馬するまでは飛越のフォームも完璧で、鞍上も捕まってるだけの
レースに終わると思って楽観していました。
正面からの映像なので分かり難いのですが、踏切りが近かったかな?と思います。
それ以外には馬が大きくバランスを崩した訳でもないので勿体無かったです・・・。
馬は全く問題ありませんが熊沢騎手も大丈夫だと思います。

 [240] マカフィーさん  
飛越の手前で完歩がおかしかったんじゃないかな。バランスは崩れてないけど騎手が飛び上がる感じになってる。
快調に飛ばしすぎたのが良くなかったのかもしれない。わからないけど。

 [243] ボンボンマンさん  
>>240
私も同意見ですね。
完歩が半歩とか微妙にタイミングが遅れたので、鞍上が手綱を引っ張って誘導したタイミングと馬がジャンプするタイミングが変に合ってしまい、コーナーも手伝って踏ん張りが利かない姿勢になってしまった様に見えました。
-----引用 ここまで-----

■2013/1/5 落ち芸が板についた熊沢重文騎手、出走する度に「落ちるな」と書かれる

 マーベラスカイザーの掲示板が笑っちゃうことになっていました。

-----引用 ここから-----
 [151] オーツボさんさん
障害入り後、今までで1番の出来→熊ちゃん談。それ信じて買います。絶対王者マジェスティバイオとまだ対戦したことないのが魅力ですね。
もう落ちないで熊ちゃん!

 [152] こんな名無しだし、どうでもいいよさん
熊沢落ちなきゃこいつが勝ちそうだ。
http://db.netkeiba.com/?pid=horse_board&id=2008100961
-----引用 ここまで-----

 他でもそうなんでしょうけど、義務のように決まり文句で「落ちる」「落ちる」言われます。この時点でネタにするつもりでいましたが、このマーベラスカイザーがOPで勝っちゃいました。しかも、3馬身差をつけての快勝でした。
 こうやってネタにしておいてなんですが、私は熊沢重文さん嫌いじゃありません。そして、馬鹿にした言い方している人に腹が立っていたので、この勝利は「ざまぁ、見ろ」と気持良かったです。
 ただ、落ち芸人としては、翌日ちゃんとオチをつけてくれたみたいです。

-----引用 ここから-----
 [202] ステアトゥヘヴンさん
熊沢さんは凄い。豊さんより凄いんじゃないかな?勝ち鞍は別として。
でも落馬し過ぎ。<b>今日も落ちたし・・・。</b>
-----引用 ここまで-----

日付    開催    レース名    単勝    人気    着順    馬名
2012/12/23    5阪神8    障害3歳上OP    9.9    5    中    シャイニーブラック

 危ないので落ちない方が良いのですが、きれいにオチがついていたので、笑っちゃいました。


■2017/01/15 史上初の障害200勝とJRA通算1000勝を達成でJRA賞の特別賞

 落馬続きだった頃は、熊沢重文騎手もそろそろ引退かもと思っていたのですが、それどころじゃありません。特別賞までもらっちゃいました。 (2021/06/12追記:なんと2021年でもまだ現役! がんばりますね。応援しています)

-----引用 ここから-----
熊沢重文騎手が特別賞 平地、障害で活躍/JRA賞|極ウマ・プレミアム[2017年01月10日 14時42分]

 熊沢重文騎手(48)がJRA賞(騎手部門)の特別賞に選ばれた。
 騎手の同賞受賞は13年武豊騎手以来、3年ぶり。騎手として史上初の障害200勝とJRA通算1000勝を達成するなど、平地と障害の両方での活躍が認められて、受賞が決定した。
http://p.nikkansports.com/goku-uma/news/article.zpl?topic_id=1&id=1763389&year=2017&month=1&day=10
-----引用 ここまで-----

 すごいですね。


2024年8月24日土曜日

ディープ孫もステゴ孫も苦戦 サンデーサイレンスひ孫世代は弱い?

■2019/06/09 ディープインパクトの超大物は少ないって本当?ステイゴールドとの違い目立つ
■2019/06/09 G1クラスの馬が多いのがディープインパクト最大の特徴?
■2019/06/09 ディープインパクトでG1複数勝つ馬は少ない!本当なのか?
■2019/06/09 10億円ホースとなると少なすぎるがそれでもすごいあの種牡馬
■2019/06/09 ディープインパクトに有力後継種牡馬はいない?牡馬限定で調べると…
■2021/02/23 ほぼラストチャンスでコントレイルという超大物が誕生!
■2021/02/23 ディープ孫もステゴ孫も苦戦 サンデーサイレンスひ孫世代は弱い?

■2019/06/09 ディープインパクトの超大物は少ないって本当?ステイゴールドとの違い目立つ

 前々から調べたいと思っていたディープインパクトは大物、もしくは超大物が少ないという話。客観的な成績は文句なしで良いものの、確かに後継種牡馬として申し分ないといった競走馬は出てこない印象。G1馬は多いのに、G1をいくつも獲るという馬は牝馬のジェンティルドンナくらいしか思い浮かびません。
 ハズレが多いけど当たると大きいイメージのステイゴールドと対照的な印象。
 とはいえ、こうしたことが思い込みということもよくある話。ステイゴールドとの対比でのイメージが大きいだけかもしれません。実際に見てみましょう。
  調べたのは、2018年のリーディング上位20頭と50位以内やちょっと古い種牡馬で私の気になる馬で、なおかつ産駒が500頭以上いる25頭。2019年5月30日時点のデータです。
 一口馬主をやっていて、成功ラインと感じるのは1億円で、まず1億円ホースの確率を見てみます。当然、この時点ではディープインパクトが圧倒的ですごい数字でトップ。
 ただ、ハズレが多いイメージのステイゴールドも3位であり、錯覚がこの時点ですでに見えました。また、種牡馬として失敗した印象のアドマイヤムーンが5位であることも、思い込みの強さを示している感じです。

順位 種牡馬名 1億率
1 ディープインパクト 10.3%
2 キングカメハメハ 6.9%
3 ステイゴールド 5.3%
4 ハーツクライ 4.0%
5 アドマイヤムーン 3.8%

 ちなみに当時は種付け頭数が今より少ないなどの問題があり、古すぎるデータですけど、種牡馬御三家についても調査。すると、サンデーサイレンスがディープインパクトを圧倒していて驚き。前述の通り、種付け頭数を絞って今より少数精鋭だっため、フェアな比較ではないとは言え、サンデーサイレンスはやはり化物だったんだと思います。

順位 種牡馬名 1億率
1 サンデーサイレンス 14.4%
2 ディープインパクト 10.3%
3 トニービン 7.0%
4 キングカメハメハ 6.9%
5 ブライアンズタイム 5.9%


■2019/06/09 G1クラスの馬が多いのがディープインパクト最大の特徴?

 次に3億円以上の馬で同じ調査。例外が多いですが、G1勝っている馬は大体これくらい行きます。
 このあたりはディープインパクトがすごい多い印象であり、2位のキングカメハメハとの差が一気に広がりました。むしろすごいところです。
 また、アドマイヤムーンが消えてマンハッタンカフェが4位に登場。ステイゴールドは先程より下がった 5位であり、金額が上がってむしろ苦戦する形になりました。

順位 種牡馬名 3億率
1 ディープインパクト 2.5%
2 キングカメハメハ 1.0%
3 ハーツクライ 0.9%
4 マンハッタンカフェ 0.61%
5 ステイゴールド 0.60%

 そして、最もディープインパクトが得意であろう、この条件であっても、サンデーサイレンスが1位。やっぱりサンデーサイレンスはすごいですね。

順位 種牡馬名 3億率
1 サンデーサイレンス 3.3%
2 ディープインパクト 2.5%
3 トニービン 1.2%
4 キングカメハメハ 1.04%
5 ブライアンズタイム 1.03%



■2019/06/09 ディープインパクトでG1複数勝つ馬は少ない!本当なのか?

 次からが最も知りたかった超大物に近いところ。キリの良い数字は5億円ですが、さっきの3億円と近すぎなので6億円で調査。例によって例外が多いものの、G1を複数勝っていることが多い賞金です。
 で、ここだとイメージ通りに順位に大きな動きがありました! ステイゴールドがやはり1位で、それほど差がない2位はまさかのゴールドアリュール。ダートは息長く走るためかもしれません。
 そして、3億円で圧倒的だったディープインパクトはなんと一気に4位まで低下。G1勝つ馬は多いが、何個も勝つ馬となると急激に少なくなるというイメージ通りになっています。
 ちなみに5位にはブラックタイドが登場しており、兄弟のディープインパクトとは全く違う傾向に。とはいえ、この数字はキタサンブラック1頭での数字のため、信頼性が高いものではありません。

順位 種牡馬名 6億率
1 ステイゴールド 0.37%
2 ゴールドアリュール 0.33%
3 キングカメハメハ 0.32%
4 ディープインパクト 0.25%
5 ブラックタイド 0.19%

 それから、種牡馬御三家を入れた数字ですが、ブライアンズタイム6位、トニービン7位と苦戦。しかし、サンデーサイレンスはここでもステイゴールドを寄せ付けない圧倒的な数字でトップ。
 サンデーサイレンスはディープインパクト以上の高確率で大物を出して、なおかつステイゴールド以上の確率で超大物を出すと言った感じ。やはり文句なしで日本史上最高の種牡馬でした。

順位 種牡馬名 6億率
1 サンデーサイレンス 0.59%
2 ステイゴールド 0.37%
3 ゴールドアリュール 0.33%
4 キングカメハメハ 0.32%
5 ディープインパクト 0.25%
6 ブライアンズタイム 0.26%
7 トニービン 0.22%



■2019/06/09 10億円ホースとなると少なすぎるがそれでもすごいあの種牡馬

 もう一つキリの良い10億円も調べています。10億円となると数が少なすぎて、信頼性はいまいちな気がしますが一応見てみましょう。
 これだとブラックタイドが1位に。ただし、前述の通り、キタサンブラック1頭であり、信頼性に疑問があります。これを除けばやはり ステイゴールドがトップでした。
 3位には6億円でいなかったハーツクライが突如登場。3億円以上の馬は全部6億円以上なのです。ただし、シュヴァルグラン1頭での数字。G1もジャパンカップ1つだけです。
  ステイゴールドが10億円2頭なだけであとは全部1頭。やはりここまで高すぎると参考にしづらい数字ですね。

順位 種牡馬名 10億率
1 ブラックタイド 0.19%
2 ステイゴールド 0.15%
3 ハーツクライ 0.10%
4 タニノギムレット 0.09%
5 ディープインパクト 0.08%

 10億円以上では、ブライアンズタイムもトニービンも0頭になってしまいました。ナリタブライアンは確か当時の最高賞金だったと思いますけど、それでも10億円には行っていなかったのです。やはり参考にしづらい数字かも。
 ただ、サンデーサイレンスはここでもやはり化物。4頭の10億円ホースを生み出していて、ステイゴールドらに圧勝しています。

順位 種牡馬名 10億率
1 サンデーサイレンス 0.26%
2 ブラックタイド 0.19%
3 ステイゴールド 0.15%



■2019/06/09 ディープインパクトに有力後継種牡馬はいない?牡馬限定で調べると…

 ここまでは全部牡馬と牝馬合わせたもの。種牡馬として残るかどうかということで、せん馬を含んだ牡馬でも同じ数字を出しています。
 10億円でタニノギムレットが4位に入っていたんですが、ウオッカのせい。残念なことに牝馬でしか超大物が生まれなかったという悲しい種牡馬もいるので、牡馬だけでも見たいと思っていました。
 面倒くさいので、ここからは全部種牡馬御三家込みでのデータ。まず、1億円では当然、先ほどと同様にディープインパクトが良いところで、サンデーサイレンスがさらに上という順位です。

順位 種牡馬名 1億率
1 サンデーサイレンス 20.95%
2 ディープインパクト 14.61%
3 キングカメハメハ 10.63%
4 トニービン 10.05%
5 ブライアンズタイム 9.07%
6 ステイゴールド 7.45%
7 ハーツクライ 5.98%
8 アドマイヤムーン 5.73%

 3億円もやはり同じ傾向。特におもしろいところは見られません。

順位 種牡馬名 3億率
1 サンデーサイレンス 4.60%
2 ディープインパクト 3.53%
3 ブライアンズタイム 1.84%
4 トニービン 1.83%
5 キングカメハメハ 1.67%
6 ハーツクライ 1.39%
7 ステイゴールド 1.17%
8 アドマイヤムーン 0.96%

 おもしろくなるのはここから。ディープインパクトは牡馬の6億円率だと牝馬込みのときよりさらに悪く、なんと11位になってしまいました! サトノダイヤモンドただ1頭なのです。
 サトノダイヤモンドは菊花賞と有馬記念でG1を2勝。母はアルゼンチンの馬でそこらへんがマイナスですが、一応彼が後継種牡馬としては一番期待できるんですかね?
 ただ、正直やはり物足りなさを感じてしまいます。ひょっとしたらディープインパクト系が続いていかない…という予想外のことも起きるかもしれません。

順位 種牡馬名 6億率
1 サンデーサイレンス 1.02%
2 ステイゴールド 0.73%
3 ゴールドアリュール 0.63%
4 キングカメハメハ 0.60%
5 ブライアンズタイム 0.49%
6 ブラックタイド 0.37%
7 フジキセキ 0.32%
8 トニービン 0.23%
9 ハーツクライ 0.20%
10 ジャングルポケット 0.17%
11 ディープインパクト 0.16%

 当てにならない10億円率ですが、こちらだとディープインパクトはゼロに。さっき書いたジェンティルドンナのみなんですね。ちなみに6億円は3頭で、残りの1頭も牝馬のショウナンパンドラでした。
  牡馬で10億円出している種牡馬は以下で全部。サンデーサイレンスが4頭、ステイゴールドが2頭の他は1頭のみでした。

順位 種牡馬名 10億率
1 サンデーサイレンス 0.51%
2 ブラックタイド 0.37%
3 ステイゴールド 0.29%
4 ハーツクライ 0.20%
5 ゴールドアリュール 0.16%
6 キングカメハメハ 0.12%



■2021/02/23 ほぼラストチャンスでコントレイルという超大物が誕生!


 ディープインパクト産駒の超大物がいない、ディープインパクトの血統が絶えるかも…という話をしていたら、ディープインパクトが亡くなりほぼラストチャンスというタイミングで、コントレイルという超大物が出てきました。私のPOG指名馬だったんですが、デビュー前はそれほど指名数が多くない注目度の低い馬だったので驚きです。
 一方、ステイゴールドについては大物が多く後継種牡馬が多数いるものの、その産駒ということで考えるとインパクト不足であることに気づきました。そこで、今回は孫世代を比較。そもそもサンデーサイレンスのひ孫世代は苦戦しているのではないかとも言われており、そこまでまとめて見ていきたいと思います。

 まず、ディープインパクトの孫とステイゴールドの孫との比較。3歳世代以上に絞れなかったため、デビュー前やデビューしたばかりの馬を含む不完全な数字ですが、以下の通り。

ディープインパクトの孫 3,801頭 3億円以上1頭 ミッキースワロー(父トーセンホマレボシ)
ステイゴールドの孫 1,818頭 3億円以上1頭 ラッキーライラック(父オルフェーヴル)

 ともに3億円以上は少なくて不振。ステイゴールドの孫はラッキーライラックという超大物がいますし、3億円率がディープインパクトより高いためにこれからもチャンスがありそうですが、そのラッキーライラックは牝馬であり、種牡馬として残っていかないことが確実です。
 一方、ディープインパクトは牡馬で3億円であるものの、ミッキースワローというのは正直人気種牡馬になりそうな感じないですね。ただ、おもしろいのが、ミッキースワローの父がG1未勝利のトーセンホマレボシであること。トーセンホマレボシですらこのレベルの馬が出たので期待できると考えるか、ディープインパクト産駒の実績馬がいまいち良い子を出さないと考えるかで、迷うところです。


■2021/02/23 ディープ孫もステゴ孫も苦戦 サンデーサイレンスひ孫世代は弱い?


 ただ、この苦戦の中でもサンデーサイレンスひ孫としては良いという可能性があります。サンデーサイレンスのひ孫ということで言うと、ディープインパクトやステイゴールドより年上の馬が有利になるでしょうが、上位を見てみました。すると、そのまま前述の2頭がワンツー。ディープ孫とステゴ孫が苦戦というよりは、サンデーサイレンスひ孫世代ではそもそも良い馬が少ないようですね。

サンデーサイレンスひ孫世代 3億円以上4頭
1位    ラッキーライラック    オルフェーヴル(ステイゴールド)    73,746.70
2位    ミッキースワロー    トーセンホマレボシ(ディープインパクト)    36,492.00
3位    ミツバ    カネヒキリ(フジキセキ)    35,481.90
4位    クリンチャー    ディープスカイ(アグネスタキオン)    32,765.40

 なお、ディープインパクトの孫とステイゴールドの孫(ラッキーライラックとミッキースワロー)との比較で言うと、キングカメハメハの孫世代がすごいです。こちらも1位は牝馬アーモンドアイですが、牡馬でもディープインパクトの孫とステイゴールドの孫よりも3億円以上が多く、なおかつ種牡馬としてもより人気しそうな顔ぶれ。血統は微妙でも現役時代の成績が良いキタサンブラック産駒が今後出てきますし、コントレイルが期待できるので大丈夫だと思いますが、サンデーサイレンス直系が途絶えるというまさかの展開もありそうな戦績の差でした。

キングカメハメハの孫 4,946頭 3億円以上6頭
1位    アーモンドアイ    ロードカナロア    151,956.30
2位    キセキ    ルーラーシップ    66,256.30
3位    サートゥルナーリア    ロードカナロア    52,358.50
4位    ダノンスマッシュ    ロードカナロア    45,053.10
5位    ステルヴィオ    ロードカナロア    34,654.00
6位    ダンビュライト    ルーラーシップ    31,808.70


2024年8月23日金曜日

社台グループの規模は日本一ではなく世界一?クラブ法人がなければ馬が売れるようになる?

■2016/10/9 クラブ法人がなければ馬が売れるようになる?
■2016/10/9 社台グループの規模は日本一ではなく世界一?


■2016/10/9 クラブ法人がなければ馬が売れるようになる?

 クラブ法人が儲かる商売かどうかは怪しいところ。というのも、経営者が変わる…ということがよくあったため。儲かっていれば手放しませんよね。経営がうまく行かなくて売却…というのがあったのだと思われます。
 Our Pleasure2016年4月号 巻頭のごあいさつ(岡田紘和)でも<この間に馬産地やトレセンでは世代交代が進んでいますが、約20 あるクラブ法人でも7 割以上が経営難などで経営者(または株主)が2 度以上代わっています>とされていました。

 ということで、クラブ法人だって儲かりまくっているわけではないのですが、クラブ法人が生産牧場不況を作っていて、クラブ法人がなければ馬が売れるようになると考えている人がいるようです。
 ただ、そうではなくて、個人馬主に買う力がなくなった…というのが現実でしょう。個人馬主がどんどん減っているのでわかるように、そもそも競馬って儲からない趣味なのです。不景気になれば、馬が売れなくなるのは当然でしょう。

 岡田紘和さんもクラブ法人が嫌われているという話は書いていて、<これだけの年月を重ねても、クラブ法人はいまだに一部(半分くらいかもしれません)の個人馬主から忌み嫌われています>としていました。また、調教師の権限の問題だと考えている人が多いそうです。

<「クラブ法人がなくなり、調教師の権限を昔のように強化すれば、馬がもっと売れる」と思っている生産者がいるくらいです。しかし、調教師の権限が減少した本当の理由はJRA が専売特許にあぐらをかいて改革しないことで、調教師が本来持つべき実力をつける機会を奪っているからです>


■2016/10/9 社台グループの規模は日本一ではなく世界一?

 この話の流れでなぜか出てきたのが、社台グループの規模は日本一ではなく世界一だというもの。そうなのか!と驚きました。とりあえず、社台グループのように大成功してレベルアップしたグループが出たために、従来型の努力していない牧場の馬が売れなくなった…といった観点っぽいですね。

<そして、日本産馬のレベルが日本競馬の巨人・社台グループ(実質的に世界一ですが)によって大幅に引き上げられたことを考えれば、少々のレベルアップや資金力では対抗できないのは当然のことです。後戻りなどできません。
 もちろん当グループは諦めていません。現在巨人の後ろ姿さえ見えませんが、足跡を頼りに注意深く追跡していきます。引き続きご支援・ご協力いただきますようお願い申し上げます>

 私が一番興味を持ったのは、社台グループが世界一という話。検索してみると、社台グループが世界一という記述はほとんど見つかりませんでした。ただ、一部見られます。

-----引用 ここから-----
吉田善哉 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%89%E7%94%B0%E5%96%84%E5%93%89

1990年、善哉は「最後の大仕事」として、1989年の全米年度代表馬サンデーサイレンスを約16億5000万円で種牡馬として日本に導入した。(中略)
 しかし善哉自身はその活躍を見ることなく、1993年8月13日、72歳で死去した。その死後、社台グループは照哉、勝己、晴哉の三人の息子によって再編され、今日世界最大規模の競走馬生産育成グループとなっている。
-----引用 ここまで-----

 世界ではものすごい馬を輩出し続けているゴドルフィンやクールモアなどがありますけど、規模からすると確かに社台グループが世界一なのかもしれません。
 私の実家の周辺自治体は社台グループ系のテリトリーなんですけど、里帰りするたびに敷地がでかくなっています。地元の人も「うちの土地買ってくれないかな」と期待していました。まだまだでかくなりそうです。


2024年8月22日木曜日

笠松競馬廃止?八百長自白、不正馬券購入・脱税・セクハラ

■2021/04/22 笠松競馬廃止?八百長自白、不正馬券購入・脱税・セクハラ
■2021/05/20 一定期間の「競馬関与停止」でいいの?軽い処分に非難轟々


■2021/04/22 笠松競馬廃止?八百長自白、不正馬券購入・脱税・セクハラ

 <オグリキャップが泣いている!1億4千万円の不正馬券、セクハラ、八百長疑惑…笠松競馬の深すぎる闇>(〈dot.〉|AERA dot. 今西憲之2021.4.4 09:00dot.)という記事が出ていました。言うほど決定的な証拠がない…ということもあるのですが、さて、どのような内容か?と読んでみました。
https://dot.asahi.com/dot/2021040300022.html?page=1
 すると、そもそも「笠松競馬不適切事案検討委員会」がまとめた報告書の話でびっくり。部外者が勝手に言っているのではなく、委員会が設置されているとなると大ごと。この時点でかなり問題があった可能性が高いと考えられます。報告書は55ページだそうで、かなり調査されている感じですね。

 というか、結論が最初に出ていてほぼ全部クロだと認定されていて驚き。騎手、調教師らがグループで競馬法で禁じられている馬券を購入し、的中した利益、1億4千万円あまりを申告していなかった「脱税」について認定。さらにセクハラが常態化していたことも記されており、これも確定です。完全アウトですわ。

<昨年6月に岐阜県警が強制捜査に着手していた競馬法違反事件は、2012年から騎手や調教師が馬の情報を共有するグループを作り、不正に馬券を購入。2020年6月まで続き、関与した騎手や調教師は昨年夏に引退した4名を含めて10名に上る。うち6名は、現在も笠松競馬場に在籍する現役の騎手、調教師だ>

 グループ購入していた騎手らは、自分の騎乗する馬の情報を持ち寄り、購入する馬券について相談。本来持ち込みが禁止されている携帯電話で外部へ購入の指示。お金は現役のA調教師の妻名義の口座で管理していました。
 当然、八百長もやっている可能性が高いのですが、これは証明が難しいんですよね。今回驚いたのは、自白があったにも関わらず、<複数人から、騎手らによるいわゆる八百長があった旨の供述を得たが、自己評価にとどまるものであり、八百長を指摘されたレースも一定ではなく、事実認定するには至らなかった>ということです。

 最近あんまりニュース見ていないとは言え、全然知らなかったビッグニュースでびっくり。競馬史に残るレベルですね。現在はレースが中止されていて、「廃止されるのかとよく噂される」とのこと。そりゃそうでしょう。せっかく地方競馬も稼げる時代になってきたのに、馬鹿なことをしたものです。
 八百長を自白している関係者の馬券購入は競馬の根幹に関わるものであり、すでに引退した騎手と調教師の4名を書類送検のみという軽い対応は甘すぎで、警察はもっときちんと対応してよかったのではないかと思われます。


■2021/05/20 一定期間の「競馬関与停止」でいいの?軽い処分に非難轟々

 上記を書いたすぐ後、岐阜県地方競馬組合による処分が報じられていました。ただ、甘すぎる!と非難轟々だったもの。すでに辞めている元調教・元騎手は「競馬関与禁止」の末に免許取り消しなのですが、それ以外の現役騎手・調教師らは期限付きの「競馬関与停止」だそうです。とりあえず、笠松競馬側としては、この処分をもって幕引き…としたかったみたいですね。

<関与が大きいとされる元騎手、調教師ら計4名は競馬関与禁止処分に。その他8名は、各一定期間の競馬関与停止処分となったほか、管理責任者で組合管理者の古田聖人笠松町長らの減給処分や、調整ルームの監視強化などの再発防止策も併せて発表された>
(【地方競馬】笠松競馬の馬券不正購入問題 元騎手・調教師ら12名が競馬関与禁止および停止処分に | 競馬ニュース - netkeiba.com 2021年04月22日より)
https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=186849&rf=kslp

<馬券を購入したとして県警が競馬法違反で書類送検し、罰金の略式命令を受けた元調教師(37)と元騎手(39)、元騎手(35)、元騎手(37)の4人は、最も重い「競馬関与禁止」となった。
 処分を受けたのは、4人を含む騎手、調教師ら計30人、組合の管理者と職員が計21人(中略)
 関与禁止の4人は競馬場への入場を含め、競馬への関与が一切できなくなる。馬券購入や、元調教師ら不正の中心となった4人に馬の調子などの情報を提供して金品をもらうなどしていた騎手と調教師計8人は、6カ月~5年間の関与を禁じられる「競馬関与停止」となった。
 地方競馬全国協会によると、関与停止などを受けた騎手、調教師は競馬法により、騎手免許、調教師免許が取り消される。
 この他、女性厩務(きゅうむ)員らにセクハラ行為を繰り返していた調教師1人を調教停止90日などの処分に、馬券を購入していた騎手に対する指揮監督の不十分などで調教師9人を戒告・賞典停止とした>
(笠松競馬不正問題で関係者51人処分 元調教師ら4人が関与禁止 | 岐阜新聞Web 2021年04月22日より)
https://www.gifu-np.co.jp/news/20210422/20210422-63576.html

2024年8月21日水曜日

オグリキャップ孫クレイドルサイアーが種牡馬に!父はノーザンキャップ

■2014/8/23 オグリキャップ孫クレイドルサイアーが種牡馬に!父はノーザンキャップ


■2014/8/23 オグリキャップ孫クレイドルサイアーが種牡馬に!父はノーザンキャップ

 2013年のニュース。クレイドルサイアーだけじゃなくて、ノーザンキャップの時点で知りませんでしたわ。ややこしくなっていますが、オグリキャップ → ノーザンキャップ → クレイドルサイアーというサイアーラインになります。
 ノーザンキャップは47戦3勝 [3-12-9-23] 中央獲得賞金 7,617.2万円。平均から見ると、十分に稼いではいるものの、クラスは懐かしの900万条件止まり。牝系は近親にチューリップ賞などのオースミハルカがいるものの、豪華というわけでもありませんでした。

 しかし、このノーザンキャップが種牡馬入りしていて、さらに産駒のクレイドルサイアーが種牡馬入りという驚き。クレイドルサイアーに至っては地方で2戦して10着2回のみというひどい戦績です。近親を見ても中央勝ち馬が不在というひどさ。
 さらに下記のブログさんによると、クレイドルサイアーというのはノーザンキャップ唯一の産駒。どうも完全に趣味みたいですね。

-----引用 ここから-----
父系馬鹿:ノーザンキャップ産駒のクレイドルサイアー、種牡馬入り 2013年09月18日

父ノーザンキャップは静内にあるクレイドルファームにて種牡馬入りしましたが、そんな状況ですから牝馬がたくさん集まるはずはなく、種付けしたのは自牧場の牝馬2頭のみ。しかもそのうち1頭は不受胎となり、無事に産まれたのはマタニティパワー(父*スリルショー)を母に持つ牡馬ただ1頭だけでした。1頭の活躍馬のみによって一子相伝で父系が繋がる例はそれなりにあるでしょうが、唯一産まれた産駒によって父系が存続される例など世界中見渡してもどれほどあることでしょう。
http://blog.livedoor.jp/organa_jpn/archives/52239510.html
-----引用 ここまで-----

 さらに特筆すべきなのが"自身が最後のレース(引用者注:2003年→2013年)に出走してから実に10年間の充電期間を経ての種牡馬入り"だということです。クレイドルファームは"引退馬の余生を送るための養老牧場としての業務がメイン"らしいので、やはり趣味なんでしょうね。
 しかし、これは悪い意味ではありません。ファンにとっては嬉しい趣向です。活躍馬を多数持っているお金持ちの人こそ、やってほしい遊びだとも思います。


2024年8月20日火曜日

地方競馬の廃止は間違ってた?廃止寸前の高知競馬など復活

■2021/03/06 地方競馬の廃止は間違ってた?廃止寸前の高知競馬など復活


■2021/03/06 地方競馬の廃止は間違ってた?廃止寸前の高知競馬など復活

 地域に貢献できるまでになった高知競馬 - 斎藤修 | 競馬コラム - netkeiba.com(2021年01月19日)は、タイトルの通り、高知競馬の売上が増えたという話。ネット・電話投票の売上が増加したおかげで、どん底だった2008年度の1日平均約4千万円の売上が、今はその15倍以上の1日平均6億円を超えるまでにV字回復。『新型コロナウイルス感染症対策支援競走』を行って寄付できるところにまでなった…という話でした。ただ、記事では、これ以外にもおもしろい話がありました。

 高知競馬は廃止寸前だった…ということで、地方競馬廃止についての考え方が載っていたのです。地方競馬は平成の初期には日本全国30場で行われていたのが、2001年(平成13年)の中津競馬に始まる相次ぐ廃止によって、現在地方競馬が行われているのはちょうど半分の15場になった(しばらく開催がない札幌、中京は除く)。中津競馬が廃止されたときは、「次は高知競馬か」と噂されるほどの状況だったといいます。
 しかしどん底だった2008年度の1日平均約4千万円の売上が、今はその15倍以上の1日平均6億円を超えるまでにV字回復。今の高知競馬の馬券の売上は、95%以上をネット・電話投票によって占められているということで、ネット投票・電話投票の役割が大きかったということでしょう。これは地元以外のファンの購入が増えたということでもあります。地元の人しか買えない…となると、人口が少ない地域はそれだけで無理ゲー状態になります。
 私は競馬ファンだからと言って「競馬廃止許すまじ…」ということはなく、他の公共事業同様に税金の使い方として適正かどうかを重視します。赤字垂れ流しの競馬場は廃止すべきという考え方でした。ただ、現在のような高知競馬などの地方競馬の復活を見ると、「ならば廃止になった競馬場も存続していれば、高知ほどではないにしても、ある程度立ち直れたのではないか」という、結果論によるマウンティングみたいな意見が出そうなところ。ところが、作者は、<必ずしもそうともいえないし、廃止か存続かの判断はほんとうに難しかったと思う>とした上で、以下のような廃止の考え方を示していました。

<おおざっぱに言えば、赤字を税金で補填してまで続ける必要がないという結論が『廃止』という判断。一方で、競馬場が存在することによって数百人の雇用があり、地方都市の競馬場でも年間数十億~数百億円の売上があって、その雇用とお金の動き(すなわち税収)をなくすわけにはいかないという結論が『存続』だった。ホッカイドウ競馬やばんえい競馬では、馬産という大きな産業を失うわけにいかなかったということもあるだろう。地方都市の場合、もう何年も前から“人口流出”が問題となっていて、競馬の廃止・存続は、そのことにも直結したはずだ>


2024年8月19日月曜日

種牡馬ハットトリック、アメリカですごい産駒を出していた!

■2018/11/15 種牡馬ハットトリック、アメリカですごい産駒を出していた!
■2021/03/24 ハットトリック産駒ダビルシム、記録的な種牡馬人気に


■2018/11/15 種牡馬ハットトリック、アメリカですごい産駒を出していた!

 古いのを今ごろ読んでいるのでめちゃくちゃ昔の話なのですけど、Enjoy Ruffian 2011年11月号 血統マニアック〈35〉藤井正弘によると、2011年のフランスの2歳チャンピオン決定戦、ジャンリュックラガルデール賞(芝1400m)に出走したダビルシムという馬は、実は米国のウォルマックファームで繋養されている新鋭種牡馬ハットトリックのファーストクロップだったのです。
 圧倒的人気のダビルシムは、後方のインで前をブロックされる苦しい展開。しかし、ラスト200mで内ラチ沿いを一気に追い込んで1着。鞍上の名手デットーリをして「自分のキャリアの中で最強の2歳馬」と言わしめる爆発的な末脚でした。
 GⅠ2つを含むデビュー5連勝であり、早熟に見えます。しかし、秋山響さんによれば「体高のあるデカい馬ですが、お尻などはまだ薄くて、もっと良くなる余地がある」とのこと。

 ただ、その後を見ると3歳はG3で2着、G1で6着と勝てず。かかってしまった模様で距離短縮も検討していましたが、4歳まで待っても脚部不安で復帰できず引退し種牡馬入りしました。
 なお、種牡馬デビューの2017年は、フランスのリーディングファーストシーズンサイアー、ヨーロッパファーストシーズンサイアーランキングでも2位ということで、種牡馬としては半端ない感じです。(Wikipediaより)

 さて、ハットトリックの方ですけど、Wikipediaによると、アメリカでの種付ということもあり、出走頭数わずか1頭で2011年度のフランス2歳リーディングサイアーおよびファーストクロップリーディングサイアーでした。ダビルシムとの親子での戴冠ですね。
 その後も2012年には海外で種牡馬入りした日本調教馬としては初めて、アメリカのグレードレース、後にG1競走を制する産駒を出すなど、産駒はアメリカを中心に活躍しているとのこと。
 ただ、受胎率が低いという問題があり、前述の活躍を見て増えたときもあるものの、今はまた種付け頭数が少ないんだそうな。残念ですね。


■2021/03/24 ハットトリック産駒ダビルシム、記録的な種牡馬人気に

 ウィキペディアによると、ダビルシムは3歳の5月、G1プール・デッセ・デ・プーランで6着になった以降は脚部不安をくり返し、4歳にも、4月の復帰に向けて調教を積まれていたものの、結局、引退と種牡馬入りが発表されて復帰できず。早熟ではない成長性をレースで証明することができずに終わりました。ただ、種牡馬としても期待できそうな感じがありました。
 一方、引退発表時は繋養先は未定で、後にドイツのカルツォフ牧場で種牡馬入りし、2014年から供用されることになったということで、フランスでの評価は案外だったのかもしれません。とはいえ、ドイツでの期待はすごかった感じですね。となると、取り合いになって発表が遅れたという可能性もあるかもしれません。

<初年度種付料は9000ユーロ。産駒の活躍に対し、最初の勝ち馬に2万ユーロ、最初の重賞勝ち馬に5万ユーロ、最初のG1勝ち馬に10万ユーロが生産者に支払われるという、異例のボーナスが設定された[28]。初年度の種付け頭数は134頭で、これはドイツにおける新記録である。2015年1月16日に最初の産駒が誕生した[29]。同年も100頭以上の種付けを行い、3年目以降により多くの種付けのオファーを受けることを期待し、2016年にフランスのグランシャン牧場に移動する[30]>

 2017年に初年度産駒がデビューすると、6月23日にはロイヤルアスコット開催のアルバニーステークス(英G3)で産駒による重賞初勝利を記録。この年はフランスのリーディングファーストシーズンサイアーとなり、ヨーロッパファーストシーズンサイアーランキングでも2位につける活躍で、2018年の種付料は3万ドルへと大幅に増額されました。
 やはり成功だったようですね。2018年の種付料は3万ドルへと大幅に増額されたにも関わらず、この年の種付け申し込みは200頭を数え、頭数を減らすために断りを入れるほどの人気ぶりだったとのことで評価もうなぎのぼりだったようです。

2024年8月18日日曜日

インカンテーションは成功?安くて未注目シニスターミニスターや祖父オールドトリエステは成功

■2021/03/21 インカンテーションは成功?安くて未注目シニスターミニスターや祖父オールドトリエステは成功
■2017/05/27 種牡馬比較 ダイワメジャー・アドマイヤムーン・ローエングリン・メイショウボーラー・シニスターミニスター・ケイムホーム・サムライハート・アポロキングダム
■2017/05/27 アーニングインデックスでは、ダイワメジャーが三冠王
■2017/05/27 CPI(コンパラブルインデックス)考慮で浮上した種牡馬は?


■2021/03/21 インカンテーションは成功?安くて未注目シニスターミニスターや祖父オールドトリエステは成功

 最初は、2013/8/25に書いていた話。名前見て聞いたことない!と思ったシニスターミニスター。<“掘出し物”種牡馬・シニスターミニスター | netkeiba.com競馬コラム>(2013年08月16日(金)12時00分)というコラムが出ていました。新潟のレパードSをインカンテーションが勝っています。

<父のシニスターミニスターはあまり聞き慣れない種牡馬である。しかし、2世代目を送り出した昨年の2歳戦は、なかなかの存在感を示していた。
 下級戦ながら、産駒が毎週のようにダートで好勝負。12月を迎えた時点で、JRA2歳戦で出走13頭中6頭が勝ち上がり(2頭が新馬勝ち)、地方でも7割の勝ち上がり率を記録した。産駒の仕上がりの良さと、ダート適性の高さには目を見張るものがあった>
http://news.netkeiba.com/?pid=column_view&cid=24051

 シニスターミニスターは2歳の12月にアメリカでデビュー。2戦目に後続に8馬身の差をつけて勝ち上がっています。さらにGI初挑戦となったケンタッキーダービーの前哨戦、ブルーグラスSでは史上3番目となる12馬身4分の3の着差で圧勝。派手な勝ちっぷりでGI初制覇を成し遂げています。
 …とここまで聞くと、「すごい馬じゃん!」と思うところなのですが、なんとその後は鳴かず飛ばず。おかげで投げ売り状態となり、日高の生産者グループが150万ドル(当時約1億7300万円)という破格の安さで購入した経緯があるそうです。約1億7300万円でも安いんですね。元を取るにはかなりの頭数つけなくちゃいかんと思いますが、お買い得だったようです。

 シニスターミニスターの父、オールドトリエステの話もおもしろいですね。この父のオールドトリエステがこれまた地味な存在だったことも、安さの一因にあっただろうとしています。米GII勝ちしかなかった馬なんだそうです。ただ、他にシルヴァートレイン(BCスプリント)を出すなど、種牡馬としてはなかなかの滑り出し。アメリカでは未活躍馬の逆転劇が結構ありますね。
 ところが、オールドトリエステは蹄葉炎が原因で2003年1月、わずか3世代を残したのみで急死。2007年以降は種牡馬成績も急下降し、すっかり忘れ去られていたのだそうです。ただ日本では、その数少ない産駒の中から外国産馬のマルターズヒート(フェアリーS)、トーヨーエーピー(芙蓉S)らが活躍しており、日本の競馬環境に高い適性を示していた…と後になれば言えました。
 父からしても日本で向いておかしくないという感じです。こういう期待されていなかった馬が活躍……ってのが競馬のおもしろさですけど、そうなるでしょうか。

2021/03/21追記:その後の、シニスターミニスターですが、そこそこの活躍。昨今は見切りが早いため、種付け頭数を確保し続けた…というだけでも十分すぎるほどの成功でしょう。1億円ホースは8頭出ています。この中では私は7位のマイネルバサラが好きですね。応援してきた馬です。

インカンテーション    牡    43,467.90
キングズガード    牡    29,519.00
ヤマニンアンプリメ    牝    23,398.60
コウエイエンブレム    牡    18,208.70
ゴールドクイーン    牝    16,176.90
ダブルスター    牡    14,649.40
マイネルバサラ    牡    14,363.70
アードラー    牡    13,264.00

 1位のインカンテーションは種牡馬入りもしています。はっきり言って注目されていない馬ですが、意外に成功してくれると3代続けての意外性…ということになり、おもしろいんですけど!


■2017/05/27 種牡馬比較 ダイワメジャー・アドマイヤムーン・ローエングリン・メイショウボーラー・シニスターミニスター・ケイムホーム・サムライハート・アポロキングダム

 2010年デビュー世代の種牡馬で、今年の2歳馬が50頭以上の産駒がいるのは4頭しかいませんでした。
 なので、どこも少ないのかと思ったら、翌年の2011年デビュー組は多くてたいへん。50頭以上が5頭、30頭以上50頭未満が3頭いました。
  ケイムホーム・サムライハート・アポロキングダムが、30頭以上50頭未満です。

 ファーストシーズンサイアーベスト3は、 ダイワメジャー・アドマイヤムーン・メイショウボーラーで、いずれも健在。
 一方、ローエングリンはまさか!という活躍でした。 ただ、ダート専用ではあるものの、それ以上の驚きだったのが、シニスターミニスター。かなりおもしろい世代ですね。

 これ以外も結構名の知れた馬がデビューした世代で、オレハマッテルゼ、シーキングザダイヤ、スタチューオブリバティ、ディクタット、フォーティナイナーズサン、クーリンガー、アサクサデンエン 、ウインクリューガー、ノボトゥルー、ローマンエンパイアなどがいました。
(POG 2017-2018 新種牡馬 どうすりゃ委員会|POG is the spice of life !!より)

 個人的には、クーリンガーが生き残れなかったのが残念。
 また、オレハマッテルゼが亡くなってしまったのも残念でした。


■2017/05/27 アーニングインデックスでは、ダイワメジャーが三冠王

 まず、アーニングインデックスを比較。2016,2017,総合のいずれも、ダイワメジャー・アドマイヤムーン・シニスターミニスターが1位・2位・3位でした。

<2016年のAEI>       
1    ダイワメジャー    1.56
2    アドマイヤムーン    1.14
3    シニスターミニスター    1.00
4    ローエングリン    0.77
5    メイショウボーラー    0.73
6    ケイムホーム    0.61
7    サムライハート    0.46
8    アポロキングダム    0.45

<2017年のAEI>       
1    ダイワメジャー    1.60
2    アドマイヤムーン    1.55
3    シニスターミニスター    1.40
4    ローエングリン    0.93
5    アポロキングダム    0.58
6    メイショウボーラー    0.55
7    サムライハート    0.47
8    ケイムホーム    0.44

<合計のAEI>       
1    ダイワメジャー    1.91
2    アドマイヤムーン    1.24
3    シニスターミニスター    1.19
4    ケイムホーム    0.82
5    ローエングリン    0.74
6    メイショウボーラー    0.70
7    アポロキングダム    0.61
8    サムライハート    0.54


■2017/05/27 CPI(コンパラブルインデックス)考慮で浮上した種牡馬は?

 一方、CPI(コンパラブルインデックス)を考慮して見た場合、アドマイヤムーンはボロクソです。ただ、ダイワメジャーも4位どまり。なんとシニスターミニスターが1位で、アポロキングダム、ローエングリンといったところが2位、3位に入りました。繁殖牝馬のレベルのわりに産駒がよく走っているようです。

<合計のCPI> 
1    シニスターミニスター    1.43
2    アポロキングダム    1.33
3    ローエングリン    1.06
4    ダイワメジャー    0.95
5    ケイムホーム    0.87
6    メイショウボーラー    0.83
7    サムライハート    0.69
8    アドマイヤムーン    0.61
(2020/03/19:CPIの理解がおかしかったので修正しました。申し訳ありませんでした)

2024年8月17日土曜日

ブリンカーをするのは日本だけ?ヨーロッパ競馬では珍しい

■2020/09/23 ブリンカーをするのは日本だけ?ヨーロッパ競馬では珍しい
■2024/08/08 ヨーロッパの馬は物怖じしないのでブリンカーは必要ない?


■2020/09/23 ブリンカーをするのは日本だけ?ヨーロッパ競馬では珍しい

 Our Pleasure2019年2月号のRacing 360(秋山 響)は、2018年の欧州競馬で圧倒的な存在感を見せたのがイギリスのジョン・ゴスデン調教師に関する話。日本でも有名なエネイブルでG1凱旋門賞を制しただけでなく、イギリスのシーズン最後の大一番である10月の「英チャンピオンズデー」のメインレースであるG1英チャンピオンSをクラックスマン、準メインのG1クイーンエリザベスⅡ世Sをロアリングライオン、さらには長距離の大一番G2英チャンピオンズロングディスタンスCもストラディヴァリウスで優勝していました。
 ただし、コラムでは、エネイブルもクラックスマンにしてもそう順調ではなかったと強調。このうちエネイブルは、5月に膝を傷めており、年内に1度しか使わずに凱旋門賞を制したという初めての例でした。また、クラックスマンは格下相手に辛勝、続いて敗退と、2度精彩を欠いた後は、馬場を嫌って回避を続けてやっと出走したレースでの復活優勝でした。

 さて、問題はこのクラックスマンを復活させたエピソード。ここ2戦で精彩を欠いたのは重馬場だけがその理由ではないと見ていたゴスデン調教師は集中力を増すために欧州では珍しいブリンカーを装着させての復活でした。前走はその前のレースを走った牝馬に関心が行っていたとしており、この対策だったようですね。
 ただ、そもそも欧州ではブリンカーをつけるのが珍しいというのが、日本の競馬ファン的には驚き。このクラックスマンの例ではブリンカーの効果があったのでは?という見方であったものの、そもそも多用されていないというのは、ブリンカーに効果がない、あるいは、効果がある場合が少ないという可能性もあるかもしれません。まだまだ競馬の世界は科学的根拠のない迷信がはびこっており、効果が不明なものも多いです。ここらへんはもっと研究を進めてほしいと感じました。


■2024/08/08 ヨーロッパの馬は物怖じしないのでブリンカーは必要ない?

 実際の効果がどの程度か?という話は別として、ブリンカーに効果がありそうだと人々が考えるのは、ブリンカーが馬の視野を奪っていることは間違いないためでしょう。馬にとってはブリンカーの有無で見え方が異なっているのは間違いありません。

Wikipedia
<ブリンカー (blinkers) は競馬および乗馬や馬車などにおいて、馬の視野を制限するための馬具である。ブラインダー (blinders)、遮眼革、遮眼帯ともいう。 >
<ブリンカーは馬の両目の外側部分に、革やプラスチックを材料としたカップ状などのものが使用される。頭絡に着脱できるものもあるが、競馬ではマスク状のものになっているものも多い。日本の競馬ではマスク状のものに「メンコ」と呼ばれる耳覆いを付したものが広く用いられている。
 着用することで真横や後方の視野を遮ることになり(馬の視野はおよそ350度である)、それによって馬が前方への進行に集中できると考えられている。競馬ではコース沿いにいる観客や、乗馬や馬車においても通行人や自動車などに驚いてしまうために考えられた馬具である。 >
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%83%BC

 読み直していて思い出したのが、ヨーロッパの競馬では馬と馬との距離感が近いため、日本の競走馬がうまく適応できないことがある…という話。ひょっとしたら日本の馬たちは、周囲を気にしすぎるためにブリンカーをつけることが多く、ヨーロッパの馬たちはいろいろなことに慣れていて物怖じしないので、ほとんどブリンカーが必要ないのかもしれません。


2024年8月16日金曜日

三津谷隼人騎手、引退レースで重賞初勝利 レース中から拍手鳴り止まず

■2021/05/16 三津谷隼人騎手、引退レースで重賞初勝利 レース中から拍手鳴り止まず


■2021/05/16 三津谷隼人騎手、引退レースで重賞初勝利 レース中から拍手鳴り止まず

 引退後は川村禎彦厩舎で調教助手となる予定となっている三津谷隼人騎手(栗東・川村禎彦厩舎)は15日の中京8R・京都ハイジャンプ(JGII)のマーニが最後の騎乗でした。なんとこのマーニで勝ってしまい、引退レースで重賞初勝利というドラマチックなことが起きています。実況も引退レースだと伝えたせいか、抜け出した直線では勝利を確信したファンがゴールする前から長く拍手を続けるという、ちょっとありえないような映像になりました。鳥肌立ちます。

 【JRA】三津谷隼人騎手「まさか最後に重賞まで勝たせてもらえるなんて」最終騎乗で美酒(2021年05月15日(土) )によると、三津谷隼人騎手は、「マーニは、はじめて障害レースで勝たせてもらって、その後オープンも勝たせてもらった馬で、まさか最後に重賞まで勝たせてもらえるなんて夢のようで嬉しい限りです」とコメント。
 「自分の引退が決まって、最後にマーニで重賞レースに乗りたいと(引用者注:マーニを管理する)鮫島先生と川村先生に相談し、先生たちからやりたいようにやりなさい、と言っていただきレースに挑むことができました」とのことで、厳しいこと言っちゃうとわがままではありますけどね。馬本位・馬主本位ではありません。

 で、私は無謀な重賞挑戦なのだと思ったら、3番人気であり、穴人気ではなかったようです。マーニは重賞初挑戦ではなく、1年ほど前に東京ジャンプS(J.G3)で11番人気ながら6着しています。これは未勝利を勝ってすぐの挑戦で、その後はすべてオープンを走っています。4走前にオープン勝ちがあるものの、その後は、5着、8着。そこから平地を1戦挟んでの重賞挑戦で、人気するような戦績に思えなかったのですが、3番人気でした。なんででしょうね。
 相手が弱い可能性も考えましたが、そうでもないんですわ。前走の障害が障害4歳上OP5番人気8着で 10.2 (3人気) だったマーニより人気しそうな馬が、以下のように何頭かいました。熱烈なファンが多かったというわけでもないでしょうに、いろいろと不思議なことになりましたね。

ボナパルト  12.0 (5人気) 前走春麗ジャンプ(OP) 7番人気1着
ケイブルグラム  10.8 (4人気)  前前走 阪神ジャンプS(J.G3) 7番人気2着

 ラテールプロミーズが前走障害4歳上OP3番人気9着で、マーニの障害4歳上OP5番人気8着と近い戦績。この馬が 22.2 (6人気) ですから、ここらへんの人気が妥当でしたかね。ただ、ラテールプロミーズは11ヵ月半休養を挟んだとは言え、その前は重賞で2着していた実力馬。マーニはだいぶ人気しすぎだったように思えますが、実際、快勝しちゃったので、わかる人にはわかるようです。


2024年8月15日木曜日

金子真人氏はディープインパクトをいい馬だと思わなかった…

■2020/10/20 金子真人氏はディープインパクトをいい馬だと思わなかった…
■2020/10/20 馬は本当にわからない…後継種牡馬争いでも…?


■2020/10/20 金子真人氏はディープインパクトをいい馬だと思わなかった…

  いい馬を引き当て続けている金子真人さん。ただ、ディープインパクトはそれほど期待していなかったそうです。では、なぜディープインパクトを買ったのか?と言うと、ブラックタイドの弟だったためのようです。

<金子真人オーナーは滅多にマスコミに出ないので、肉声を聞く機会は少ないが、ある年の種牡馬展示会でこう語っていたことが忘れられない。
 「私が予算を青天井にしてどうしても欲しいと思った馬はブラックタイドだけです。翌年のセレクトセールに上場されたディープインパクトはブラックタイドの弟という程度の認識でしかなく、体も小さかったので定めた予算内で落札出来たら買うくらいのつもりでいました。結局、7000万円で落札したのですが、ブラックタイドを落札したときの喜びにはかないませんでした。馬は本当にわからないものです・・・」>
(アワー・プレジャー2019年9月号 ザ・ブラッド 血統表を紐解く! T.I.Sより)

 ブラックタイドは期待された馬で、私も期待していました。ディープインパクトよりブラックタイドの方が好きでしたね。しかし、競走成績では大きな差が出たのです。ブラックタイドは優秀な弟がいなければ、種牡馬になることもできなかったかもしれません。これは逆に「ブラックタイドが種牡馬になれたのはディープインパクトの兄だったため」という感じです。


■2020/10/20 馬は本当にわからない…後継種牡馬争いでも…?

 「馬は本当にわからないものです・・・」という金子真人さんのコメントで言うと、過去形になってはしまうのですが、種牡馬としての兄弟の活躍具合を見てもおもしろかったかもしれませんね。

 御存知の通り、ディープインパクトは種牡馬として成功しまくっており、競走成績と同じで普通にブラックタイドよりずっと良いです。ただ、後継種牡馬争いとなると、途端に怪しく…。あれだけすごい種牡馬成績で、G1馬を出しまくっているにも関わらず、G1を勝ちまくる牡馬がディープインパクト産駒にはいなかったんですよね。13億稼いたジェンティルドンナは文句なしの超名馬でしたが、牝馬でした。

 一方で、ブラックタイドはジェンティルドンナを大幅に上回る19億近く稼いだキタサンブラックという超名馬を、弟比べて繁殖牝馬の質が大きく劣る中で生み出しています。ディープインパクト産駒の種牡馬はスケール不足のため、私はディープインパクトの血が途絶える…というまさかの事態まで想定していました。

 ところが、ほぼ最後の最後というところで、ついにディープインパクトにも牡馬の超名馬が誕生します。コントレイルです。これを書いている時点では菊花賞前で、今後一切G1を勝たなかったとしてもすでにG1を3勝。しかも、6戦6勝でここまで来ました。ディープインパクトの最高傑作と言って良いでしょう。ディープインパクトがすでに亡くなった後の活躍馬であり、終わりかけたところでこういうことが起きるのがおもしろいですね。

 なお、コントレイルは新馬戦から1番人気だったものの、実を言うと、POG的にはそれほど人気ではありませんでした。私はPOGで指名していたんですけど、穴人気で競えるルールのPOGにおける指名だったので、人気なら切っていました。POG期待馬が走らないとか、そうでもなかった馬が活躍とかいった話は全く珍しくなく、むしろよくある話。馬は本当にわからないものですね…。


2024年8月14日水曜日

亡くなったアブドゥラ殿下(ジュドモントファーム)の馬が豪華すぎ!

■2021/01/21 亡くなったアブドゥラ殿下(ジュドモントファーム(の馬が豪華すぎ!
■2021/04/01 王族なのになぜ実業家に?アブドゥラ殿下のサウジアラビアでの立場


■2021/01/21 亡くなったアブドゥラ殿下(ジュドモントファーム)の馬が豪華すぎ!

 サウジアラビアのハーリド・アブドゥラ殿下が亡くなりました。オーナーブリーダーであり、イギリス・アイルランド・アメリカにあるジュドモントファームは殿下が統率。所有者が亡くなった場合は、所有馬が散り散りバラバラになったり売却されたり…ということも過去にはあったのですけど、一族が事業を継承し、これまで同様に競走馬の生産と所有を続けると発表されていました。

 これを伝えた記事【海外競馬】アブドゥラ殿下の死去後もジュドモントファームは事業継続(netkeiba.com 2021年01月19日)では、主な所有馬を紹介していたのですけど、競馬史に名を残す名馬が1頭2頭ではなく、本当にゴロゴロいてため息が出るほど…。あまりにも豪華すぎる…と話題になっていました。

アロゲート 2017年ドバイWCなどG1・4勝
ウォーニング 1988年QE2世SなどG1・2勝
エネイブル 2017/2018年凱旋門賞などG1・11勝
エンパイアメーカー 2003年ベルモントSなどG1・3勝
オアシスドリーム 2003年ジュライCなどG1・3勝
キングマン 2014年愛2000ギニーなどG1・4勝
コマンダーインチーフ 1993年英愛ダービー
ザフォニック 1993年英2000ギニーなどG1・3勝
ダンシングブレーヴ 1986年凱旋門賞などG1・4勝
デインヒル 1989年スプリントC
ノーブルミッション 2014年チャンピオンSなどG1・3勝
フランケル 2012年チャンピオンSなどG1・10勝
レイルリンク 2006年凱旋門賞などG1・2勝
レインボウクエスト 1985年凱旋門賞などG1・2勝
ワークフォース 2010年凱旋門賞などG1・2勝
(ジュドモントファーム名義の米国所有馬も含む)


■2021/04/01 王族なのになぜ実業家に?アブドゥラ殿下のサウジアラビアでの立場

 ウィキペディアからアブドゥラ殿下の補足。ウィキペディアでは、アブドゥラ殿下について、「ハーリド・ビン・アブドゥッラー」「ハーリド・ビン・アブドゥッラー・アール=サウード」といった表記をしていました。サウジアラビアの王族で、サウジアラビア初代国王アブドゥルアズィーズ・イブン・サウードの弟の息子であり、第2代以降のサウジアラビア国王のいとこである血統です。
 こうした説明を聞くと立派な血筋だと思うかもしれませんが、直接、国王に連なる血統ではありません。王位継承権はアブドゥルアズィーズ・イブン・サウードの男系の子孫に限られているため、王位継承権もないそうです。この関係もあって、ウィキペディアでは、<サウジアラビアの王族としては傍系にあたるため実業家に転進し、マワーリド・グループ(Mawarid Group)を設立し、イギリスを主な拠点として活動している>と説明していました。私は多数いる王族の一人でしかないために、実業界で名を上げなくてはいけなかった…みたいな説明も聞いたことがあります。
 で、特に成功したのが競馬です。1970年代後半からオーナーブリーダーとして活動し、イギリス・アイルランド・アメリカでジュドモントファーム(Juddmonte Farm)を所有し、イギリスに種馬場としてバンステッドマナースタッド(Banstead Manor Stud)も所有。 バンステッドマナースタッドでは、種牡馬だけでなく功労馬の繋養も行っているとのこと。こちらのウィキペディアによると、あのフランケルが現在繋養中の他、以下のようなメンツだそうです。

<種牡馬>
    Champs Elysees / シャンゼリゼ
    Dansili / ダンシリ(2001年 - )
    Oasis Dream / オアシスドリーム(2004年 - )
    Frankel/フランケル(2013年-)
    Cacique / カシーク(2007年 - 2010年、2013年-)
    Bated Breath
    Kingman/キングマン

<過去の種牡馬及び功労馬>
    Beat Hollow / ビートホロウ(2003年 - )
    Deploy / ディプロイ(1991年 - 2002年、移動)
    Generous / ジェネラス(1992年 - 1995年、移動)
    Rainbow Quest / レインボウクエスト(1986年 - 2007年死亡)
    Warning / ウォーニング(1991年 - 1996年、輸出)
    Zafonic / ザフォニック(1994年 - 2002年死亡)
    Three Valleys / スリーヴァリーズ(2008年 - )
    Zamindar / ザミンダー(1998年 - )
    Rail Link / レイルリンク(2008年 - )
    Observatory / オブザーヴァトリー(2002年 - )
    Hasili / ハシリ(2012年 - 2018年死亡)

2024年8月13日火曜日

終わらない西高東低 関西馬が史上初の10連勝を記録

■2020/10/31 終わらない西高東低 関西馬が史上初の10連勝を記録


■2020/10/31 終わらない西高東低 関西馬が史上初の10連勝を記録

 関東馬より関西馬が強いという、競馬の西高東低が未だに変わりません。2020年08月01日の新潟競馬では、1~10Rを関西馬が勝利。データのある86年以降、同競馬場での関西馬10連勝は初めてだといいます。

 内訳は関東馬95頭、関西馬は99頭ということで、そもそも関西馬の方が多かったというのはあります。2020年は東京五輪と暑さ対策の関係で変則的で、新潟開催と札幌開催という組み合わせで、関西馬が多い小倉開催がなかったため、関西馬が多かったのでしょう。

 とはいえ、出走頭数としてはほぼ互角なのですから、やはり関東馬が圧倒的に弱いことには変わりありません。前述の10レースのうち、関西馬同士のワンツーで決まったのは計6レースで、馬券圏内(1~3着)独占は計4レースという圧倒ぶり。

 さらに、土日の新潟では全24レース中、関西馬17勝に対して関東馬は7勝。関西馬の出走がなかったレースも含む7勝だそうですから、実際はもっと悪かったのでしょう。また、関西馬によるワンツー決着は計12レースと、やはり東西格差が目立っていたと今週も新潟で関西馬が大暴れ 1-10Rを制圧 | 競馬ニュース - netkeiba.comでは書いていました。


2024年8月12日月曜日

夢の血統…ノーザンテーストと種牡馬御三家(サンデーサイレンス、ブライアンズタイム、トニービン)の全部入り

■2018/10/13 夢の血統…ノーザンテーストと種牡馬御三家(サンデーサイレンス、ブライアンズタイム、トニービン)の全部入り
■2021/02/28 ブライアンズタイムとトニービンの血統が途絶えそうでヤバイ…
■2023/03/14 ミラクルアドマイヤの奇跡の1頭カンパニー…当時の種牡馬評価は?
■2022/10/24 圧勝!ジャングルポケット孫・トーセンジョーダン産駒の最高傑作?
■2022/06/25 イロゴノミVSオレゴノミ 片方はトニービン系の期待馬、兄はG1勝利


■2018/10/13 夢の血統…ノーザンテーストと種牡馬御三家(サンデーサイレンス、ブライアンズタイム、トニービン)の全部入り

 曽祖父世代が父父サンデーサイレンス、父母父ノーザンテースト、母父父ブライアンズタイム、母母父トニービンという日本の重要な種牡馬が、血統上で揃い踏みの馬が、掲示板で指摘されていました。ノーザンテーストはサンデーサイレンス以前のすごかった馬。他3頭は種牡馬御三家と言われていました。

 [1] ビヤサンさん
三代父が
サンデーサイレンス、ノーザンテースト、ブライアンズタイム、トニービン
現在の日本競馬に多大なる貢献をしてきたサイアーたち
 シロボシの掲示板 | 競走馬データ - netkeiba.com

 この馬、父父もディープインパクトというやはり日本の歴史に名を残すであろう重要種牡馬。ただ、母父は好きな馬ですけど種牡馬としては成功しなかったタニノギムレット。 そして、父はトーセンホマレボシなんですよ。全然です。
 この馬は、名前はシロボシというシンプルで良さそうな名前なのですけど、今のところ3戦してすべて二桁着順。たぶん未勝利を勝ち上がることは無理だと思います。

 同様の配合を検索してみると、全姉でリネンロマンというのがいました。未勝利2着2回が最高ですけど、800万円近く稼いでおり、弟のシロボシよりは良さそうでした。
 また、全くの同配合にこだわらなければ、もっとたくさんいそうですね。例えば、サンデーサイレンスだけ1つ下の父父にしたら…と見ると、これでも1頭のみでした。地方馬のアフィートという馬。父はデュランダルで、20戦して賞金ゼロです。
 さらにいじって、父父[サンデーサイレンス]、父母父[トニービン]、母父[ブライアンズタイム]、母母父[ノーザンテースト]で検索。4頭出たものの、賞金790万円のイノチノリユウ(父ハーツクライ)という馬が最高。
 血統表見ると夢があるのですけど、現実には全然走らないようです。

■2021/02/28 ブライアンズタイムとトニービンの血統が途絶えそうでヤバイ…

 ディープインパクトやステイゴールドが素晴らしい成績であるなど、孫世代もすごかったサンデーサイレンス。しかし、あれだけ偉大だったサンデーサイレンスはひ孫世代でイマイチな感じ。ディープインパクトやステイゴールドも後継種牡馬で見るとインパクト不足なのです。コントレイルがたぶん成功して、キタサンブラックもまだ可能性があるとは思うのですけど、ひょっとしたらサンデーサイレンスすら直系血統が途絶えたかもしれない…という感じでした。
 で、これを見ているときに、ブライアンズタイムやトニービンなんかはもう駄目になったよね…と思ったので確認してみることに。
 まず、ブライアンズタイムの孫世代。ナリタブライアンが早逝し、私が期待したタニノギムレットもいまいち。ウオッカという歴史的名馬を出したものの、惜しいことに牝馬でした。3億円ホースは私が大好きだったスマイルジャックまでで、半分はマヤノトップガン産駒です。

ブライアンズタイムの孫 3億円ホース 5012頭中4頭

ウオッカ 牝 タニノギムレット 130,487.60
プリサイスマシーン 牡 マヤノトップガン 50,830.20
メイショウトウコン 牡 マヤノトップガン 43,763.00
スマイルジャック 牡 タニノギムレット 38,548.30

 ブライアンズタイムの孫の3億円ホースは5012頭中4頭で、サンデーサイレンスの孫の場合なんと34,034頭中127頭。全体の頭数が多いとは言え、127頭というのは圧巻。また、確率としても普通に圧勝しています。サンデーサイレンスのすごさがわかりますね。

ブライアンズタイムの孫 3億円ホース 5012頭中4頭 0.08%
サンデーサイレンスの孫 3億円ホース 34,034頭中127頭 0.37%

 種牡馬的にはトニービンの方が好きですし、トニービンではジャングルポケットが大好き。種牡馬としてはジャングルポケットはタニノギムレットより頑張った感じなのですが、1位はなんとミラクルアドマイヤ産駒のカンパニー。カンパニーが出たときにはミラクルアドマイヤって実はすごい種牡馬なのでは?と思ったものの、その後は普通に良い馬が出てこないで一発屋のまま終わっており、血の不思議さを感じます。ちなみに3億円ホースの中での一番下はこちらも私が大好きなエアソミュールとなっていました。スマイルジャックと両方POG指名馬です。
 カンパニーという例外があるものの、トニービンの場合はほぼジャングルポケット頼みな状態でしたが、それでもブライアンズタイムよりは頑張りました。とはいえ、サンデーサイレンスとは全然当然相手にならず、存続が怪しくなってきていることがこのデータの時点で推測できるものでした。

トニービンの孫 3億円ホース 3,324頭中6頭 0.18%
ブライアンズタイムの孫 3億円ホース 5012頭中4頭 0.08%
サンデーサイレンスの孫 3億円ホース 34,034頭中127頭 0.37%

カンパニー 牡 ミラクルアドマイヤ     93,969.80
トーセンジョーダン 牡 ジャングルポケット     70,506.00
オウケンブルースリ 牡 ジャングルポケット     50,386.30
ジャガーメイル 牡 ジャングルポケット     46,054.50
アウォーディー 牡 ジャングルポケット     43,510.40
エアソミュール 牡 ジャングルポケット     32,104.80

 比較するまでもないといった感じですが、一応ひ孫世代も見てみます。やはり悪いのですが、孫世代と逆にひ孫世代では、トニービン産駒ではミラクルアドマイヤの奇跡のまぐれ当たり産駒だったカンパニーの子どもたちの方がむしろ健闘。これも血の不思議ですね。トップはカンパニー産駒のウインテンダネスで1億4000万円でした。ただ、カンパニーは父があれでも母系が優秀なため、全くわからない話ではなく、母系を重視する私好みでもあります。
 一方、ブライアンズタイムの孫ではそもそも種牡馬入りした活躍馬が少なく、ひ孫世代はほとんどいない状態。残念ですね…。1億円ホースを望むのも無理そうな感じ。トップは、クレスコグランド産駒のメイショウオトワで2000万円ほどでした。どうしてこうなった…?

トニービンのひ孫 3億円ホース 669頭中0頭
ブライアンズタイムのひ孫 3億円ホース 380頭中0頭
サンデーサイレンスのひ孫 3億円ホース 12,849頭中4頭 (ラッキーライラック、ミッキースワロー、ミツバ、クリンチャー)

 こちらも好きな馬ではありますが、予想外なのが、グラスワンダーという意外な馬から血統が続いていきそうであること。グラスワンダーは子供のスクリーンヒーローが種牡馬として予想に反して大成功。孫世代では名馬モーリスなどが種牡馬入りしており、ひ孫世代でも大物が出そうな感じがあります。このグラスワンダーはSilver Hawk産駒で、ブライアンズタイムと同じロベルト系で、もう少し前まで見ると、サンデーサイレンスと同じヘイルトゥリーズン系だと言えます。ヘイルトゥリーズン系の日本での成功はもう少し続くかもしれません。
 また、予想外に大物が出るということで驚いているのが、キングカメハメハの孫世代。名馬ロードカナロアの成功は予想外ではないものの、ルーラーシップの成功は予想外でした。キングカメハメハ系の3億円率はイメージほどよくないものの、名馬アーモンドアイの他、牡馬でも種牡馬として人気を集めそうな馬がいて、こちらも続きそうな予感がします。(ひ孫世代はまだ未誕生)

キングカメハメハの孫 3億円ホース 4,946頭中6頭 0.12% (アーモンドアイ     キセキ     サートゥルナーリア     ダノンスマッシュ     ステルヴィオ     ダンビュライト)


■2023/03/14 ミラクルアドマイヤの奇跡の1頭カンパニー…当時の種牡馬評価は?

 カンパニーの種牡馬デビュー前のサンケイスポーツ記事をベースにした過去投稿が出てきたので大幅に見直しながら紹介していきます。

【新種牡馬連載(1)】カンパニー(2013.3.26 15:55)
・競走成績
<日本で35戦12勝。重賞は9勝。8歳時に天皇賞・秋、マイルチャンピオンシップを制している。6歳春シーズンのみ不出走だったが、それ以外のシーズンはコンスタントに使われてキャリアを積み重ねた。勝ち星は1600~2000メートルのみ。この得意距離での安定感は抜群のものがあった>
http://race.sanspo.com/keiba/news/20130326/pog13032615560000-n1.html

 種牡馬成績がすごかったディープインパクトはG1馬が多いにも関わらず、G1を2つ勝っている馬となるとぐっと減ります。それを考えるとカンパニーの戦績は驚くべき良さ。以前書いたように、カンパニーの父ミラクルアドマイヤは競走成績は極めて悪かったためです。また、これも以前書いたように、カンパニー以外はさっぱり走らなかったので、「ミラクル」なまぐれ当たりで、本当、奇跡の1頭といった感じです。

・血統
<父ミラクルアドマイヤは現役時1勝のみだったが、ダービー馬フサイチコンコルドの弟という血統が評価されて種牡馬入り。カンパニー以外に中央でのオープン馬は出せなかったが、血統構成としては優秀だ。母系も優秀で、兄弟のうち4頭がオープン馬に出世。従兄弟のトーセンジョーダンは天皇賞・秋を制している>

 ここで出てきた従兄弟のトーセンジョーダンはジャングルポケット産駒。つまり、トニービンの孫です。これはカンパニーと同じですから、2頭とも同じ父父トニービン。そして、従兄弟なのですから当然母母も同じクラフテイワイフ 。カンパニーとトーセンジョーダンはかなり似た血統構成なんですね。
 この血統に関して、「私は牝系重視なので、結構カンパニーに期待していますけど」と書いていました。実際、予想外に健闘しています。初年度産駒としては、当時、以下のあたりが期待馬でした。

<この世代の新種牡馬としては最も多い139頭の繁殖牝馬を集めた。この中にはローザネイ(ロゼカラー、ロサード、ヴィータローザの母)、ナムラシゲコ(ナムラビクターの母)、クリアーチャンス(マッキーマックスの母)などが含まれている>

 高齢とは言え、ローザネイ(ロゼカラー、ロサード、ヴィータローザの母)は良血ですね。牝系の優秀な父と母の子で楽しみです。馬名はローザフィナーレに決定したようです。
 なお、適性診断については、当時は以下のような見立てでした。

<半兄ニューベリー(父フジキセキ)はダートでのオープン勝ちもあったが、こちらはトニービン系。適性は明らかに芝向きと考えられる。自身の競走成績は8~10ハロンに良績が集中していただけに、産駒も芝のマイル~中距離がベストだろう。晩成のイメージが強いが、一族を見ても早い時期から能力の一端を見せている馬が多い。うまく軌道に乗ればクラシックにも十分間に合う産駒が出てくるはずだ>


■2022/10/24 圧勝!ジャングルポケット孫・トーセンジョーダン産駒の最高傑作?

 サンデーサイレンス産駒と比較にならないほど低レベルな争いではありますが、トニービン産駒ではジャングルポケットの種牡馬成績の方がカンパニーより良かったです。一方、孫世代になると逆転状態に…。
 そんなジャングルポケットの孫・トーセンジョーダン産駒としては、バリアントバイオに密かに期待していました。母エスカレートバイオは地方1勝程度であり、どうってことありません。ただ、兄が2頭とも中央で勝ち上がっており、トーセンジョーダン産駒としては最高クラスの肌馬でしょう。

 とはいえ、人気ではないために正直そこまでの期待はしていませんでした。阪神ダート1800でのデビューで、私が見た予想オッズではブービー人気。当日も10頭中7番の17.8倍でした。
 レースでは和田竜二騎手がやる気ない感じで後ろから…。もともと追い込みが難しいダートでしかもスロウが予想される新馬戦ですので、ある程度の位置についてほしいな…と私は苦々しく眺めていました。
 ただ、テンが遅かった割に馬の方はやる気があり、騎手の指示ではなく勝手に前方集団との間を詰めてった感じで、まだ可能性があるかな…という離されない位置を確保しました。えらいぞ、バリアントバイオくん!
 とはいえ、直線大外持ち出すところまでは目立って見えなかったんですよ。…ところが、追い出してからものすごい足でなんと8馬身差の圧勝でびっくり。馬券内でまでは期待していましたが、圧勝どころか勝利までは期待していませんでした。
 やる気がない騎乗だと思って見ていたものの、結果論としては前半に急かさずに足を溜められたのが良かったのかもしれません。

 正直、新馬戦や未勝利のダートで圧勝するケースはよくあり、着差の割に強くないことはよくあります。上でも活躍できるかどうかは不透明。ただ、とりあえず、以下のようにnetkeibaの掲示板でも好評でした。無理でしょうけど、ジャングルポケットの血統が続いてくれないか?と夢を見ておきたいですね。

 [12] 遠藤騎手(38)さん FAVoFZE
トーセンジョーダンの最高傑作っすね~

 [58] お散歩おじさんさん OIYnFXg
う~ん、最内で出遅れも関係なし凄いキック力で余裕の勝ち上がり、これは走るわ。

 [65] N.D.さん kkdHZEA
手前を替えてからの脚は明らかに一級品だなぁ。まだまだ課題山積だが、素材としてめちゃくちゃ楽しみな馬だ

 [67] ミスター4さん NJUicpM
上がりタイムヤバいなw
次走は人気するから単勝系買った方おめでとうございます

 [69] かめさん EWMoFXU
バケモン

[72] やまとさん EzZ2WBg
後ろ脚のキック力が凄いし、前脚の掻き込みはトーセンジョーダンを彷彿とさせますね。

 [73] タカみっちーさん ElcolUk
絶滅近いトニービン直系の後継馬になるんだ!


■2022/06/25 イロゴノミVSオレゴノミ 片方はトニービン系の期待馬、兄はG1勝利

2022/06/25:途絶えそうなトニービン系の中でもカンパニーに見劣りしてしまっているジャングルポケット。種牡馬入りした馬の中では一番好きなんじゃないかというほど好きなので残念です。
 そのジャングルポケットの数少ない2022年のデビュー馬の中では「イロゴノミ」という牡馬が比較的良いのではないかと期待していました。兄弟3頭で勝ち上がりは1頭のみなのですが、その1頭は3勝。最近のジャングルポケット産駒としては優秀な血統です。

 なお、この兄弟はイロシリーズの名前。3勝の長男はイロゴトシ。「イロ・ゴトシ」で切って意味がわからん!と思ったのですが、「イロゴト・シ」で色事師ですね。私は「女たらし」の意味を真っ先に思い浮かべたものの、「歌舞伎で、色事(情事)を演じるのを得意とする役者」という意味でもあるそうです。
 他の姉2頭は、 イロエンピツ、 イロコイザタという名前。これらは母 イロジカケに由来。さらにその上の母となると、父クロフネ、母リッジローズ Ridge Roseであり、イロやカラーといった感じではありませんね。

 このイロゴノミが出た新馬戦は、オレゴノミという似た感じの馬がいてちょっとおもしろかったところ。オレゴノミは母のアナタゴノミ由来でしょうね。兄弟が多いにもかからわず、イロゴノミと違って兄弟に似た感じの馬はなく、ここに来て初めての母にちなんだ感じの命名です。
 また、アナタゴノミの母はアララットサン、父デヒアであり、こちらも特に関係はなさげでした。

 新馬戦の方のレース内容の方ですが、イロゴノミは積極的に2番手で行き、直線は先頭で回ってくるという見せ場がありました。ただ、最後はバテて終わってみれば12番人気の12着。良い騎乗だと思ったものの、先にバテたと思った逃げ馬が差し返して勝っており、早仕掛けだったかもしれません。
 一方、オレゴノミの方は道中からぽつんと1頭遅れて最後までそのまま。13番人気で16着、大差のブービーからさらに大差という惨敗をしています。競馬にならなかった感じです。
 このオレゴノミはちょっとダメそうですが、イロゴノミの方は先行力を見せたので、どこかで穴を開ける場面もあるかもしれません。もうちょっと期待しておきたいです。

2023/04/16:期待していると書いたイロゴノミですが、4戦して中央では勝利を上げられず。9着が最高という不甲斐なさでした。地方移籍後は勝利を上げていますので、また中央に戻ってきて奇跡の活躍をしてくれませんかね…?
 ところで、今回追記したのはイロゴノミではなく、以前名前について書いていた兄のイロゴトシの方。2023/4/15(土) 中山グランドJで、イロゴノミのお兄さんだな~と思って見ていたら勝ってしまってびっくり。障害とはいえ、G1馬です!
 事前に見ていたときに結構人気しているなと思ったのですが、終わってから見直すと17.1倍の6番人気程度。他の馬とオッズを見間違えていたのかもしれません。
 後から戦績を見直すと、17.1倍の6番人気ですら過剰人気と思える内容。障害は2戦目で障害4歳以上未勝利を勝利後、ペガサスジャンプS(OP)を5番人気3着になった後、いきなりのG1挑戦でした。17.1倍の6番人気だったのは不思議ですし、勝利してしまったのも不思議。しかも、2着に大差での圧勝でした。17.1倍だったというのは、見る目ある人が多かったのかもしれません。

2024年8月11日日曜日

故障前の馬はむしろ良い手応え?テンポイントやマイネルフロストの例

■2020/10/22 故障前の馬はむしろ良い手応え?テンポイントの場合
■2020/10/22 絶好の手応えで負傷、マイネルフロストの例も…


■2020/10/22 故障前の馬はむしろ良い手応え?テンポイントの場合

 テンポイントの故障は、極端な斤量の重さのことが主に言われます。Wikipediaによると、実際、懸念する声があったことが書かれています。

<年が明け、テンポイント陣営は海外遠征を行うと発表。2月に遠征における本拠地であるイギリスへ向けて出発することになった。
発表後、関西圏のファンから遠征の前にテンポイントの姿を見たいという要望が馬主の高田や調教師の小川に多数寄せられるようになった。これを受けて小川は壮行レースとして1月22日の日本経済新春杯に出走させることを主張した。高田は重い斤量を課されることへの懸念から内心出走させたくなかったものの判断を小川に委ねた。小川は67kg以上のハンデキャップを課された場合出走を取り消す予定であったが、発表された斤量は66.5kgであったため出走を決定した。一方、馬主の高田、主戦騎手の鹿戸、吉田牧場の吉田重雄は66.5kgの斤量に懸念を抱いた>

 ただし、意外なことに、レースでは向こう正面半ばまで先頭を進み、そこからエリモジョージやビクトリアシチーに競りかけられたものの斤量を苦にしている様子はなく、鞍上の鹿戸騎手はむしろ「楽勝だ」と感じていたそうです。楽勝という走りだったにも関わらず、第4コーナーに差し掛かったところで左後肢を骨折し競走中止となりました。

■2020/10/22 絶好の手応えで負傷、マイネルフロストの例も…

 これで思い出したのが、マイネルフロストです。マイネルフロストも故障発生時のレースは、第4コーナーで上がっていくところでした。以下がマイネルフロストのWikipediaの記述です。

<2020年は、1月26日のアメリカジョッキークラブカップに出走。出走12頭中、最低人気の12番人気での出走となった。スタートから5番手を追走。バックストレッチから第3コーナーに差し掛かる時点で、2番手3番手に位置していたステイフーリッシュやグローブシアターを外からまくり、2番手に進出し逃げたスティッフェリオを窺う位置であった。しかし最終第4コーナーにて故障が発生し後退、競走中止>

 さらに、日本ダービーで3着という最も調子が良かったときにもマイネルフロストに騎乗していた松岡正海騎手は、良かった頃のような手応えだった…といった内容のことを語っていました。 

 例が少なくて、そもそも手応えが良かったときではない故障が大半のような気がするのですが、このように絶好の手応えで故障が起きやすい…というのもわかる気がしますね。故障しやすい・負担が大きいときというのは、ゆっくり歩いているときよりもスピードを出しているときです。車でも事故が大きくなるのは、スピードを出しているときですよね。

 名馬ほど故障しやすいという迷信みたいなのがあるのも、同じ系統の話かもしれません。そりゃそうだろうと言われちゃいそうですが、速いからこそ故障しやすいのだと想像されます。

2024年8月10日土曜日

2歳牝馬4連闘で非難、馬主はミルファームで石毛善彦厩舎

■2017/12/05 2歳牝馬4連闘で非難、馬主はミルファームで石毛善彦厩舎
■2020/07/25 同じレースに12頭出走、ミルファームが日本新記録も2頭出しに完敗
■2013/1/6 浅見秀一厩舎のソルダテッサ 調教1ヶ月で40kgの激減でそのままデビュー
■2013/1/2 1000万下で勝ったのに、なぜか次走で障害入りしたターニングポイント

■2017/12/05 2歳牝馬4連闘で非難、馬主はミルファームで石毛善彦厩舎

 500万条件に未勝利の馬が出ていました。それも、未勝利でも下位争いばかりしている馬です。ミルファームで石毛善彦厩舎のレディオブザレイクという馬でした。
 このようなパターンで多いのは、「出走レースがないため」「特別出走手当を得るため」で、勝負になると見込んでいることはほとんどありません。
 レディオブザレイクの場合は、過去にも すずらん賞(OP)に出ており、戦績の悪さを含めて明らかに後者のようでした。

 出走前はこれしか気づかなかったんですが、後からネット競馬の掲示板を見て驚いたのが、驚異の4連闘だったこと。前走のレース間隔を見ないのは私の悪い癖で、反省する必要はあるものの、それより何より4連闘ってのはきついですね。掲示板では非難轟々でした。

 mikoさん[20]
馬を壊す気なのか。毎週のように走らせて!
しょーさん [19]
これはかわいそうだぞ
パドックなんて全然元気ないじゃんか
 [16] フォンテンさん
4連闘とかなに考えてんの。競走馬は消耗品なのか?
 http://db.netkeiba.com/?pid=horse_board&id=2015100127

 3連闘の時点で 「え~っと、3連闘ですか。さすがミルファームですな」(フォンテンさん)というコメントがありました。定評があるんですかね?
  あと、前代未聞だと思ったものの、過去にも例があり、その例では死んでしまったというコメントがありまいた。

  [24] メリーちゃんさん
この厩舎とオーナーは使い方が酷すぎます。2歳牝馬の子に4連闘とかありえません。
以前応援してた大好きだった子も函館に滞在してても4連闘で使われレース中に亡くなりました。こういう事は二度とあってはいけません。

  休ませてあげて!というコメントもありました。

  [22] Kさん
レイクちゃん、お疲れ様でした。
無事の完走良かったです。
毎週毎週きつかったよね。
馬主さん、厩舎の方、暫くレイクちゃんをお休みさせてあげてください。
彼女のこれからの成長の為にも、お願いします。

 [21] Kさん
出走料を稼ぐ為だけですか?
2歳のこれからの仔にあんまりです。
こんなに酷使されたら、ここぞという時に力が出せないでしょう。
レイクちゃん、無事に回ってくるだけで良いよ。
これが終わったら、暫くお休みがもらえますように!
レイクちゃんの無事の完走を願っています。

 ところが、今見ると、既に登録抹消 されています。永遠の休みになってしまったかもしれません。


■2020/07/25 同じレースに12頭出走、ミルファームが日本新記録も2頭出しに完敗

  ミルファームが、新潟1R・芝直線1000mの2歳未勝利戦に12頭の所有馬を出走させます。これは同一馬主の多数出しとしてはJRA史上最多。1・2・4・6・7枠はミルファームの染め分け帽になるというこですが、同じ勝負服だらけでカオスですね。実況泣かせでもあるでしょう。
https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=174353
 これ、何頭立てなのか?と言うと、16頭立て。一応、他の馬主の馬もいます。この時点で1頭は掲示板が確実ですが、ミルファームですので、 人気馬はいないんじゃないかと予想。見てみると、3番人気、6番人気、10番人気、11番人気がミルファーム以外でした。意外なことに、ミルファームの馬がむしろ人気です。
 しかし、結局、ミルファームらしいのが、この人気でも連対を外したこと。3番人気の馬が1着で、10番人気の馬が2着で3着が最高でした。そして、この1,2着なんとビッグレッドファームの2頭出しでした。12頭出しで不人気馬含む2頭出しの馬主にワンツーされるってある意味すごいですね。

■2013/1/6 浅見秀一厩舎のソルダテッサ 調教1ヶ月で40kgの激減でそのままデビュー

  掲示板情報なので不確かなところがありますが、追分ファーム生まれ、社台レースホースが馬主という立派なステータスで浅見秀一厩舎に入った牝馬ソルダテッサが酷いことになっているようです。

-----引用 ここから-----
 [104] ゲストさん
推定馬体重が410キロになっている時点で、期待するのもかわいそうで。

想像していた以上に食べなくなってしまったのでしょうね。

2012年12月21日 15:54:49


 [105] Soldaさん
私もさすがに凹みました。<b>約一ヶ月間調教のみで、-40キロ。輸送減りした訳でもなし、しかも500キロの馬が40キロ減るのとは訳が違う</b>…陣営からはカリカリしている、使いつつの変わり身を!など泣き入りまくり…おまけに明日は力の要る馬場に最内枠…酷だね

2012年12月21日 17:28:38


[106] 強い女性さん
育成段階で皮膚病や飛節の弱さから負荷のかかった調教をせずにバトンタッチした結果かな。
焦らずに一度膨らませてから仕切り直しでも良かったかな

2012年12月21日 20:10:10


[107] ドルメロの魔術師さん
使わない勇気を出して欲しかったです。410kg台なんて、まともな状態なわけないですし、今からでも出走を回避してほしいです。初めての縦縞の愛馬がこんな状態でデビューなんて、泣きそうです。

2012年12月22日 08:13:25


[109] ウマノオーさん

この厩舎、そりゃ勝てんわ。
馬主の方には同情します…

2012年12月22日 13:53:03
http://db.netkeiba.com/?pid=horse_board&id=2010104512
-----引用 ここまで-----

 推定馬体重が410キロで-40kgでしたが、実際はどうだったのでしょう?実はそんなに減ってなかったということがあったりして……?

2012/12/22 5阪神7 2歳新馬 54 芝1600  408(0)

 しっかり減っていました。410キロで大体見込み通り、さらに2kg軽い408kgです。


 こんな状態ですもの走るはずもなく、8番人気11着。

-----引用 ここから-----
 [110] ぶたぶたさん
びしょ濡れになり、愛馬も大敗して最悪だw
馬をみる目無いな…
by府中
2012年12月22日 17:05:11

 [111] 久住比呂さん
スタートで出遅れ、その後も見せ場すらなかったですね。
良くなるには少し時間がかかりそうですね。
2012年12月25日 09:59:30

[113] 北枕鳩三郎さん

現地で見た印象では、
やはり馬体重どおり貧弱で非力な馬という感想です。

これでは、今の坂路で時計はでませんし、
力のいる暮れの阪神の芝では、ヨレてしまうも仕方がないと思います。

ジョッキーも安全運転に終始心掛けていたように、
今回の1戦は、陣営の意思とは別に、使わなければならない理由も
あったのだろうと推測しています。

パドックでの歩様では、素質の高さを感じさせる部分を随所に見せていました。
返し馬の雰囲気も悪くなく、やはり体調面さえしっかりしてくれば、
の印象は強く持ちました。

きちっと立て直して身体が戻り、ある程度、稽古で時計をつめられれば
次回は巻き返せると思います。

ただ、成長力に期待したいのですが、
明らかに晩成というタイプでもないので、
その辺りは不安な材料であります。

2012年12月29日 23:00:03
-----引用 ここまで-----

 どういう意図での出走となったんでしょうね?出走手当ての仕組みを理解できていないんですけど、そこらへんかなぁ?
 馬券を買った方はかわいそうですけど、"ジョッキーも安全運転に終始心掛けていた"のなら、それはレースをしたと言うよりは単に走ってみただけという感じです。


■2013/1/2 1000万下で勝ったのに、なぜか次走で障害入りしたターニングポイント

 まあ、芝で活躍したまま障害に行ってもいいんですけど、普通は平地でダメになってからというパターンが多いのでちょっと驚きでした。

 実は1000万条件はかなり前。2008/12/14が最初。誕生日は2005年03月27日なので、3歳のとき。このときは、5戦目の2009/04/1袖ケ浦特別(1000万下)を3番人気1着で勝ち上がりました。

 1600万下は1戦しただけで降級。ここから長かった。
 何度も2着をしながらも勝ち上がれずに地味に賞金を稼ぎ続けて、24戦目(数え間違いあるかも)。2011/12/03 中山の3歳上1000万下を6番人気1着で勝利。

 この後休養を挟んだ2012/06/10になぜか障害3歳上未勝利へ。掲示板でうまいこと言っている人がいました。

-----引用 ここから-----
[114] ダシさん

1000万勝って障害入りですか。
ターニングポイントですね。
2012年06月09日 23:47:4
http://db.netkeiba.com/?pid=horse_board&id=2005104786
-----引用 ここまで-----

 勝っていてまだ終わっていない馬だし、4番人気に押されます。

-----引用 ここから-----
[115] いうるさん

練習から見ていきなり圧倒できる可能性も。ここは先物買いで単複に。
2012年06月10日 11:26:40
-----引用 ここまで-----

 ところが、7着。次も3番人気するも9着。再び平地へ戻ることになりました。

-----引用 ここから-----

[116] MARPOOさん

三年前に一度準オープンに昇級し惨敗後に降級、今回二回目の昇級戦となる。障害のペースを覚えてもらってのスプリント戦では困るが、良いリフレッシュになったと思いたい。人気はなさそうで注目したい。
2012年09月09日 08:17:45

-----引用 ここまで-----

 そう、マイネルラヴ産駒でスプリンターなんですよね。平地でスプリンターでも、障害でじゃ走ることがありますからあまり関係ないんですけど、それでも不思議な気がしてしまいます。

 この平地復帰となった2012/09/09 のセプテンバーS(1600万下)は、8番人気6着。次が12番人気11着。
 以前の1600万下でも10番人気14着でさんざんだったとは言え、何で障害行ったのかな?って気はしますね。
 美浦の和田正道厩舎です。


 近親に障害の名馬がいるんでしょうか?

-----引用 ここから-----

サーストンナルビー (牝 1993 芦毛 オグリキャップ)
 |-- サーストンブラボー (牝 1998 栗毛 エルハーブ) 地方1勝
 |   |-- エマドンナ (牝 2004 黒鹿毛 アジュディケーティング) 地方6勝
 |   `-- ターニングポイント (セ 2005 青鹿毛 マイネルラヴ) 4勝、中央現役
 |-- サーストンガール (牝 1999 鹿毛 ナリタタイシン) 2勝
 |   |-- サーストンガールの2005 (牝 2005 鹿毛 アドマイヤコジーン)
 |   |-- サーストンムーン (牡 2007 鹿毛 ヴィクトリースピーチ) 1勝、中央現役
 |   `-- サーストンミシガン (牡 2009 栗毛 オンファイア)
 |-- バシビューティ (牝 2000 鹿毛 アジュディケーティング) 地方3勝
 |-- ユキノジャスティー (牝 2002 栗毛 シルクジャスティス) 地方2勝
 |-- ケイアイノーブル (牡 2003 芦毛 エムアイブラン) 地方7勝
 `-- サーストンエルピス (牝 2004 芦毛 クロコルージュ) 地方1勝

http://db.netkeiba.com/horse/ped/2005104786/
-----引用 ここまで-----

 平地含めて活躍馬はおらず。もうちょっと広げてみます。

-----引用 ここから-----

ウラカワビューチ (牝 1976 黒鹿毛 ボールドリック)
 |-- ウラカワテンザン (牡 1982 青鹿毛 シンザン)
 |-- ウラカワハピネス (牝 1983 黒鹿毛 ノノアルコ)
 |   |-- ハピネスハッピー (牝 1990 鹿毛 ハイセイコー) 1勝
 |   |   |-- アイカンリンドー (牝 1995 鹿毛 リンドシェーバー) 地方5勝
 |   |   `-- アーミローズ (牝 1996 鹿毛 アーミジャー) 地方10勝
 |   |-- ストームホルテ (牝 1991 栗毛 ストームオンザルース)
 |   |-- マイネルフロイデ (牡 1992 鹿毛 コインドシルバー)
 |   |-- マチカネエントロピ (牡 1993 黒鹿毛 トウショウボーイ)
 |   |-- ターフボンバーマン (牡 1994 鹿毛 ダイナガリバー)
 |   |-- シルクブラッド (セ 1995 芦毛 メジロマックイーン) 1勝
 |   `-- ギブミーファイブ (牡 1996 黒鹿毛 コマンダーインチーフ)
 |-- タニピーチケート (牝 1986 鹿毛 マラケート)
 |   |-- ゲートウェイホマレ (牝 1990 鹿毛 ウインドストース)
 |   `-- タニピーチケートの1991 (牝 1991 鹿毛 ミナガワマンナ)
 |-- ロイスレイン (牝 1987 青毛 パーフライト)
 |   |-- トライオール (牡 1994 青鹿毛 フォティテン)
 |   |-- ダイヤモンドマスク (牡 1995 黒鹿毛 ホリスキー)
 |   |-- シャドウプラネット (牝 1996 黒鹿毛 ヘクタープロテクター)
 |   |-- シャドウエンジェル (牝 1997 鹿毛 ヘクタープロテクター) 地方1勝
 |   |   `-- モーゼルシチー (牡 2004 鹿毛 ヤマニンゼファー)
 |   |-- シャドウフォース (牡 1999 鹿毛 ノーザンテースト)
 |   |-- セイアイグロリー (牝 2000 青鹿毛 ベストタイアップ)
 |   |-- ジーエスミリオン (牡 2001 青鹿毛 ベストタイアップ) 地方1勝
 |   `-- ライブリービューチ (牝 2002 青毛 ライブリーワン)
 |-- ビューチポッポ (牡 1988 鹿毛 ラシアンルーブル) 3勝
 |-- マックスファイト (牡 1989 鹿毛 パーソナリティ) 1勝
 |-- ウラカワビューチの1990 (牝 1990 鹿毛 アカビール)
 |-- サーストンシンオー (牡 1991 黒鹿毛 ホリスキー) 地方9勝
 |-- サーストンテイオー (牡 1992 鹿毛 サクラユタカオー)
 |-- サーストンナルビー (牝 1993 芦毛 オグリキャップ)
 |   |-- サーストンブラボー (牝 1998 栗毛 エルハーブ) 地方1勝
 |   |   |-- エマドンナ (牝 2004 黒鹿毛 アジュディケーティング) 地方6勝
 |   |   `-- ターニングポイント (セ 2005 青鹿毛 マイネルラヴ) 4勝、中央現役
 |   |-- サーストンガール (牝 1999 鹿毛 ナリタタイシン) 2勝
 |   |   |-- サーストンガールの2005 (牝 2005 鹿毛 アドマイヤコジーン)
 |   |   |-- サーストンムーン (牡 2007 鹿毛 ヴィクトリースピーチ) 1勝、中央現役
 |   |   `-- サーストンミシガン (牡 2009 栗毛 オンファイア)
 |   |-- バシビューティ (牝 2000 鹿毛 アジュディケーティング) 地方3勝
 |   |-- ユキノジャスティー (牝 2002 栗毛 シルクジャスティス) 地方2勝
 |   |-- ケイアイノーブル (牡 2003 芦毛 エムアイブラン) 地方7勝
 |   `-- サーストンエルピス (牝 2004 芦毛 クロコルージュ) 地方1勝
 |-- ファイナルスター (牡 1995 栗毛 ジングウブレーブ) 地方3勝
 |-- スノーミューズ (牝 1996 栗毛 ディシダン) 地方5勝
 |-- タマビューティー (牝 1997 鹿毛 レオダーバン) 地方1勝
 |   `-- タマビューティーの2002 (牝 2002 鹿毛 ビッグサンデー)
 `-- シスターアシベ (牝 1998 黒鹿毛 ネーハイシーザー)
-----引用 ここまで-----

 うぉー、これだけいて重賞3着に入った馬がいないというのも、ちょっと珍しいかも。この中で中央勝利数を見ると、このターニングポイント号が出世頭な気がします。
 障害転向の思惑はよくわかりませんが、全くの無名の馬なのにいろいろとドラマがあります。


2024年8月9日金曜日

2023年の新人騎手では小林美駒騎手が一番うまい?

■2023/04/19 2023年の新人騎手では小林美駒騎手が一番うまい?
■2024/08/07 騎手になるべくしてなったような「美駒」という名前 なぜ?


■2023/04/19 2023年の新人騎手では小林美駒騎手が一番うまい?

 2023年シーズンの新人騎手は以下の通りだとのこと。

◆美浦所属
石田拓郎騎手
小林美駒騎手
小林勝太騎手
佐藤翔馬騎手
◆栗東所属
河原田菜々騎手
田口貫太騎手

 開幕週で目立ったのは、栗東の田口貫太騎手。騎乗数が多いだけでなく、人気馬が多かった印象。同じく栗東の河原田菜々騎手もかなりの騎乗数でした。栗東の新人はふたりだけであったので、馬が集まった可能性があるものの、良い馬に乗る確率が美浦の新人騎手より格段に高いように見えました。
 開幕週は以上のような印象でしたが、その後、河原田菜々騎手と田口貫太騎手の馬質が逆転した印象。忘れちゃいましたが、騎乗数も逆転しましたかね。結果も良いものが増えて、ルーキーで2番目となるJRA初勝利を記録。すでに2勝目も上げています。

 一方、当初乗鞍に苦労している印象があったのが美浦勢です。小林勝太騎手は同期で最初の勝利をあげたものの、騎乗数・人気馬の騎乗は少なめ。佐藤翔馬騎手はもう少しマシかなと思いますが、やはり同じくらいの感じ。
 石田拓郎騎手はさらにひどく、存在に気づかないレベル。私のメモではまだ1レースしか見ていません。あまりにも悲惨な扱いなので、ひょっとして怪我したのでは?と検索。検索すると、9日間の騎乗停止はあったようですが、同時に、低馬質とも言われており、やはり恵まれていないようです。

 関東勢では、小林美駒騎手も最初は目立ちませんでしたが、最近一気に騎乗数が増加。私は正直見ていてもそれほど良い騎乗があったとは思わなかったのですけど、手元のメモだと新人の中で唯一平均点である3点を超えていてます。しかも、3.3という全ジョッキーの中でベスト3レベルの評価で、新人ではダントツトップの評価でした。
 「じゃあ、気にして見てみよう」と重点的に見始めたその日に初勝利を含む馬券に絡む騎乗を連発。正直、気にして見ていてもそこまで良い騎乗が多いようには感じないのですけど、悪くないですね。とりあえず、今期の新人では一番のお気に入り。もう少し続けて観察したいと思っています。

 あと、「佐藤翔馬騎手」もそうですが、「小林美駒騎手」というのは騎手になるべくしてなったような名前。佐藤翔馬騎手の場合、父も馬に携わる人で、小林美駒騎手もそうかな?と検索したものの、全然情報がなくわかりません。予想外なことに、インタビュー記事なんかもないですね。ウィキペディアもありません。
 それから、私はてっきり「美駒」は「みこま」と読むんだと思っていたら、「みく」でした。たしかに「初年度産駒」などのように「く」と読むことがありますので、そういえばそうだな!という読み方。漢字を見ずに「みく」という音だけ聞くと、馬関係とわからない自然な名前ですね。個人的に好きなネーミングセンスです。


■2024/08/07 騎手になるべくしてなったような「美駒」という名前 なぜ?

 当初、「インタビュー記事なんかもない」と書いていた小林美駒騎手。その後、<“新潟初”のJRA女性ジョッキー 小林美駒騎手はなぜ騎手を目指したのか>(BSN新潟放送)という記事が出ていました。
 というか、新潟出身なんですね。新潟は競馬開催があるものの、新潟出身騎手は珍しい印象。私が新潟に住んでいた当時1人いました。でも、名前が出てきませんわ…。村田だったかな~? …あっ、検索してら村田で合ってましたわ。そうそう、村田一誠。なんかフルネームで読みたくなる小気味よい名前でした。
 今、調教師だと書かれているけど、覚えがないですね…。騎手引退が2020年と最近なのも驚きでした。

<村田 一誠(むらた いっせい、1978年12月20日 - )は日本中央競馬会 (JRA) 美浦トレーニングセンター所属の調教師で、元騎手。 >
<新潟県生まれ。競馬とは無縁の家庭であった。いとこから騎手になることを勧められる[3]。1992年にジャパンカップを勝った岡部幸雄とトウカイテイオーの人馬一体の姿に憧れ、騎手を志した。競馬学校卒業時には努力賞を受賞し、1997年に美浦・松永勇厩舎所属騎手としてデビュー。同期には秋山真一郎、武幸四郎、勝浦正樹、松田大作、武士沢友治、押田純子らがいる。>
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%91%E7%94%B0%E4%B8%80%E8%AA%A0

 このまま村田一誠騎手の話に脱線していきそうなのでストップ。今回は、小林美駒騎手の話です。前述の記事では、以下のような話がありました。取材そのものは、<騎手を目指し、JRA競馬学校に入学する直前の2020年春>というだいぶ前のことだったようです。どうも子供時代から注目だったみたいですね。


【小林美駒さん】「競馬場にポニーリンクがあるんですけど、そこで3歳から乗れたので、3歳から乗ってたと思います。土日とか競馬場が開いているときは、もう毎日ポニーとか乗るのが楽しみでした」

<BSNテレビでは、2015年にもポニーに乗る美駒さんの様子も取材していました。
美駒さんは当時5年生。新潟競馬場乗馬スポーツ少年団に所属し、技術を磨いていました。
徐々に才能を伸ばしていった美駒さんは、中学2年生の時に、全国の騎手強化選手に選ばれるまでになりました。>
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/bsn/315955


 あった!ありました!新潟競馬場のポニー乗り場。めちゃくちゃ懐かしいです。あれ、他だとないんですかね。そういや、札幌競馬場だといなかったっけな? あと、中山競馬場も行きましたけど、あそこ広くてよくわからないですね。

 取材当時、新潟競馬場の乗馬センターに、ほぼ毎日通っていたそうです。単に馬に乗っていたのかと思ったら、馬が生活する馬房の掃除、馬体の手入れなどをしていました。
 手入れした馬は、ユールシンギングという名前が出ています。オープンまで行った馬で名前を覚えている馬でした。どういうこと?と思ったのですけど、新潟競馬場の誘導馬ですかね。で、検索すると、やはり新潟で誘導馬をやっていました。その他、JRAジャパンブリーディングホースショーなるものに出場という話もありました。
 小林美駒騎手は?と言うと、スピードを出したり障害物を飛び越えたりする練習などを行ったということで、やはり馬にも乗っています。

 私が気になっていた「美駒」という名前についての話も登場。兄2人も大騎など馬関係の名前だといいます。両親はもともと競馬が縁で知り合い、結婚したんだそうです。
 また、騎手になったきっかけは、外ラチいっぱいを走る新潟競馬場の1000直線の迫力が理由という新潟競馬場らしい話。というか、言われるまで気づきませんでしたわ。確かに新潟競馬場は特別ですね。私も現地で見たと思うのですが、全く記憶にありません。

「本当に外ラチ沿いを走る馬の迫力とかスピードに衝撃を受けて、『こんな騎手ってかっこいいんだ』って思って…。そこが騎手なりたいなって思ったのが一番のきっかけなので、観てて、自分がそこに乗っているイメージをよく想像します」

 あと、「生き物にも嫌なこともあると思いますし、人間の勝手とかでも乗せてもらっているので、本当に馬にありがとうっていう感謝の気持ちを持って馬に乗ってます」と言っていて、これは良いですね。感謝の気持ちが大切です。

 それから、全般的な話で驚いたのは、<競馬学校には118人が受験し、合格者は美駒さんを含む8人。およそ15倍の倍率という狭き門を突破しました>という記述。そんなに競争率高いとは知りませんでしたわ。競馬学校入る時点でめちゃくちゃエリートですね。


2024年8月8日木曜日

競馬イメージを向上させた新聞はどこ?読売・朝日・毎日・日経・産経

■2020/06/22 競馬イメージを向上させた新聞はどこ?読売・朝日・毎日・日経・産経
■2024/08/07 中央競馬の冠競走、マスコミ名の目立つレースと目立たないレースで差

■2020/06/22 競馬イメージを向上させた新聞はどこ?読売・朝日・毎日・日経・産経

  新聞社、放送局などのスポンサーの社名を冠した競走を冠競走(かんきょうそう)といいます。意外なことにこの先駆けとなったのは「朝日杯3歳ステークス」の朝日新聞であり、競馬イメージの向上に役に立った感じです。競馬ファンは感謝しなくちゃいけない新聞社かもしれません。

<本競走創設の発起人となったのは、馬主会の重鎮であった2代目中村勝五郎の息子・中村正行(3代目中村勝五郎)である。中村は当時騒擾事件が頻発していた競馬のイメージ改善を図るため、競馬ファンであった朝日新聞編集局長の信夫韓一郎に社賞の提供を持ちかけた。当初は最高格競走である東京優駿(日本ダービー)への提供を企図していたが、当時の国営競馬(農林省競馬部)が一社のみに許可を出すことを良しとしなかったため、代わりに3歳馬のチャンピオン決定戦という性格を持つ特別競走を新設することになった>
<「新聞社の名がつく競走ならば競馬の社会的信用も高められる」との考えから、競走名は「朝日盃三歳ステークス」とされた>
<戦前から競馬を敵視しつづけた朝日新聞社が競馬を大衆娯楽・スポーツと認めたことは他の大手マスメディアを刺激し、1955年までに読売カップ(読売新聞社)、毎日王冠(毎日新聞社)、東京新聞杯(東京新聞社)、NHK杯(日本放送協会)、日本経済賞(日本経済新聞社)、産経賞オールカマー(産経新聞社)といった競走が次々と新設された>
(朝日杯フューチュリティステークス - Wikipediaより)

 当初は最高格競走である東京優駿(日本ダービー)への提供を企図していたとありましたが、ダービーも朝日新聞に関係が深いレース。中央競馬の冠競走一覧 - Wikipediaでは、他の朝日がつくレースと合わせて、以下のようにダービーや菊花賞についても補足する説明がありました。

<朝日杯フューチュリティステークス(阪神)
    朝日杯セントライト記念(中山 2014年より寄贈)
    朝日チャレンジカップ(阪神、2013年限りで撤退 現在はチャレンジカップとして施行)
    朝日杯九州産3歳特別(朝日杯九州産3歳ステークス 小倉、現在実施せず)
    この他、冠レースではないが東京優駿(日本ダービー)では優勝騎手に優勝旗が、菊花賞では社賞が朝日新聞社から贈られる>

■2024/08/07 中央競馬の冠競走、マスコミ名の目立つレースと目立たないレースで差

 以前から思っていたのは、マスコミによる中央競馬の冠競走、マスコミ名の目立つレースと目立たないレースがあるということです。
 例えば、朝日新聞の朝日杯フューチュリティステークスは朝日が目立つレース。以前はさらに目立つ朝日杯2歳Sでしたし、朝日チャレンジカップも目立っていました。朝日の冠がとれたチャレンジカップは、同時期に行われるチャンピオンズカップと紛らわしい…と悪評。朝日撤退の影響は大きい(?)です。

 もっと目立つのは、東京新聞杯。そのまんまストレートすぎて、一番お得感があります。同じ系列の中日新聞杯もそのまんまなパターン。ついでに言うと、京都新聞杯、神戸新聞杯など、なぜか地方紙の方がオトクなパターンが多いと思います。
 この他、日経新聞の日経賞、日経新春杯もわかりやすいところでしょう。毎日新聞の毎日王冠や毎日杯も朝日パターンなので、ある程度わかります。

 一方、影が薄いな…と思うのが、読売新聞の読売マイラーズカップ。普通は単にマイラーズカップです。
 また、産経新聞の産経賞オールカマー。単にオールカマーと言われることが多いです。今回調べていて、セントウルステークスも産経賞セントウルステークスだと知りましたが、さらに言われません。
 産経新聞と同じグループである夕刊フジの夕刊フジ賞オーシャンステークスもほとんど言われませんね。夕刊フジ杯オパールステークスにいたっては、今回初めて知りました。
 ついでに同じグループであるフジテレビ賞スプリングステークスも全然言われない名前。フジテレビの競馬番組で言うため覚えていますが、他ではほとんど見かけませんね。

 先程「なぜか地方紙の方がオトクなパターンが多いと思います」と書いたのですけど、唯一お得じゃない地方紙が私の地元北海道新聞。クイーンステークスという重要度の高い重賞をゲットしているせいか、北海道新聞杯クイーンステークスとはあまり言われません。今回初めて知りました。

 大きい重賞ほど目立たないという逆転現象は、スポーツ紙でも起きています。例えば、日刊スポーツでは、日刊スポーツ賞中山金杯や日刊スポーツ賞シンザン記念より、そのまんまな名前で言われやすい札幌日刊スポーツ杯の方が目立つといった具合です。

 先程フジテレビだけ出した放送局の場合も、重賞かどうかの関係で、地方局の名前が目立ちやすく、大手の方が目立たないという逆転現象が起きています。
 ただ、地方局でも結構重賞の冠になっており、目立たないところが結構ありますね。例えば、京都放送(KBS京都)のKBS京都賞ファンタジーステークスがそういったものです。
 大手の方の例外としては、NHKマイルカップ。必ずNHKがつく名前で言われるので、お得感があります。

 マスコミ以外の民間があるのは、鉄道会社だけ。そして、鉄道会社は全部わかりやすい名前になっているというのが不思議です。こういうのを見るのは、おもしろいですね。

    京成電鉄
        京成杯(中山 3歳=旧4歳限定重賞)
        京成杯オータムハンデキャップ(中山) - 1980年(昭和55年)の開催日程の変更に際して9月中山開催となったため、1998年(平成10年)から10月東京開催の「京成杯3歳ステークス」より振り替えられた。
    京王電鉄
        京王杯スプリングカップ(京王杯スプリングハンデキャップ 東京)
        京王杯2歳ステークス(東京) - 1980年(昭和55年)の開催日程の変更に際して10月東京開催となったため、1998年(平成10年)から9月中山開催の「京王杯オータムハンデ」より振り替えられた。
    京阪ホールディングス・京阪電気鉄道
        京阪杯(京都)
    阪急阪神ホールディングス・京阪神急行電鉄→阪急電鉄
        阪急杯(阪神)
    名古屋鉄道
        名鉄杯(中京)
        発走の際は通常のファンファーレではなく、名鉄パノラマカーのミュージックホーンのメロディが演奏される。